世紀末サムライ

@sin1206so

第1話 世紀末のサムライ

俺は荒れ果てた大地を一人で歩いた。 黒い布を羽織い、 頭はにはフード状にした部分で覆った。 腰には父の形見の刀を携え、 黙々と西に向かった…、 父の仇でもあり兄でもある男を探し出し、 殺す為に。 兄は父から教わった剣術を己の為に使おうとした、 だが父は反対、 剣術は己の為ではなく、 人の為に使えと教えた。 だが兄の考えは変わらず、 対じした父を殺し、 俺の前から去った。 兄は剣術を使い国のトップへと昇り詰め、 身勝手な掟を作り、 国を我が手に収めた。 力無き者は強者の命令に従うしか無かった。 俺は許さない、 この国の掟も、 身勝手な兄も。 


背後からバイクのエンジン音が鳴り響いて来た、 段々此方に近づいて来る。 乗り物に乗れる人間は限られている、 腐り切った暴漢者共だ。 俺は足を止め、 後ろを振り返った。 暴漢者達の姿が見えて来た、 数は2人。 奴らは俺を見つけ、 何か喋っている様だ、 どうせ、 俺を誰が痛めつけるか決めているのだろう…。 暴漢者は俺に近づき、 乱暴にバイクを停めた。


「物資を寄越しな!」


「王に贈呈するんだ!、 嬉しいだろ?」


「王だと?、 下らんな…」


「何だと?!」


暴漢者二人はバイクから降り、 威圧感を放ちながら俺に近づいた。 手には手斧が、 相手に恐怖感を与える様に見せつけて来る。


「聴き間違えか?。 王に対する無礼は死に値する、 それを知っての発言か?」


「王は俺が殺す…、 王にそう伝えろ」


「コイツ!、 狂ってんのか?」


暴漢者の1人が、 俺の腰の刀に気付いた。


「見ろ!刀だぞ!。 まさかコイツ…、 人斬り?!」


「コイツを殺せば俺達の株が上がる!、 王族の仲間入りだぜ!」


暴漢者の1人が手斧を振り上げ襲って来た!。 俺は大振りの攻撃を交わし、 刀を抜いた!


ズバッ!


トン…


暴漢者の1人の首を刀で撥ねた、 転がる首を見て、 もう1人が恐怖感で固まっている。


「ひぃ!」


「どうした?、 来ないなら此方から行くぞ?」


「待ってくれ!俺が悪かった!、 助けてくれ!」


「ならばこの首を王の所へ持っていけ、 俺からの贈り物だ」


暴漢者は首を袋に詰め、 バイクに乗って西へ走り去った。


「やはり西か…、 奴らの国がある、 そしてその国の王こそが兄 貴山 直斗(キザン ナオト)…」


俺はバイクを追う様に、 片方のバイクに跨り、 エンジンをかき鳴らした。 そして同じく西へと走らせた。


「首を洗って待っていろ、 お前は俺が必ず殺す…っ!」








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