第4話

速いし力強いが、私は槍でそれをはらった。


そしてふところに飛び込むと、刃と反対側にある鉄球で男のみぞおちを突いた。


「ぐふっ」


体重に加えて気をのせた攻撃だ。


並みの人間なら一撃で倒れてしまうだろう。


しかし男は倒れなかった。


ダメージはあるのだが、ちゃんと両の足で立っている。


「やるじゃねえか」


私は気付いた。


もともと身体も頑丈なのだろう。


しかしそれだけではない。


鉄球が当る瞬間、男が気をみぞおちに集めたのだ。


つまり防御。


集まった気はそれほど多くはないが、それでも衝撃を多少軽減していた。


だから倒れなかったのだ。


しかもこの男、無意識でそれをやりとげ、自分ではそのことに気付いていない。

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