二話:Dの遺書の謎
葬式は粛々と行われたし、誰も腫れ物に触れようとはしなかった。あんな兄でも死ねば仏になる。
ただ、酔いの席で、親族の誰かがこう言った「しかしあの遺書、ふざけとる、キ◯ガイのする事はよう分からんわ」
私はその時まで遺書の内容なんぞ気にも止めていなかったし、なるべく早くこの忌まわしい事件など忘れてしまいたかったが、その言葉が気にかかり、家に帰ってから調べてみた。
「親父、涅槃で待つ。」
親戚の言葉の意味が分かった。ふざけた遺書で死を馬鹿にした兄に対し、またふつふつと怒りが沸き立ってくるのを感じた。
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