ウソのリユウ。

篠宮玲

彼視点

あの日、オレはお前に『ウソ』をついた

お前に放課後、呼び止められて

「一緒に帰ろう。」

って言われた

あの日は、オレの誕生日で幼なじみのお前とは、毎年一緒に祝っていたから、今年もそうなんだろうと勝手に思い込んでいた

だけど…なんだろう…

ずっと一緒にいたからこそ、何となくあの日のお前の雰囲気がいつもと違う事に気付いた


もしかしたら、お前に好きな人が出来たとか、そういう話をされるのかとか勝手に思っていた


オレは、小さい頃からお前と一緒にいて…

1日早く歳をとるから、1日だけはお兄ちゃんだねって昔、お前に言われた

そうだなって言っていたけど、ずっと一緒に成長してきて、きっとその頃からお前の事が『スキ』だったんだと思う

一緒にいる事が当たり前すぎて、気付かなかったんだ


だから、卒業する前に…

この気持ちをお前に伝えたいと思っていた


だから、あの日一緒に帰っていたら…

きっと、『スキ』っていう気持ちをお前に打ち明けていたと思う

でも、お前はオレを好きじゃないかもしれない…

今までの幼なじみの関係が崩れてしまうかもしれない


そう思ったら、お前の誘いに答えることは出来ないと思った


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