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手作りの立て札が何本か刺さってあるのを見つけた。

ここより先は命の保証は無い。キープアウト。中国語。近くに人間がいる証拠。この先のサービスエリアに住んでると確信。

今まで人間の足跡が無いから佐々木達は途中で降りてはいない。


サービスエリアに着いた。入る場所は車で入れないようになっている。三本の煙も見える。人間は全く見えないが、雪の足跡から少なくとも十人以上居る。


さてどうするか。松浦はしゃがみ込み思案する。出来る事なら見つかりたくない。佐々木達にだけ気付かれたい。

佐々木達は多分大丈夫だろう。もし殺されてるなら連れて行かずに無視するか、あの場で殺されてるか。


三本の焚き火の煙。食料はともかく、物資は多少のユトリはあるのだろう。


色々考えるもどれも微妙だった。仕方なく松浦は立ち上がり、バリケード代わりの車をバンバンと叩いて音を出した。

人間が中から出て来る。五、六人。多分全員ではない。佐々木が居た。落胆してる様子は感じない。アユミもユウキも無事そうだ。ホッと安心する。

松浦は袋からカップ麺を全て道路に出して手を挙げた。


誰もがヒゲを伸ばしていた。無精ヒゲも居るがほとんどが手入れしているヒゲだった。

ユトリがある生活だと気付く。


佐々木が話を付けてくれた。優しいコミニティーだった。カップ麺を凄く喜んでくれた。冬の間だけ居てもいいし、仕事をするならずっとここに居てもいいと言ってくれた。


アユミもユウキも元気だった。ユウキの笑顔で松浦の顔が破綻した。アユミが松浦に抱きついた。松浦は勃起するもアユミの泣き顔を見て萎んだ。アユミは何度もお礼を言った。松浦は照れるも物凄く嬉しかった。ずっとこのままでいたかった。がアユミは離れた。続いて佐々木が近づき手を差し伸べた。松浦はその手を握る。佐々木が握り返す。力強い握手だった。あの映画と同じだ。と松浦は思った。二人の屈強な男が激戦区から生き延びて最後に握手をするという映画を思い出した。


それからユウキ。本当に無事で良かった。松浦はユウキの笑顔で涙が溢れた。

本当に無事で良かった。心底安心した。

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