私が売れっ子異世界転生作家になれた理由

@ie_kaze

プロローグ

 日本での販売部数1000万部突破、本屋に行けば店の正面にその本は置かれている。

 世界5か国でも翻訳出版が予定されている作家それが私だ。

 ジャンルは異世界転生もの、読者の言葉を借りると私の小説は描写がすごいという評判で、まるで自分たちもその世界を見ているかのようだとよく言われている。

 いまは執筆した作品の一つについて記者会見に呼ばれている、一冊の小説の為にこういった大きなステージが用意される、それは全く類を見ない話らしく、とても光栄だとも思っていた。


 いろんな話をして、そして今さっき最後の質問で締めくったところだ。

 中にはどうすれば私のような作家になれるのかと聞いてきた記者もいたが、私は誰でも言えそうなアドバイスくらいしか言えなかった。

 実際嘘は言っていない、メモを取ること、書くことと、それは確かに必要だと思ったから紹介したのだ。

 それを聞いた記者も首を振りながらうんうんとうなづいてはいたが、内心ではそんなに納得していないだろう。誰だってやっている事なのだし、私が言われたとしても納得はしない。


 私は数年前にはどこにでもいる、ただの作家志望の人間だった。

 そんな私がどうしてここまでの売れっ子作家になることができたのか、それは数年前にあった、ある出来事が理由だった。

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