皆狂博士の異次元マシン

湯呂 潤九 €’junk〜

第1話 ついに出来たぞ! 異次元マシンじゃ!

「ついに出来たぞ! タイムマシンじゃ!

 いや、正確に言うと異次元マシンじゃ。同じ次元の未来や過去に行くと、どうしても違う次元のワシの記憶を持ったワシと行った先で合体してしまうから、合体したワシは今のワシの身体が、行った先の時間分を変化させた上で、ほぼ行った先の時間に近いが別の次元のワシの記憶を持つワシとして存在することになる、というわけの分からんことになるから、異次元の違う時間だけ主に行くことにセッティングしておるのじゃ」


「それならば、ワシの記憶を持った異次元世界のその時間のワシという存在になれるからの」


「また、ワシがすでにあの世に逝ってしまったような、かなり先の未来に行った場合は、もはやワシに合体する必要がなくなり、好きな場所を設定した時の最も近くにいる人間に合体することになる」


「おっと、言い遅れたが、ワシの名は皆狂陽吉ミナクルヨウキチじゃ。出来ればミラクル博士と呼んで欲しいのじゃが…… 」


「ところが、残念なことにワシはラベンダーという食用にできそうに無いものをとても常食することが出来ないのじゃ。

 えっ? それがどうしたって? いやいや、それが大有りなんじゃ。

 どうやらラベンダーの中に大量に含まれるベンダリンという成分を体内に取り込んで、体温を運動によって高めることで、ベンダリンを身体の周りに漂わせることが出来て、異次元への合流点が見えるようになるんじゃ。ワシはそれを見れないので、このマシンを持ってしても異次元への入口が分からないのじゃ」


「ああ、ワシも異次元に行きたい! 行きたい! その思いからワシは、バーチャル異次元マシンを新たに作ったのじゃ」


「ということでワシは寝ることにする。バーチャルな旅をしてくるのでな」


 第1話 終わり











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