279.暗いニュースが続きますので、私はピエロになろうと思います。

 自サイト連載エッセイ『夫は仕事ができません!』での本日のテーマは『おいたんが死のうとした時』。とある大物芸人さんの縊死のニュースも飛び込んできました。数日前にも大物俳優さんの縊死のニュースがあったばかりです。


 マスコミはそれをセンセーショナルに取り上げる。無雲は、心がざわざわして不安になる。


 他のニュースも、戦争とコロナの話題がほとんどだ。明るいニュースが無い。たまに申し訳ない程度にモフモフの映像が流されるが、ちょっとホッコリする程度で終わる。


 なので、ここで一発無雲的に最近笑えた話題を投下しようと思う。


 ネタ元は、もちろんおいたんだ。


***


 ある日、無雲はおいたんが日中ゴロゴロしている寝室(おいたんのPC有り)のドアを、いきなりバッと開けた。


 するとおいたんはPCを凄い勢いで閉じた。


「何見てたの?」

「あ……いや、その……これ……」


 PCを開くと、そこにはセクシーな画像のあれこれが大量に。


「エロ見てたんか貴様」

「YouTubeでね、心霊スポット見ててね、それを検索してたら出てきたんだ」

「出るわけなかろう。訳分からん事抜かすな」


 その日は、けっこうイライラしたが、それで終わった。


 翌日、また無雲はおいたんがゴロゴロしている寝室をいきなり開けた。


 おいたんは、寝ていたが、PC画面にはセクシーな画像を表示させる単語が羅列されている。


「貴様……一度ならず二度までも」

「んあ~? あ、つまんなくて寝ちゃってた」

「いいか、こういうもんはな、コソコソ見やがれ。堂々と見て寝てんじゃねぇぞ!! てか、そんな暇あるなら上〇屋行って釣り餌買ってこい!!」


 無雲は、めっちゃイライラした。嫁には興味ないクセに、セクシーダイナマイツな画像には興味があるというのか!!!


 その日は、むしゃくしゃがピークに達して、しばらく吞んでいなかったウイスキーをがぶがぶ呑んだ。そりゃもう、呑んだ。


 そして、寝る前はおいたんの足をグニィィィと踏みつけた。


 翌日の朝、無雲の胃は絶不調でムカムカしていた。うん。二日酔いだね。頭痛は無かったけど、胃がヤバい。梅干しご飯をかきこんで、梅昆布茶で何とか胃をリカバリーする。


 その日は釣りに行ったが、五十六センチのスズキを見事釣りあげ、おいたんはぼうず。無雲的にかなりストレス解消になりました。


 おいたんのこのエロサイト騒動は、うちの両親も知っている。


「男ってバカだから」


 とは母の一言だ。


「そうだよね。父ちゃんも洋物AVのビデオテープ捨てないもんね」

「あれね、三本くらいあるのよ。あんな気持ち悪いの。おー!! 嫌!!!」


 父は、洋物AVを捨てられない人だからこそ、この一件に関してコメントをしていない。男というのは何故こんなにもセクシーダイナマイツが好きなのか。


 パソコンがウイルス感染するかもしれない。詐欺サイトに繋がるかもしれない。そのリスクを冒してまで、うさんくさいサイトを見るのである。


 ちなみに、無雲もエロ漫画は良く読むが、媒体自体はアル〇ァポリスやピッ〇マなので、安心安全だと断言できる。おいたんみたく、どこの誰が作ってるかも分からないヤバいサイトはそもそも検索しない。


「貴様、パソコンが壊れたら自力で何とかしろよ! あとな、次堂々とエロサイト見てるの見付けたら回し蹴りするからな!!」


 もう、『おいたん』ではなく『貴様』呼ばわりである。


「ほんと、犬も食わないってやつよねぇ……」


 一連のやり取りを見て、母は爆笑しっぱなしである。ほんとにもう、おいたん、君無職なんだから少し色々自重しなさいよ!!!


 そんなおいたんは、今日は受けてみようと考えている会社(一般雇用・食品系)が通える範囲なのかを下見に行っている。面接にこぎつけたとしても、通えない範囲だと意味が無いからだ。


 障害者雇用の方は、案件が少なすぎる。網羅的に全部見たが、本当に少ない。時期が悪いのかもしれないが。そんな訳で、一般枠でも探しているのです。


 そうそう、そうやってね、就活頑張りなさいよ。エロサイト見て寝てるおいたんなんて無雲は嫌いだよ!! この馬鹿野郎!!


 はぁ。おいたんはエロに興味のない仙人の境地に至って妖精さんになったと思っていたのに、男というのはどこまでも男なんである。


 このエピソードを読んで、「おいたんバカでぃ!」と笑って和んで頂けたら幸いです。無雲は、今日も元気です!


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