第4話 再会したら避難も一緒に
「分かるって言ってたけど……ここどこ?」
玄関から少し歩くと街中に出たが、最初に見た街並みとは違い、知っている道も知らない場所に辿り着いたツミキ。途方にくれつつも、とりあえず歩き出す
「駅は?バス停も見当たらないし……お金もあまり持ってないし……どうしよう」
数分歩き続けていると、人が段々と集まってきいた。街も、最初に見たお店等が見えてきたが、先程の避難勧告の影響か、あちらこちらでお店が壊れ木々が倒れてた
「避難勧告は終わったんだ……今、時間は……」
時刻はまだ、お昼を過ぎたばかり。だが、何だか疲れて公園の空いているベンチに、ふぅ。と座る
「まだ時間あるけど、どうしよう……」
人も多くなり動けず、ボーッとしていると、遠くで見たことのある人が通りすぎていった
「あれ?あの子は」
見失わないように急いで後を追っていく。近づいたところをガシッと強めに腕をつかんだ
「ねぇ!」
「えっ?はっ?」
急に後ろから掴まれ驚く女の子。パニック気味のその子を見てツミキは嬉しそうに話しかける
「さっきの子だよね!」
「さっきのって……?」
「私をさっき狙ってたでしょ?」
そう言われ、しばらく腕を掴まれたまま考えていると、どうやら思い出したのか、また驚いた表情になる
「あっ!生きてたのか!」
「そう、カエデちゃんに助けてもらって……」
『緊急事態です。至急避難をお願いします』
「え?また、なんで?」
突然、鳴り出したサイレンと共に聞こえる避難指示。また、人々が騒ぎ逃げ始めていく。予想外の警報に、捕まえた女の子が急にイラつきだす
「くそっ!」
ツミキのてを振り払い、人々が逃げていく流れとは真逆の方向に走っていく
「えっ?どこ行くの?避難しないと……」
「うるさいな!関係ねぇだろ!そっちこそさっさと避難するんだな!」
「ねえ!危ないよ!」
大声で叫んでも走るのを止めず、あっという間に見えなくなってしまった
「行っちゃった。それより避難場所は……」
辺りを見渡すと、もう周りの人達は避難を終えたのか、誰もいない
「ここどこ?また私、迷子……」
また避難場所を探してトボトボと歩いていると、近くで大きな音が聞こえてくる。急いで音のする場所へ向かうと、さっき腕を掴かんだ女の子がいた
「さっきの子だ……それに、うた?」
誰かが歌っているのか歌声が聞こえる。女の子の様子を見いっていると、気づいたその子が大声で叫ぶ
「なんでまたここに……!」
「狙え!今だ!」
どこからか声が聞こえてくる。その声を合図に、何かがこちらの方へと向かってきた
「ダメ!」
女の子に被さるように、ツミキが前に立つ。ぶつかる瞬間、二人の前に誰かが、二人を守り立ちふさがる
「あっぶないなぁ!またなの?!なんで避難しないの!」
「カエデさん……」
同じような早い再会に怒るカエデ。そんな二人を横目に、助けた女の子が立ち上がり、二人に向かって襲いかかってくる
「助けてもらって悪しいけど、二人とも覚悟しな!」
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