封鎖

ユアのターンが終わって、後はアスカとナナミとカナが行動する順番になった。

理科室の隣の部屋に侵入者がいることが分かっているから、その周辺に近付かないように逃げればいい。

ユアを見殺しにして自分は助かろうとしていることに罪悪感を持ってしまう。

7ターン目で侵入者が理科室に入り込んでゲーム終了である。3人は無事で済みました。

ゲームだから仕方が無いと割り切るしかないのだろうか。


ナナミが諦めかけていると、アスカが突然声を挙げた。

「待って。私が特技を使う。私の特技って通路を封鎖して通れなくするんでしょ。理科室へ通じる道を封鎖しちゃえば平気だよね」

そうか、その手があった。


ただ問題は理科室へ通じる通路が3カ所あるということだ。

ユアが移動してきた通路は違うとしても、残り2カ所が存在している。ユアを助けられるかは2分の1。

『1―B』の教室からか『屋上』からか。

どちらの通路を封鎖すればいい。


かっこよく宣言したアスカであるが、ここで緊張の糸が切れたかのように大声を出した。

「どっちを選べばいいのか分からないよ」

ナナミも選ぶことが出来ない。

「ユアが自ら選んだら?」

カナが恐る恐る提案するとアスカもそれに賛同する。

「ユアさんが決めて。私は言われた通りの通路を封鎖するから」


生き残る一縷の望みが見えたユアであったが、今度は命を賭けた二択を求められることになった。

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