婚約破棄されたヒロイン彩音は婚約破棄してきた相手にある物をぶっかける!!

一ノ瀬 彩音

第1話 婚約破棄してくれたお返しよ!

私、西園寺彩音サイオンジアヤネには三原智成ミハラトモナリという

婚約者が存在しまして、智成さんとは将来、幸せになろうって

約束したはずなのに、それがどうも怪しい雰囲気になってきてて

どうしようかなって困っているのです。


お互いに25歳で特にこれといって取り柄もないのですけれど、

それでもお互い尽くしてきたので心配していませんでした。


しかし、最近は智成さんはぜんぜんデートしてても楽しそう

じゃないし、それに嬉しい事をしても喜んでくれません。


これってもう冷めている感じでまずい状況なのは事実なのですが、

どうしたらいいのでしょう。


私にはどうする事も出来ないし、何かがあったら防げる手立てが

ございません。


そんなある日、私は智成さんに呼び出されて公園に居るのですが、

智成さんは私に大事なお話があるそうです。


「智成さん、大事なお話って何ですか?」


「まず初めにすまない、彩音、婚約破棄させて欲しい」


「えっ? 婚約破棄?」


「あぁっ、婚約破棄だ」


「そんな、私の事が大嫌いになったの?」


「そういう事になるな」


「どうして大嫌いなの?」


「彩音の1つ1つの言動が嫌なんだ」


「そうなんだ」


智成さんは私の事を大嫌いになったという事ですけれど、

私はどうしたらいいのでしょうか。


そこで私は鞄からある物を取り出します。


せっかく私は尽くしてきたのに、大嫌いなられて婚約破棄させられる私は

ある物を智成さんにぶっかける事にします。


「智成さん」


「どうした?」


私は智成さんの顔を目掛けてある物をぶっかけるのですけれど、

ある物とは撃退スプレーです。


撃退スプレーをぶっかけられた智成さんは顔を押さえて

苦しんでいるのです。


「ぐぁっ、何しやがった」


「ざまぁ見なさい」


「くそぉっ、よくもやりやがったな」


「智成さんが婚約破棄するからでしょ」


「俺が婚約破棄しようが自由だろ」


「そんなのわかってる」


「なぜこんな事をしたいんだよ、教えろ」


「智成さんが私を見捨てたからよ」


「そういう事か」


「まだ撃退スプレーを受けたいの?」


「いやっ、遠慮する」


智成さんは元の状態に戻ると私に襲いかかりそうな感じですが、

私には撃退スプレーがあるので安心です。


「まあいい、婚約破棄は認めてもらうからな」


「認めるよ」


「このろくでなし女がっ!」


「!!」


智成さんは最後にとんでもない事を言って私の前から去りました。


こうして私は最悪な日常を終えると一息つくのです。


それでも私は不満があるので困っている。


「こんな恋愛したいために恋愛しているんじゃないけどね」


私はどうしようもなく堕落すると何もやる気が起きません。


神様、私に幸せを与えて下さい。

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