第414話【異世界防衛連合軍9】
<<遊撃隊マイク隊長視点>>
召喚者選抜で50名の隊を持った頃から比べると忙しさが半端ないぜ。
異世界防衛連合軍が出来てからは、俺は部下を連れて各軍を回り剣や槍などの武器を使った戦闘術を指導する毎日を送っている。
俺達チートな能力を持った者から比べたら、一般の隊員達はひ弱すぎる。
それはチートな能力を持っているとかじゃなくて、体内にある魔力を上手く引き出せてないからだ。
ってゆうか、魔法を使えないものが多すぎるのだ。
まあ地球でも魔法なんていうものはおとぎ話の世界のモノだったから、納得できるんだが。
でも今ならわかる。地球にも魔力はあるんだ。まあ地球では放射線と言って忌み嫌われているけどね。
それと同様に、魔力の存在も魔法の存在も知らない星が多いんだよな。
だから、当然魔法による筋力強化なんかも使ってないから、単純なぶつかり合いでも俺達の相手にならないんだ。
ということで、俺達はまず魔力を体内で循環させ筋力強化が出来るところから訓練を始めた。
だけどこれが難しい。俺達はチートを貰った時点で魔力の流し方も勝手に覚えたけど、これまでやったことのない者達に教えるって難しいんだよな。
俺達も魔力循環の方法なんて初めて教えるし、よくわからないんだ。
そんな時、たまたま訓練の視察に来られていた総帥のランス様がその様子をご覧になって、俺達のところに来て下さった。
俺達が魔力循環が上手く指導できないことをランス様にお話ししていたら、「じゃあまず君達から教育が必要だね」ってことで特別にお話しをうかがうことが出来たんだ。
ランス様って後で聞いたんだけど、俺達の星も加盟している国際連合の事務総長で、マサル様のご子息だそうだ。
しかも驚いたことに魔法の使い方もマサル様顔負けだとか。
ランス様から魔力循環の方法について丁寧に教えて頂いた。
そもそも魔力とは何か、体内に流れる際のイメージや実際の流れ方など感覚的にしか知らなかった魔力循環について理論的に説明をして頂いたんだ。
丁度俺の班に、元教員がいたから、彼がその話しをまとめてテキストを作ってくれた。
そしてそのテキストを使って試験的な教育を繰り返して、完成した魔力循環のテキストを使って、俺達遊撃隊の隊員全員が先生になれるように教育したんだ。
そして、そのテキストを使った座学を全隊員に行った結果、ほとんど全員が大なり小なり魔法を使えるようになったよ。
そんなこんなで、座学に実技にと、訓練は続いた。
最初の頃はぶっ倒れて弱気を吐いていた奴等が多かったが、1ヶ月も経つ頃には訓練にも慣れて、ずいぶんと逞しい顔つきになってきたもんだ。
この前昼飯の時に言ってたが、ムラマサやレイト達の方も同じような感じらしい。
そんなことを考えながら、今日の訓練も終わりに近づいた頃、突然トランシーバーの着信音が鳴り響いた。
「皆んな、よく聞いて!
スマット星から緊急連絡が入ったわ。
突然、時空空間が開いて大量の魔物が溢れ出したみたいなの。
マイクさんとムラマサさん、悪いけどそこに居る隊員を100人づつ選抜して、直ぐに向かってちょうだい。」
異世界防衛連合軍編 完
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