映画音楽続き(ロード・オブ・ザ・リング)
続きです。今度こそ、ちゃんと音楽のお話まで行きます。
DVDは、当時の私のお小遣いでは到底、リミティッドのスペシャルエクステンディッドエディションなんて手に入らず、数年経ってから普通の買いました……そして外国語の勉強のためにドイツ語版もドイツ行ったときに買いました……。
その夢中になりすぎな具合は家族はよく知るところ。受験期になっても熱冷めやらず。
なんと言ってもサントラはエンドレスリピートか、というくらい流していて、聴きながら勉強。姉は「その音楽聴くとあんたが勉強しているところしか思い浮かばない」と言ったほど。
さらに受験リスニング対策のためにDVDを音だけ流して、台詞をディクテーション。延々初めの「One Ring... one by one...」という暗ーい伝説の語りを流してたりしましたよ。
さらに英語の勉強のためにと称してオリジナルを買ってきて読むわ。
仕事の出張でニュージーランドに行った時には、仕事のない日を使ってロケ地(ホビット村)に行くわ。
映画をつけると危険です。仕事が手につかなくなるし、下手するとご飯も食べられないので何年も見てません。ほんと危険。
サウンドトラックも大好きで! もちろん三部作のCDはもちろん持っています!
前置きが長くなりましたが、如月さんのエッセイはその音楽の話だったのです。
これがですね〜すごいんですよ。ケルト音楽のニュアンスが入っていると思うのですけれど、もしそうならロードはケルト神話も源泉にあるでしょうから「さすが!」というところ。ホビット村のテーマは長閑でほんわか楽しい感じです。それがクラシック、というより民謡っぽい。私はケルト音楽には詳しくないのでケルトと関連するかは知りませんが、ホビット村の音楽のメインのところでは、音階でいう「ファ」の音がほとんど抜けてる、と思うのです。完全にではないけど(間違ってたらごめんなさい)。
日本の音階はヨナ抜き、「ファ」「シ」が抜けたペンタトニック(五音音階)です。やっぱり民族調作ってるなぁってホビット村を聴いてると。
それでもってMay it beというエンヤさんの歌うエンディングは4と7抜きかな?
劇中では色々な土地、民族、話の鍵になる事物が音で表されている(と思う)→ 組み合わされたり変容したり。ヴァーグナーが使ったライトモティーフ的な使い方がされているなぁーと今になると思ったりするのですけれど。
例えば、途中でドワーフが作った坑道を抜けるシーンがあるのですが。そこで敵に攻められてしまって大変! という時にですね、味方側の成功の音楽が、旅の一団の「進行」だとすると、その間に敵側の音楽が入り込むのですよ。拮抗するんですよ。そして拮抗しきったところでキツい不協和音に凝集させちゃうのですよね。それがパーンと破裂する感じでまた「進行」になったり。
まさに話とシンクロして音楽が作られていて。長閑なホビット村の音楽が続いていると思ったら、フレーズが終わる前に不穏な音楽が侵食しちゃったり。
それぞれの音楽は一つの音型の繰り返しが多いです。特に多いのは旋回モチーフかも。「シドシラー」というタイプですね(あ、共通モチーフが多いのは、もしかして場面の動きに合わせて別のモチーフと繋げやすくするためかも……とか思ったりするわけです)。
それで、一つのモチーフが繰り返される中で速くなったり遅くなったり低くなったり、変化が部分的だったり。それだけで「緊張」「不安」「危険」など様々なことを感じさせる。
やばい、すみません、読者を置いてく勢いでマニアックな上に止まらなくなってきた。
私の好きな映画のうち、もう一つサントラですごいのがパイレーツ・オブ・カリビアン。ハンス・ジマー作曲。
こちらは他のところにかなりのインスピレーションを与えたようで、現在テレビを見ていると、映画ではなくバラエティやテレビや様々なところでパイレーツのメインテーマそっくりな音楽をよく聞きます。
長くなるのでこっちはまた次回!(まだ書くのか)
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