ヴィーヴァニア・アンステイブルライフ↑↓
しろちゃ犬
『出会ってしまった悪魔と天使』
1話
これは……一人の少女とその他のお話である。
「おーい!その他ってなんだ?その他って!私はミカ……」
「はいはい、ネタバレ厳禁!外側に消されるよ?」
「ちょっ!自己紹介くらい!……ん?外側って何?ねえヴィー?ねえヴィーったら!」
「血、吸っちゃうぞ?」
「すいません」
「よろしい」
♦□♦□♦□♦□♦□♦□♦
「じゃあ行ってくるね!」
「気おつけるのよヴィーヴァニア。特に日光にはね」
「うん。ありがとお母さん」
一人の黒いセーラー服を着た少女が玄関で母親と話している。
空は黒めの赤。翼を持つ者、持たない者。全員が持つ角。ここは〝魔界〟。悪魔が住まう場所。悪い人間が送られる場所である。
一人の少女こと血鬼・ヴィーヴァニア・ルイは吸血鬼と中級悪魔のハーフである。
悪魔では意外と少ない飛べる大きな翼の持ち主。後ろに向かって伸びる角。吸血鬼と悪魔の特徴をしっかりと受け継いでいる。
ヴィーヴァニア、通称ヴィーは母親の会話を済ませると飛ばずに歩いて目的地へと向かった。
「はあ〜。人間界で悪魔らしく活動しなさいって言われてもなあ〜。私吸血鬼だし、日光浴びすぎると灰になるし」
ひとりごとである。
ヴィーが向かっているのは魔界と天界の狭間の空間。そしてそこから人間界へ。
「悪魔ってばれないようにしないと……。とりあえず悪魔的武器は消して起こっと」
ヴィーは片手に持ってたトライデントに空中で作り出した魔法陣を当てて一時的に消した。この魔法陣は悪魔のみが使用出来る自分の悪魔的要素を一時的に消すアレだ。
ヴィーは長いこと歩き、境界に着いた。
「あれが天使か〜」
目の前を歩いていく明るい髪色で光り輝く輪っかを頭の上に浮かばせ翼を持つ者。
悪魔とは仲が悪いが争いなどにはならない。お互い空気を読めるのだ。
天使と悪魔で分割された道を歩いていきヴィーは人間界を目指した。
境界を歩くこと十分。人間界に着いた。だが時間帯は真昼である。
「ああ〜!太陽が、ある!傘がないと生きていけないな〜」
そう言って荷物の中から傘を取り出してバサッと広げた。
その次に角と翼を一時的に消した。
「とりあえず学校が指定したアパートは……こっちだ!」
今回の人間界生活は中学校を卒業し無事に高校に入れたものに課せられる課題だ。
地図を開きながら歩いた。
何事もなくアパートに到着した。
「まあ一人暮らしではいい方かな」
早速玄関を開けて中を確認する。
そしてため息を吐いた。
「今日は荷物運びか、辛い」
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