何のために販売をしているの?

そんなモヤモヤした気持ちを持ったまま、ミツリンハポンでの販売を続けていたのですが、ふと、気になっていたフリマアプリがあり試してみたところ、個人間の販売をメインにしているところもあり、登録していた商品の多くに問い合わせがあり、最初にしては大きな手応えを感じることが出来ました。


これを機会に徐々にミツリンハポンで出していた商品をフリマアプリの方に動かし、販売するようになって思いました。


「あっ…俺、商品を販売することが好きだったんだな」って。


そこでふと、おもちゃを取り扱うきっかけになった出来事を思い出したのですが、当時、本を取り扱うことに疲れてしまった自分が、なんとなく入ったディスカウントストアで見つけた、ひとつ10円で販売されていた古いおもちゃ達。


それを見て、たしか2年前くらいに爆発的に人気があったおもちゃだったよなぁ~と思い調べてみたら、今もそこそこ売れているのに気がつき、お店の人に言って棚にあったものを全部譲ってもらったのですが、たしか50個くらいあった気がします。


お店の人にこんなに買っちゃっていいんですか?と言ったところ、

「全く売れないので赤字覚悟です。これで売れなかったら処分するだけなので、こうやって買ってくれるのはありがたいです」なんて言われて、嬉しいやら申し訳ないやら複雑な気持ちを持って帰ってきた記憶があります。


そんな時、ぼんやり思ったんです。

自分が楽しめるのがいいんだけど、出来ることなら商品を買うお店も、自分から商品を買ってくれる人もみんなが喜べる。そんなやりとりができるといいんだよな。と。


元々、販売するのが好きで手元にある商品が売れてくれて、買ってくれた人に「ありがとう」と言ってもらえるのがとっても嬉しくて、出来ることならもっとその声が聴きたくて、そのついでにちょっとしたお小遣い稼ぎができたらラッキーなんじゃないか?って思って続けてたのに、気が付けばお金が中心になりつつあったんだなぁと。


それから、自分が納得できるやりかたで販売することを軸にしていこう!と心に決めました。


元々、ただの会社員が趣味程度におみせやさんごっこ的に販売をしてるだけで、納税の義務も果たしていましたし、販売場所のルールを守り人様を悲しませるような販売方法をしない限りは多少自分の好き勝手にやってもいいんじゃないか?って思い、そこから若干わがままに販売するようになりました。


と言っても、値引きは出来ないと商品案内に書いたり、いままでしぶしぶおこなっていた電話でのやりとりは行わ(え)ないと告知したり、自分が苦痛に思っていたところを断り、その分商品の発送を早くしたり、その他のできることを聞いたりという事しかしてないのですが、それをすることにより「どこかでおれすげーと思っていたちょっと転売ができるおっさん」から「趣味程度に好きなおみせやさんごっこを楽しむおっさん」に戻れた気がしました。


趣味を続けるためには品物を売り続けなければいけない。

ひとつふたつの商品を買ってもらって、次に売る四つ五つの商品を買うための資金にする。商品を購入するためにいろいろなお店を見て知って、場合によってはお店の人とお話をしたりして生の情報を仕入れて行くうちに仲良くなるのもまた良いことかな?そういうお店の状況を見て、自分の本業にも何か取り入れられることはないかな?と考えるのもまた面白いかもな?と。


そう考えながら実行に移しながらも、本業がだんだん忙しくなっていき、売上はどんどん落ちていってしまいましたが、楽しい販売業を思い出すことが出来、自分としては満足して喜んでおみせやさんごっこを続けていました。



ですが、約2年前の転勤で今までやれた事が全く出来なくなってしまいました。


今までより通勤時間は30分長くなり、忙しさの割には人数がいない場所に配属になってしまったため、毎日遅くまで仕事をせざるをえなくなってしまいました。時期も悪かったのでしょう。その頃から22時まで空いていたお店が徐々に営業時間を21時までにして行き、私が仕事帰りに寄っていたお店には、もう仕事帰りに寄ることが出来なくなってしまいました。


やろうと思えば、ちょっとチャレンジしていたネットショッピングを巡回した仕入れだったり、中国からノンブランド品を仕入れたりして新しい販売ルートを作れたのですが、やっぱり私の楽しいおみせやさんごっこには、実際にお店に行って品物を見ることが大事だし、お店の人とのやりとりも必要。忙しい中でも自分でやってる感がないと楽しめないって思ってしまったので、徐々に取り扱う品物も少なくなり、気が付けばお世話になっていたミツリンハポンに出している商品は数えられるほどになっていました。


最近はフリマアプリ中心で販売行為をしている私でしたので、ミツリンハポンでの販売はほぼ休止状態でしたし、仕入れを全く行えてない状態で品物も少なくなっていく一方でしたので、正直もういいかな?と思ってしまった私は、ミツリンさんとお別れすることにしました。

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