新作の投稿から2週間が経ちました。

2022年09月26日


 どうも、あじさいです。


 筆者は最近、Web小説も読んでいますが、紙の本では『デルトラ・クエスト』を読んでいます。

 タイトルだけではピンと来ない方が多いと思いますし、先日まで筆者もそうでしたが、ハリポタが世界的なファンタジーブームを起こしたのと同時期、2000年代前半に流行った、(少なくとも邦訳版は)表紙がちょっと中二病くさい冒険ファンタジー小説シリーズです。

 古本屋で手に入ったのは第4巻『うごめく砂』までですが、昨日それを読み終えました。


 筆者の場合は小学校の同級生が読んでいまして、当時彼ら彼女らのいじめにっていた筆者はその本のことも見下していました。

 1冊が薄く、小学生にも読まれていた本だけあって、諸々の描写が少々物足りない気もしなくはないですが、それでも表紙の印象より、しっかりと筋の通ったお話です。

 いわゆるなろう系に慣れてしまったせいかもしれませんが、なろう系があくまで主人公中心にしか話が進まないのに比べると、この『デルトラ・クエスト』は、もっと多種多様な人々・価値観が息づいている感じがします。


「なろう系作品をアニメ化するくらいなら、こっちをアニメ化した方がいいんじゃないか」

 と思って調べてみたら、2007年にアニメ化されており、違法か合法か分かりませんが、YouTubeにも上がっていました。

 小説版を読んで受けた印象よりキャラクターデザインが子供っぽい感じがしますが、小中学生を中心に流行した作品ですし、これはこれでありなのかな、と思います。




 さて、新作『ようこそ、ナーロッパ劇団へ』の掲載けいさい開始から、2週間が経ちました。

 冷静に考えると自意識過剰なのですが、実を申しますと、投稿前は、このタイトルでこの第1話なら、投稿したその日の内にでもカクヨムに、いや全ての小説投稿サイトに激震が走るに違いない、と思っていました。

 そして、注目を集めたからにはコメント欄やレビューコメントには罵詈雑言が殺到するだろう、と予想していました。


「人が好きな作品、それを見に来るファンを悪く言って楽しいか」

「お前のツッコミなんか全部的外れだ」

「独りよがりな正義感で俺たちのいやしを否定するな」

 など、駄々っ子のように自己中心的な感情論から、

「そんなに言うならお前も同じくらいヒットする小説を書いてみやがれ」

「需要があるところに供給があるんだ、それの何が悪い」

 といった、本文をちゃんと読んでいない的外れな悪口、

 もっとシンプルに、

「面白くない」

「不快」

 みたいな、語彙力もセンスもない不平不満まで、きっと色々言われるだろうと思って身構えていました。


 1週間遅れで掲載けいさいしている「小説家になろう」の方では、先日、5段階評価で言えば1の評価が入ったので、調神経を逆なでできたのだと思います。


 しかし、幸いにして(心から幸運だと思いますが)、今のところ批判的なコメントは一切来ておらず、むしろ読んでくださった皆さんからは概ね高評価を得て、まだ第1章も終わらない段階なのに☆もたくさん頂いております。

 ありがたい限りです。

 なんだかんだ言って筆者にもメンタルというものがありますし(というかそもそも小心者ですし)、これはこれで丹精たんせい込めて書いた作品ですから、好意的に受け取っていただけるなら、それに越したことはありません。




 ただ、書き手としては心苦しいことが出てきました。

 投稿開始から2週間経っても第1章の掲載が終わらないというのが、実際に2週間を過ごしてみると、なかなかつらいのです。

 拙作『ダームガルス戦記』を投稿したときと同様、せめて第1章くらいはまとめて一括いっかつ投稿した方が良かったかもしれません(それはそれで読者の皆さんの心理的ハードルを高めたとは思うのですが)。


 もちろん、どの話が何月何日に掲載されるかをコントロールしているのはこちらなので、第1章が9月末まで続くことは承知の上です。

 また、第1章「臨時の家庭教師」は第17話(9/27掲載分)で終わり、第18話から第2章が始まります。

 第1章という区切りがつけば、新規の読者さんも読み始めやすいと思ってくださるのではないかと、ひとまずそう思っています。




 セルフネタバレという悪癖に自覚はあるので、あまりしゃべりすぎないようにしたいですが、すでに2週間分を掲載していますし、このエッセイでなら、以下のようなことくらいは言っても良いと思います。

