短編について語ってみよう

「爪」について

 KAC(カクヨムアニバーサリーコンテスト)の時に思いついた4000字短編。お題はたしか「紙とペンと○○」だったはず。

 僕は○○の部分を「爪」としました。

 

 たしか平日の夜に書き始めて、午前3時ぐらいに書き終わったはず。(その後、昨年末に法隆寺駅前で加筆。ちょっと血みどろになりました)


 KAC自体が短期間で書き上げる企画でしたので、作成途中のメモ書きなどは一切無く、何故にこんな報われない話を書いたのか不明です。


 はい。全く報われません。願いはかなわず、真実は知られず、みんな死ぬ。


 慣れない悲劇なんて書いたもんだから、この話を書き上げた後、僕は自家中毒を起こしました。ガン凹み。寝不足かもしれない。


 もともとは長編として考えていたネタで、幸せだった時間と復讐を遂げるまでの時間を平行して書くつもりでした。実際にやったら僕が保たなかったと思います。


 みんな死んだ中で最も残酷な死に方をしたのは間違いなく、作中で子を盗まれた母親(セアラー)なんですが、字数の問題で具体的な描写は割愛。

 

 構成としては、たぶんそれで良かった。


 麻酔なし帝王切開→初乳だけ飲ませる→縫合なしで放置→死。


 この情報だけで充分ですよ。


 人とエルフ(こだわりポイント!)の間に設けられ、帝王切開で産まれた子は特殊な力をもつ、という設定は「姑獲鳥の夏」に出てきた酒呑童子の逸話から着想しています。"産まれ方が普通でない子は普通でない力を持つ"。

 そこにウォーキング・デッドのシーズン3を混ぜたのが、上記の場面。

 

 「紙とペン」は話の小道具としてちゃんと使ったつもりですが、三つ目のお題「爪」との関わりについては、弱いなぁというのが今の感想です。

 爪って人が紙とペンを所持しているだけなので、関係ないっちゃ関係ないんですよね。


 みんな死ぬと言いましたが、子どもだけは殺せませんでした。ここも少し悩んだ。


 いちおう、続編や連作短編の形をとることが出来るので温めてはいます。イゥリが出生の秘密を知ったらどうなるか、とか。


 本編はこちら。

https://kakuyomu.jp/works/1177354054888859113

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