偽教授天空杯 結果発表&寸評
この世界で生きるしかないとしても
このまま生きるほうが楽だとしても
その先に何があるかわからなくても
知らないほうが幸せだったとしても
たとえ世界を壊してしまうとしても
ニーナ、空にいこう
元ネタをさくっと披露したところで、では早速今回も結果発表をしてまいりますよ。
今回はまずグランプリ発表からいきます。
どぅるるるるるるる(自前ドラムロール)
でーん
偽教授天空杯、はえあるグランプリ作品はこちら!
Blue Lost Blue
https://kakuyomu.jp/works/16817330657599138964
今回は準グランプリも出します。準グランプリはこちら!
絵描きと死んだ娘の話
https://kakuyomu.jp/works/16817330657368913748
結果については以上です。というわけで寸評を書いていきます。
Blue Lost Blue/森本 有樹さま
https://kakuyomu.jp/works/16817330657599138964
「君を空に連れていく」というコピーを生かせ、という出題なわけですが、ざっくり三つの要素があるわけですよ。つまり「君」とは何か、この言葉を語っている主体との関係はどういうものかという点、それから「空」とは何か、最後に「連れていく」とはどういうことか。
この作品では空はシンプルにスカイですが、君、連れていく、の解釈の余地に面白みがあります。多分、三通りくらいに読める。作者様が意図したことかどうかは不明ですが、「君」というのは「日の目を見なかった試作機」のことかもしれないし、作中で回収されている通りにテストパイロットの女性のことかもしれない。連れていく、も、単にこの飛行機を飛ばしたいという願いのことともとれるし、もう少し奥行きのある解釈もできるようになっている。さすが飛行機ものを書きなれていらっしゃるだけあって妙味のある作品だな、と思いました。そういうわけでグランプリです。
絵描きと死んだ娘の話/尾八原ジュージさま
https://kakuyomu.jp/works/16817330657368913748
こちらの作品ではキャッチコピーは二段構えで意味が拾えるようになっています。絵描きが描いた絵の中でそうなっている、というのと、死者が彼を迎えに来る、そのメッセージですね。さすがの技巧だと思いました。
ストレイシープ・エスケープ/月見 夕さま
https://kakuyomu.jp/works/16817330656600146764
絶対にだれかひとりくらいはやってくるだろうと思っていた「地下世界」もの。最初に書いた元ネタの通り、実は「君を空に連れていく」の発想の根幹はこの手のネタに近いです。ただ、それはいいんだけどちょっと語り口がオーソドックスに「素直」すぎて、もう一ひねり欲しかったかな。
この青春には味がない(仮)/立談百景さま
https://kakuyomu.jp/works/16817330658115785742
いちおう回収はできてるけど、終盤の展開が唐突すぎて失速を感じました。緩急のコントロールがちょっと甘いかな。
スカイスクレイパーズ/田辺すみさま
https://kakuyomu.jp/works/16817330657186013796
世界観が味わい深い。題解きについてはこういう解釈ももちろんアリなんですが、「アリである」以上の評価にはならなかったかなというところ。
スカイクライマー・オブ・エニタイム/辰井圭斗さま
https://kakuyomu.jp/works/16817330657996058530
上手な作品だけど、ちょっと直球に過ぎる。そういう印象ですね。
重さ約20グラムの /ポテトマトさま
https://kakuyomu.jp/works/16817330657796267363
えーと、人間が昇天するところを書いてるってことでいいのかな。まあ、及第点というところですね。
空を飛んでおいしいジュースを飲めばいい/広河長綺さま
https://kakuyomu.jp/works/16817330657371381837
シンプルな解法の題解きでしたね。まあ、嫌いではないです。
竜の檻/ぎざぎざさま
https://kakuyomu.jp/works/16817330656595224039
んー。スタンダードな解き方。ど真ん中ストレートという感じでした。野球ならストライクですがボウリングだとスプリットになります(わかりにくいたとえ)
黒鶴/雪原菰さま
https://kakuyomu.jp/works/16817330656840996897
正直いってよくわかりませんでした。以上です。
きざはし/紫陽_凛さま
https://kakuyomu.jp/works/16817330656670591940
凝った作品ではあるのですが、根幹のアイデア自体がシンプルなので、このアイデアに対しては調理過剰かなと思うところがあります。
Heaven, O Heaven /故水小辰さま
https://kakuyomu.jp/works/16817330657294956599
んー。BLの分解酵素も多少は持っているつもりですが、これはいまいち消化不良を起こしました。すいません。
はい、というわけで全作品寸評でした。
次の偽教授杯ももう始まっておりますので、そちらもよろしくお願いします。
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