第35話

私は魁斗を車に乗せた。


行き先は青柳がいる神社。


そこに紫苑がいるはずだ。



神社に着いた。


すると魁斗が先に降りて、まるで自分の家の庭のようにすたすたと歩いて行く。


私は後を追った。


しばらくすると、前方から魁斗の大きな声が聞こえてきた。


「おおっ、なんだおまえは?」


そこには青柳と紫苑がいた。


青柳のことは知っているので、魁斗が言っているのは紫苑のことだろう。


高校のセーラー服を着た、中学生くらいの顔の少し小柄な少女。


おそらく魁斗の予想していた人物とは、大きくかけ離れていたのだろう。


こっちにくる私の姿を見つけた青柳が魁斗に言った。


「この人が、おまえといっしょに入る紫苑だ。仲良くするように」


「こいつが? こんなチビのロリっ子が、この俺と入るってか」


魁斗は紫苑をまじまじと見ていた。

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