待ち合わせ

空津 終

第1話 いつか、きっと。

私は今、一人の男の子を待っている。

彼とは昔からの大親友だ。

2日に一回は遊んでいたし、

互いに悩みを打ち明けてきた仲なのだ。

この絆はきっと、ともだち以上…


…いや。正直に言おう。

私は彼を愛している。

元気で、面白くて、カッコ良くて。

そんな彼が大好きなのだ。

彼からすぐ戻ってくるから待ってろ、と言われたのは良いものの中々帰ってくる気配がない。

まぁ、元々彼はそういうヤツだ。

時間通りに来たことの方が少ないだろう。

だから長い目で待っていてあげるのだ。

あ、でもそうだな。

 


こんな苔だらけの私を見たらビックリするだろうか。

流石に全身緑の女の子と一緒にいるのを見られたくはないだろう。

とはいえ、工場に行って洗ってもらってる内に戻ってきた、なんてあったら彼が可哀想だ。

かと言って、ロボットわたしの動力源も後200年ほどで無くなってしまう。

それまでに来てくれるだろうか。

大体、がん…?とかいう訳の分からない病気にかかって病院に行く彼も悪いと思う。

健康には気を付けろとあれほど言っておいたのに。まったく。

そういえば彼が病院に入って数日後300年くらい前に彼の家族が、大きな箱と彼の写真を持って出てきたけど何かあったのだろうか。

あの時話しかけづらい空気だったけど、こんなに待つことになるのなら話しかけておけば良かったな。




ああ。彼はまだ来ないのだろうか。

早く会いたい。早く遊びたい。

それで、近いうちに告白もしたいな。

ふふ。告白したら彼、どんな顔をするかな。

…あ。

でもそれで振られちゃったら悲しいかも。

ま、私達ならすぐ友達に戻れるはずっ!

そうに違いないっ!

あぁ。その日が待ち遠しい。

おっと、彼から教わった数え歌。今どこまでいったけ。…あ、そうだ。


ひーつじーが143万2563匹ー。

ひーつじーが143万2564匹ー。


彼がいつか、きっと来ることを信じて、

私は大好きな大親友を待ち続ける。

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