懐
2018年の春に私は学校を転校することになった。自分の住んでいる町から5つ離れた場所の学校だから電車を使わないと通えない距離だった。電車の数は二時間に一本で長い時は三時間も待つ。そして学校の近くの駅に着くまでの時間は一時間半もかかる、けれど電車の通学は憧れていたからそこまで苦痛ではなかった。一つを除いては……
「えーっと夏原ミサさんね、職員室は階段を上がって二階の廊下を左に曲がるとすぐだよー」
今日からまた新しい学校生活が始まる、そのために私は職員室に向かっていた。階段を登ると不思議な感じがした。懐かしさを感じる…
(ほら!ミサ!早く来てよ!)
階段の踊り場で髪の短い女性が私を呼んでる
窓から差し込む光で顔は見えない、その声は間違いなくあの子の声だった。私は急いで階段をかけ登り踊り場に止まった。しかし私を呼んだ女性はその場にいなかった。
「また…幻覚と幻聴か…」
私はぽつりと言葉をもらした。
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