 たしかに本作の基本構造は「主役の代役アレンがナーロッパのテンプレ要素にツッコミを入れる」というものではあるのですが――すでに読んでくださった皆さんはお分かりでしょう――、ただそれだけの作品ではありません。

 アレンのツッコミは時として的外れや野暮かもしれませんし、他のキャラクターがアレンを黙らせる場面も結構あります。

 また、ナーロッパの傾向にツッコミを入れるのはアレンばかりではありませんし、そのツッコミにアレンの方が気後れする場合もあります。

 当然と言えば当然なのですが、アレンにせよ、他の人物たちにせよ、唯一無二の常識人だとか、作者の代弁者などといった位置づけにはなっていないのです。


 本作の狙いとして、ただ単に「ナーロッパなんてろくでもないよね」と愚痴るのではなく、「ナーロッパのテンプレにはそれはそれで合理性がある」とか「この辺りはちょっと説明を加えるだけで説得力が増す」といったこと、そしてさらにその先を提示しようという思惑があります。

 第3話以降にアレンの兄たちの話が出てきますが、これも同じです。

 単に「かませ犬が安っぽいぞ、バカっぽいぞ」という話をしたいわけではなく、一見そう見えるにしても、「ちゃんと書けばちゃんと人間ドラマになるはずだ」という方向に持っていきたいわけです。


 もちろん、ナーロッパのテンプレを次々に繰り出して主人公がツッコミを入れまくるだけでも、それなりに笑える作品になるかもしれません。

 筆者自身、最初はそういう作品を思い描いて、書き始めました。


 ですが、そうやって出来上がっていく文章を読み返していても、満足のいくものにならないのです。

 そもそもの話、アマチュアが書いた小説に不備が多いのは当たり前ですから、「みんな無批判に真似している、あるいは書かないで済ませている」という傾向や、素人の小説を充分に改善せず出版・アニメ化している出版業界の現状を笑うことはできても、個々の作品たちにツッコミや批判を入れすぎるのは悪趣味です。


 それに、ナーロッパのテンプレに沿ったお話を書いたところで、よくあるパターンをさらに真似ただけですから、物語の方向性が定まらない、うすっぺらい話にしかなりません。

 いくらツッコミの手数を増やしたところで、骨格となる物語が薄ければ細かいあし取りに終始するしかありませんし、最終的に「薄い話はやっぱり面白くないよね」と自分で言う羽目になります。


 そのため、拙作『ようこそ、ナーロッパ劇団へ』は、ツッコミや批判を入れる段階からさらに踏み込んで、ナーロッパ世界や異世界転生要素の可能性、もっと言えばWeb小説の可能性を探っていくような作品を目指しました。

 その分、ナーロッパらしくない設定や、それらを準備する部分が必要になりましたし、当初目指していた、パロディ小説らしい軽さからは離れたかもしれません。


 ですが、これは作者としての自負を込めてあえて言いますが、本作は読者の皆さんに対して、そんじょそこらのナーロッパ小説では太刀打ちできないくらい強いインパクトを与える作品である、と確信しています。

 この作品を好きになるにせよ嫌いになるにせよ、この作品を最後まで読んだからには、既存のナーロッパ小説では満足できなくなるはずです。


 本作は、あなたの異世界転生がもっと面白くなるためのスパイス。

 異世界転生モノの壁をぶち壊す爆弾ばくだんです。


 あなたの異世界転生に、幸あれ。




 なお、先週は18時に投稿していましたが、不備に気付いても調整が間に合わず、投稿後に修正する日が続いたので、今後は20時投稿で固めたいと思います。

 時刻が遅いと読みづらいかもしれませんが、文字数が多くても読みにくくはないはずなので、諸々の余裕があるときにでもご覧いただけると幸いです。


 ここまでお付き合いくださり、ありがとうございました。

 またどこかでお会いしましょう。

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