第19話
「えっ、もう帰るのか。愛想ないぜ」
私は返事をすることもなく、道場を出た。
車に乗り込むと、思った。
戦鎚も基礎を覚えるだけで常人なら少なくともニ、三年はかかるが、あいつならもっと早く覚えられるだろう。
一人でやれる仕事をこなしていると、青柳から連絡があった。
「会って欲しい人材がいる」
「またスカウトか?」
「いや、スカウトの必要はない。向こうからやって来たし、本人はやる気満々だ」
「向こうからやって来た? 一般人は我々のことを知らないはずだが。一般人ではないのか」
「一般人ではない。茜(あかね)の妹だ」
「茜……かあ」
「どうだ。会うか?」
「会う。それで青柳の見立てだと、どれほどの才があると思う?」
「姉以上だ」
姉以上。それは凄い。
「そうか、それなら是非会ってみたいな」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます