第12話

「……わかったよ」


車に戻ると青柳が追ってきた。


「あのあんちゃん、なんだかんだと言っても飛燕のことを気に入っているみたいだな」


「意外だが、そうみたいだな。で、どうだ。修行はうまくいきそうか?」


「ああ、強くなりたいと欲求が並外れて大きいようだ。人に指図されるのは嫌いなタイプと見えたが、あれならなにを言っても聞くだろうし、どんなつらい修行もやりとげるだろう」


「それは、よかった。じゃあよろしく頼む」


「ああ」



私はそれから情報収集をしたり事務処理をしたり、軽いあやかしを退治したりして過ごした。


あやかし斬りが軽いものに限定されたのは、今のところ組には私一人しかいないからだ。


本格的なあやかし斬りは、三人以上ですると定められているのだが、私の相棒は一人が不幸なことに大病を患い、それをきっかけに組から離れた。


するともう一人も「私もいい年だから、これを機にもう静かに暮らしたい」と言い出した。


大ベテランで頼りになる存在だったが、七十歳を過ぎていた。


体力的にきついのは誰の目にも明らかで、組織も本人の希望を受け入れた。


やることが特殊と言うか普通ではないので、相棒はすぐには見つからないだろうと思っていた。


もちろんハローワークに求人は出していないし。


そこに青柳が魁斗の話を持ってきたのだ。

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