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たくさんのライター。たくさんの粉末茶。双眼鏡。ご当地シャツやジャンバーなどの衣服。手袋。ロウソク。空のペットボトル。食器類と食器洗剤。石鹸。タオル。砂糖。塩。コーヒー豆。大きなビニールシート。袋類。

使えるか分からない一斗缶の醤油や油などの液体食料。瓶詰めのジャム。消化器。


欲しくて無い物は食料や薬品は当たり前だが、懐中電灯。布団や毛布。靴。


使いようのない工芸品や玩具はたくさんある。冷蔵庫や冷凍庫は全て開けてありカラカラになっていた。


雑誌類もあり、山野草の図鑑と地図は嬉しかった。

モップもそこそこあり対ゾンビ用の武器になる。キッチンには十本の包丁。大型鍋。フライパン。そして大型のシンク。アユミは風呂に使いたいと言った。


暗くなった時に佐々木親子が帰って来た。アユミはお湯を沸かしコーヒーを入れた。香りはないが充分にコーヒーだった。たくさんの砂糖を入れた。


それぞれが今日の、出来事を言い合う。

心配事は山ほどある。ゾンビと他の人間からの襲来。病気や怪我。土砂崩れ。食料不足。だが安心感が上回った。

たくさんの粉末茶の存在も大きかった。ビタミンや鉄分とかの栄養不足にならなくてすむ。米などの炭水化物が無いのは残念だが飢え死にはしない。


松浦達は暗くなると眠り、太陽が昇ると起きる。そして、住処の充実をしていく。満足できる住処になったのは肌寒くなった季節。三カ月近くもかかった。

食事は図鑑で見たキノコや食べられる山野草をお茶と塩で茹でた。それと小さな川魚。

そして山芋とムカゴ。山の山芋を全て掘り尽くす勢いで掘り、土砂崩れの場所に埋め直した。

寒さ対策は十キロ先の貨物車の中の段ボール。滑車のついたカートや荷台をスケボーのように使い運んだ。

本格的な冬への対策。

焚き木を店舗に積む。水を中に入れる細工。困ったのが排泄物の処理と場所。今までのように外でするわけにはいかない。

事務所の壁に段ボールを敷き詰める。狭くなったがその分暖かくもなる。


そして初雪。冬の突入。

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