Part8:その幼女、凶暴につき
おぉっと、勇者ちゃんが何かを見つけたようですね! 一体何があったというのか!!(編集点)
樹木に
年の頃は5・6歳くらいでしょうかね。髪の毛は深緑、洞に埋まっているので長さがちょっと分かりにくいですが、身長よりも長く伸びていますね。着ているローブの色が焦茶色なのでパッと見れば木の着ぐるみを着たようにも見えます。木の着ぐるみなんて着る女の子なんてそうそういないでしょうけどねw
勇者ちゃんが女の子に駆け寄って行きました。何とか木の洞から出そうとしますがぴったりと嵌まり込んでいるのでちょっとやそっとでは抜けません。じゃあどうしたら良いのかって? ちょっとやそっと以上の事をすればいいんですが……、あまりオススメは出来ませんねぇ。
「くっ、すぐに助けるからな! 動かずじっとしててくれよ!!」
あぁ……、勇者ちゃんそれ悪手中の悪手ですよ。あぁあぁ、伝説の剣に魔力を籠めていますね、魔法剣を使うようです。火はダメだよぉ、火魔法だけはダメだよぉぉぉ。
「たたっ切る!!」
床を蹴って飛び上がり、女の子の頭上数センチを目掛けて伝説の剣を振り下ろします。
「【魔法剣:火の太刀】」
燃え上がる炎に包まれた伝説の剣が当たる寸前、バチッと音を立てて勇者ちゃんの身体ごと弾かれてしまいました。ですがそこは勇者ちゃん、床へ打ち付けられる事なく華麗に着地を決めましたね。
「なっ、何が起こった!?」
はい、何が起こったかと言いますと、攻撃されそうになったので大樹が自分の身を守るべく防御障壁が展開された訳ですね。よくあるパターンです。
「ふぁぁぁ……、だぁれ? あたしのお昼寝を邪魔するのは。何かね、あたしね、すっごくすっごく眠たいのよ。もうずっと眠っていたいのよ。何もしたくないのよ。ホントよ?
はぁぁぁ……、あたしに何か用? とってもとっても眠たいから、全部全部壊したらずっと眠っていられるかなぁ?」
可愛いですねっ! 木の妖精さんみたいで、小さくって儚げで庇護欲をくすぐるようなあどけなさ!! 家に連れて帰ってお世話したいですねっ。
「き、君は何を言っているんだ!? ここに閉じ込められているのか? 大丈夫だぞ、すぐに助けるからな!!」
あー、勇者ちゃんホント悪手。ちゃんと空気読まないと。真っ直ぐな性格はとっても良いと思うけどね? でもそれってハッキリと言って愚直ってヤツだかんね? そういうところがあるから女魔法使いちゃんが戦士になびいちゃったんじゃない?
ってそれは言い過ぎか。めんごめんごー。
まぁ何にしても次また【魔法剣:火の太刀】を発動させたら始まっちゃうからね? 見てるみんなは分かるよね、さすがに。
ってか何で勇者ちゃんは誰もいない魔王城の玉座の間に女の子が囚われているっていう不自然な状況を疑問に思わないのかなぁ。普通に考えて怪しいよね? ただの女の子な訳ないんだよ。
「【魔法剣:火の太刀】、ぐっ!!?」
伝説の剣を構えた勇者ちゃんを背後から太い木の枝が襲い掛かりました。伝説の鎧に防御力+の効果を
「魔王に刃向かうお馬鹿さんなのかなぁ? 眠たいって言ってるのになぁ。一番最初に死にたいのかなぁ。あぁ、もしかして永遠に眠りたいって事なのかなぁ?」
先ほどまで目を閉じていた女の子ですが、勇者ちゃんが2回目の火の太刀を発動させたあたりからその目を開いています。瞳の色は真紅。未だ眠たげな表情で勇者ちゃんをぼんやりと眺めています。
「魔王!? やはり魔王に囚われていたのか! よし分かった、すぐに助けてやるからな!!」
んもぉすんごいバカ! ちゃんと状況を見なさいってば。目に入る全ての物を疑いなさいってば。
「助けなんていらないよ? あたしはね、ずぅっとずぅっと眠ってたいだけなの。あなたも一緒に眠ってたいの? 良い考えなの。一緒におねんねするの」
ちょっと雑に弄っちゃったかな? キャラが定まってないってかアホの子みたいになってますね。元々は古い大樹に宿った悪の根源って感じの魔王なんですが、動画映えするように幼女魔王にしちゃったんですよね。もうちょっと丁寧にゴッドパワれば良かったかな……。
「俺は寝てなんていられない。魔王を倒してこの世界の平和を取り戻すんだ! さぁ早く、魔王に気付かれる前にここから離れよう!!」
だっかっらぁ!!
「ふぅ~ん、お兄さん勇者ってヤツ? へぇ、あたしを倒しに来たって? へぇ、笑わせるじゃん」
「ど、どういう事だ!?」
勇者ちゃん、それが魔王なんだよ!!www いい加減気付こうよwwwww
どういう事だって君の頭がどういう事になってるのよマジでwwwwwww
あぁ~~~腹痛いっ!www
えっ!!!? ちょ、待って
痛い痛い痛いっ!!!!!!
ひぃっ、ひぃっ、どうしようこれ超痛いよ!? え、マジヤバイどうしようどうしようこれマジで痛い。
ちょっとゆっくり息をして、ひぃ~、ひぃ~、ふぅ~~~…………。
はぁ、痛かった。突然攣るからビックリするじゃん! ちびるかと思った。
焦ったわぁ~、ここ後で編集しとかないと。
ってええっ!? 魔王城滅茶苦茶になってるし!! 何でっ!?
ちょっと目を離した隙に、あっ…………。
テヘペロ♪♪♯
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