第11話

「気は便利だぞ。身体能力を上げるだけではなく、使いようによっては攻撃にも防御にも応用できる。魁斗、だったかな。君はすでに防御に使っているそうだな。飛燕から聞いた。集める気はまだまだ少ないようだが」


「えっ? 俺はそんなことしたおぼえはないぜ」


「無意識のうちにやっているんだ。だから通常の人間よりも防御力が高い。不自然なほどに」


「確かに。えらく頑丈な体だと言われたことは、何度もあるが」


「そう。とにかく気の使い方を学ぶんだ」


「好きなだけ暴れるってのはまだか?」


「強くなりたいんじゃないのか?」


「そりゃあ、なりたいさ。あったりめえだろうが。そのためにこんなへんぴな神社に来てやったんだ」


「それなら私の言うことを聞くんだな。間違いなく強くしてやる。暴れるのはそれからだ」


「わかった」


魁斗はすぐにでも暴れたいようだが、強くなるというもう一つの望みがかないそうなので、素直にしたがったようだ。


私は頃合と見て、口をはさんだ。


「それじゃあ青柳、頼んだぞ」


「まかせてくれ」


「おい、飛燕。おまえ帰っちゃうのか?」


「そうだ。私はやることがある。おまえはしばらくこの神社でやっかいになるといい。それに一応言っておくが、強くなりたいのなら青柳の言うことは全部聞くんだ」

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