音楽の話(3)名前の省略
前回のそっくり音楽に引き続き。
日本で音楽の話をするとき、音楽家の名前や曲のタイトルは、よく省略されています。
作曲家名でいうと、前回に出した「ショスタコーヴィッチ」なら「ショスタコ」または「タコ」。
ラフマニノフは「ラフマ」、チャイコフスキーは「チャイコ」。
ただし傾向としては、音楽好きの人以外にも知られている作曲家が省略されることが多いかも。ほんの少しマニアックだと長くても省略されません。バロックのペルゴレージとかルネサンス期のパレストリーナがペルゴレとかパレストにはならないのですな。
その意味で言えば、メンデルスゾーンは「メンデル」にはなりません。これはメンデルの法則のせいだ、きっと。
曲名は以下の通り。
ピアノ
交響曲の類は作曲家名の省略+交響曲の番号付で呼ばれます。以下の通り。
ベト4(ベートーヴェン交響曲第4番。私は九つあるうち、これが1番の傑作だと思っていますが全然演奏されなくて、他のが称揚されていて悔しいです。誰か同意者求む! まあ傑作なだけあってめちゃくちゃ難しいのですけどね。オケに入ったことはありませんが楽譜見てるだけでこれは凄まじい難しさなのは分かります。特にファゴットイジメ! でも聴いて)
ブル7(ブルックナー交響曲第7番。以下、「交響曲」は省略します)
ブラ1(ブラームス1番)
マラ2(マーラー2番)「復活」というタイトルがあるのに「復活」よりマラ2という方が多いかも。
チャイ5(チャイコフスキー)
あれ? でもショスタコの場合どうなるんだろう。「タコ7」? あまり聞かない気がしてきた。
バレエやオペラの題名も然り。
「白鳥の湖」は「白鳥湖(はくちょうこ)」
「神々の黄昏」は「黄昏」
「彷徨えるオランダ人」なら「オランダ人」
「コシ・ファン・トゥッテ」は「コシ」
演奏者も省略されてしまいます。ごめんなさい。
指揮者・ピアニストのダニエル・バレンボイムらなら「バレン」
もう亡くなりましたが、チェリビダッケなら「チェリ」
といった具合に。
ですから、会話するとこんな感じになります。
「昨日、チェリのベト4聞いてたんだけどね」
「古い録音聞いてるね〜それもいいけど、この夏のバレンがオランダ人をリンデン(ベルリンの歌劇場)で振ったやつ聞きなよ」
「オペラはあまり聞かないからバレンだったら弾き振り(ソリストを務めながら指揮を振る)でピアコンが聴きたい」
「弾き振りと言えばムターのメンコンがすごかったよ(この曲の弾き振りは無理だと思いますが)。オペラじゃなくてバレエなら聞くかな」
「そういえばチャイ5好きだよね。今度、新国(新国立劇場。オペラ上演があります)で白鳥湖やるよ」
と、多分、知らない人が横から聞いていたら「なんの話」状態。
まあそれは置いておいて、その省略の仕方が、たまに疑問です。それが、
「薔薇騎士」
リヒャルト・シュトラウスのオペラの題名なのですが、邦題の正式名称はこう。
「薔薇の騎士Rosenkavalier」
「の」くらい入れなよ!!!!!!!!!
日本人は4文字が落ち着く、という結論に至りました。だからきっとモーツァルトやブラームスの名前は省略されないんだろうな。
読者を置いていく勢いで暴走。失礼しました〜♪
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