ヴェストリ・テラ・アデルハイドンの貴石
夕辺歩
第1話 暗雲
ヴェストリは目を覚ました。
夜警の中に、今夜は孫のダノンがいることを思い出した。寝台を降りた。
窓を開けると、案の定、夜空を覆う雲の腹が
と、眠りのおかげで忘れていた厄介な仕事のことを思い出して、ヴェストリは舌打ちした。集落に
こんな寂れた村に結界なんぞいらねえよ。
憎まれ口を叩く己の中の己を、ヴェストリは無言でたしなめた。
夜警が引き上げてくる気配を感じたヴェストリは、窓を閉め、また横になった。再び眠りに落ちた後は朝まで夢も見なかった。
村長の屋敷へ担ぎ込まれた者について思いを巡らすことなど、もちろんなかった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます