夢遊病の女

 こんばんは。飲み会から帰ってきました蜜柑桜です。多少酔ってますのでご容赦を。多分そこまで崩れないと思います。「ザルだ」、「日本酒が水だ」と言われます。何を失礼な、風評被害だ全く。酔う時は酔いますよ。


 夢の話をしたのでもう一つおかしな小噺を。まだまだ高校時代の頃のお話です。


 修学旅行などとは別に、私の学校では合宿というものがありまして。学年で行くのではありません。部活単位です。それで、私は合宿の取りまとめをする役員だったのですね。修学旅行委員とかとまあ似た感じです。入浴や食事、掃除のスケジュールを組んだり、部屋割りを決めたり、バスの移動順を決めたり……そして合宿中は各団体がきちんとスケジュール通り動くように誘導・管理し、みんなの健康状態に気を配り、などなどのお仕事。


 そうしたお仕事なものですから、きちんと就寝時間も守らせます。消灯、就寝、明日の活動のためにみんなちゃんと寝なさいねー、ってあれです。


 ところで私は大学に入るまで(大学に入ってすらなお)、就寝時間が十二時をすぎることはほぼありませんでした。試験前試験中だろうが、何かイベントがあろうが、十一時には布団に入っていたのでは無いでしょうか。「オール」? そんなものには縁遠い女子高生でしたとも。朝練ありますし。


 というわけで、合宿中も消灯時間を過ぎたら寝ます。一応、皆には何か言ったのでしょうけれど、守るはずもないのはわかっているので適当にして寝たんでしょうね。お休みなさい。


 さてその晩。


 私の同級生達、夜中に廊下で屯しておりました。おまけに自販機で飲み物まで買って。合宿中にそれは認められておりません。その前に消灯時間すぎてます。まず買い飲みNG、廊下で夜中に話しているなど言語道断、寝てください。


 そこにそうした規律違反を取り締まるべき役員的ポジションの私が現れたわけです。

 彼女達は「あ、怒られるかも」と。しかし、中の一人は明るく私にペットボトルを差し出してくれました。


「あ、蜜柑ちゃんも飲むー?」

「飲むー!」


 ごくごく。

 夏だし寝ていて喉が乾いていたに違いない。喉を潤し、彼らのもとを去りました。


 さて翌日。


「ねえ、蜜柑ちゃん、昨日の夜のこと覚えてる?」

「え? 何」

「ほら、やっぱ覚えてない!!」



 もうお分かりでしょうか。


 どうやら私、まっっっっっったく記憶にないことに、夜中に起き出して廊下に出て、彼女らと出くわしたそうな。当然、私から叱られると思ったらしいのですけど、お咎めなしに戻っていったとか。

 知らない。覚えてない。


 夢遊病……。


 本人、聞いて驚愕しましたね。まぁとりあえず部活のみんな、買い飲みはしないで寝なさい。翌日の練習に響くから。


 ちなみに修学旅行の時には私ではなく別の子が、朝にむくりと立ち上がって部屋から出て行ったので、「やっと起きたー」、と思ったら帰ってきて布団にそのまま倒れ込んで寝ました。寝たまま部屋から出て行って帰ってきたんですね。


 同じ部活の子でした。


 大丈夫かうちの部活!!!


 そうだ。「夢遊病の女」というのはベッリーニのオペラのタイトルです。


 ついでに昨日の図書カードの当たりの話を家族にしたら、

「ほんっとうにさぁ、あなたはさぁ、そうやって全ての運を……ちまちまと……くくく」


 って運をしょうもないところに使いすぎて肝心なところに運をなくす様を爆笑されました。ちょっと待って笑いすぎ。

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