原点回帰の試み。
どうも、あじさいです。
先に言っておくと、今回は本当に単なる近況報告です。
ただ、人によっては懐かしいと感じていただけるかもしれません。
ここしばらく、筆者はカクヨムでも「なろう」でもほとんどの時間を読むことに費やしています。
「書く・読むのバランス」の回を書いたときは、拙作の執筆を進めたいのに気づいたらカクヨムで小説を読んでしまう、という状況でしたが、最近は開き直った上で読むことに専念しています。
「今は読む」と決めたのは、結局のところ自分が今やりたいと思えることをやった方が効率的だからです。
筆者の半生を振り返ってみると、「やるべきこと」と「やりたいこと」を天秤にかけたとき、前者を取ろうと考えても意欲が湧かず、中途半端になったりほとんど何もできなかったりしたことが多くありました。
今回はそれを見越して、「やりたいこと」を先に片付けることにした訳です。
さて、読んでみてつくづく思うのですが、皆さん、面白い小説を書かれますよね。
一体どんな本を何冊読めばこんなことを考えられるようになるのか、ぜひお聞きしたいところです(真似できるとは言ってない)。
特に、お一人で何作も、人によっては別々のジャンルで小説を書かれている方もいらっしゃって、拙作以外に小説のアイディアが湧かない筆者は驚くばかりです。
拙作と同じジャンルを読むにせよ、別のジャンルを読むにせよ、勉強になることが色々あります。
時には、拙作の至らなさが実感できて、つらくなってきます。
「拙作に改善の余地がたくさんあると分かっていたはずなのに小説投稿サイトにアップしたのは、やっぱり時期尚早だったかな」と後悔することもあります。
ただ、一方で、拙作が何で勝負する作品なのか、書き手である筆者が見失ってはいけないな、とも思っています。
世の中には拙作と同じ異世界ファンタジーでも、1ページ目から読者の心を掴んで離さないものや、ゆるい世界観で安心して読んでいられるもの、登場人物たちの掛け合いに思わずクスッとさせられるものなど、様々なタイプがあります。
そんな中で、拙作は何を目指した作品であるのか。
執筆に行き詰まっているということもありますし、それをここで思い出しておく必要があります。
ということで、原点を思い出してみました。
思い出すだけならタダですからね。
拙作の起源は中学時代の筆者の妄想にさかのぼります。
今の拙作は、それを大学生になってから思い出して、
言うまでもなく、拙作は中学時代の妄想とは全くの別物です。筋書きも世界観も登場人物もテーマも全然違うものになっています(人名や地名の一部は今の拙作にも受け継がれています)。
では、なぜ筆者はそんな妄想を始めたのか。
そこに関わる作品が『エラゴン』です。
筆者はハリポタに始まるファンタジー・ブームの直撃世代です。
21世紀に入ってから生まれた年代の方にはピンとこないかもしれませんが、当時の熱気は凄まじく、小学生から大人までの幅広い世代が、何百ページもあるファンタジー作品を貪るように読んでいた、と記憶しています。
筆者はそのすべてを読んではいませんが、それはもう色々なファンタジーが発掘されたり、新たに書かれたり、映画化されたりしました。
『指輪物語』、『ナルニア国物語』、『ゲド戦記』、『パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々』、『バーティミアス』、『ライラの冒険』、『ルーンの子供たち』、『ダレン・シャン』などなど。
その中に『エラゴン』がありました。
おそらく正確には『ドラゴン・ライダー』というシリーズなのだと思いますが、その第1巻が『エラゴン 遺志を継ぐ者』。表紙を見れば一発で分かる通り、ドラゴンが登場します。
筆者はレビューコメントすらまともに書けないので、下手なことを言ってこの作品の評判を下げるのはやめておきますが、まあ何と言いますか、中学生だった筆者はこれを読んで「こういう作品を書いてみたい!」と思い、妄想に明け暮れた訳であります。
原点を思い出すために、筆者は○○年ぶりに『エラゴン』を紐解いてみました。
……となると思うでしょ?
そうはならないのが筆者、そしてこのエッセイなんですよ(胸を張ることではない)。
筆者の本棚には『エラゴン』がありません。
中学生だった当時は学校の図書室で借りて読んでいました。
そこでこの度、筆者の原点回帰のためにネットで古本を購入することにしました。
さすがに初版から10年以上経つとすごいですね、当時の人気作が今では29円(+配送料)で手に入るそうです。
今、筆者は『エラゴン』の到着を待っている状況なのですが、待っている間にも、というか待っている間こそ、何か読みたくなるのが人情というもの。
誘惑に負けて読み始めてしまいました、筆者の本棚にも入っているあの名作、『ハリー・ポッターと賢者の石』を。もちろん、勉強を兼ねてです。
既に4~5回は読んでいるので、内容に関して新しい発見はないはず……だったのですが、あるものですね、発見が。
Web小説に慣れ始めた目で読んでみると、『賢者の石』の前置きは割と長いんです。
ハリーがまだ赤ん坊の第1章「生き残った男の子」だけで、25ページも使っています。
『賢者の石』は1ページ当たり最大42文字×17行=最大714文字なので、少なめに見積もって1ページ500文字としても、20ページで1万字に達します。
カクヨムの自主企画には「参加作品の最初の1万字を読みます」と謳っているものがありましたが、あのハリポタでさえ、最初の1万字では魅力をほとんど伝えられないのです。
小説投稿サイトで多くのページを使ってもなかなか物語が動き出さない(ように見える)からと言って、少なくともそれだけを根拠に駄作だと決めつけてはいけないのです。
「いけない」というか、もったいないことをしているかもしれません。
考えてみれば、欧米のファンタジー小説はその多くがやたら分厚いか、そうでなくても5冊以上のシリーズ物だった気がします(『ハウルの動く城』など例外もありますが)。
スロースタートだったり大長編だったりするのは、ある種ファンタジーというジャンルの宿命なのかもしれません。
筆者は拙作がスロースタートであることにずっと悩まされてきましたが、それはWeb小説としてはという話であって、純粋なファンタジー作品として見たときの完成度とは関係がない、と言ってしまっても良いのかもしれません。
まあ、だからといって拙作がハリポタや『エラゴン』に並ぶ名作だと主張する気は毛頭ありませんが。
要するに、『エラゴン』が届いて原点回帰する前に、筆者がちょっと前向きになったという話です。
皆さんも、もし執筆に行き詰ったときは、ご自身の原点に立ち返ってみると、新たな発見があるかもしれませんよ。
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