第15話

そう言うと魁斗がにたあ、と笑った。


「もちろんだぜ」


ほんと、わかりやすいし、あつかいやすいなこいつは。


私は思った。


「それじゃあ、ついて来い」


「へいへい」


「おっとその前に、青柳にお礼と別れの挨拶だ」


「おお、それやっとかないと失礼だな」


魁斗はこれまでに見たことがないようなまじめくさった目で青柳を見ると、深々と頭を下げた。


「青柳師匠、これでお別れです。今まで本当にありがとうございました。どうか末永くお元気で」


私はちょっと面食らってしまった。


ここまで丁寧にやるとは思ってもみなかったからだ。


青柳が言った。


「俺も教えがいのある弟子を持てて楽しかった。こっちこそありがとうな」


「いえ滅相もない」


魁斗はそう言うと私に向き直った。

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