月が見えない国
茉莉花 しろ
0輪目
一九四五年八月十五日。日本は世界に敗北を認めた。一九四一年十二月から始まった太平洋戦争の負けを認めた日本の後はあっという間であった。
大国を敵として戦った日本への代償は大きかった。
その代償は「日本の分割統治計画」
各国が日本を分割して占領しようと言う内容だった。分割統治計画に関して様々な考えが巡ったのだが、連合国軍最高司令官総司令部によりこの計画は実行されることになった。
北方四島、北海道、東北地方はソ連に占領された。本州中央、関東、信越、東海、北陸、近畿はアメリカに占領された。また、四国は中国に、イギリスは西日本、その中での中国・九州地方を占領した。それにより、一つの国の中で複数の言語が存在するという摩訶不思議なことになったのだった。
それから時は過ぎ、二〇一九年。敗戦国となっていた日本はどこへ消えたのか、立派な大国へと進化をしていた。
各国が日本という国を大きくするために注いだお金はうん兆円と言われている。そして、各国のトップはいつの間にか「誰が日本全土を支配するか」で頭がいっぱいになってた。それに気づいたブルジョワ日本人達は我れ先にと国外へと移住を進めて行った。
しかし、そのようなことが出来るのは一部の人間だけ。ほとんどの日本人は自分達の置かれている状況も理解出来ずにただ過ごしていた。
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