青年編 第12話 再登場
ナツ!?
俺が自分のバッティングを終え、打席エリアのネットから外へ出ようとしたとき、1人の少女の叫び声が聞こえた。
その先にいたのは、黒髪に赤い瞳の彼女、ナツだった……
それに……アキもいるのか?
じゃあ……フユは……いない……
少しだけ、保育園の後の話をしよう。
俺と夏秋冬は別々の小学校へと進学するのだが、小学校が違ったのはただ俺1人だけ。
夏秋冬は同じ小学校へと通い、保育園の時に俺を通じての関わりができたせいか、小学校の時からは3人組の仲良しになったようだ。
そして、そのまま中学校も彼女たち3人は一緒、そして俺は別の中学校。
だが、小中学校が違うからと言って、俺と夏秋冬の関係性は途切れることなんて全くなく、俺が仕事のない時は一緒に遊ぶことだってかなりあった。
中学校時代には俺を通じて、3人は俺と仲良くしていた美幸とも仲良くなっていた。
その4人で、俺の幼馴染みーズが作れそうだ……とそんなことは置いといて。
そして、高校の進学においては俺は前の人生でも通った、共学のよもぎ大学付属高等学校へと進学。
彼女たちは俺と同じ高校へと進学するのかと思いきや、前の人生と同じで3人は県内の私立の女学園へと進学した。
と、そんな感じだ。
で、今現在バッティングセンターで叫び散らしている可愛らしいブレザーをきた女子生徒が、ナツ。
ナツは幼少期はいじめっ子な少女だった。
容姿は黒髪ツインテール、真紅の瞳。
今はというと、黒髪と瞳の色は変わらないものの、ツインテールはやめて、ポニーテールにしてある。
彼女は俺が小さい頃に見込んだ通り、というか前の人生と同じように超絶美人へと成長を遂げた。
そして、性格はというと……
あれだよ……
女子って大抵表の顔と裏の顔あるじゃん?
偏見かもしれないけど……
表の顔はすごい評判がいいんだよ?
でも、俺と2人きりになると……
もう、これ以上は言いたくないから想像にお任せするね!
そして、アキはというと、バッティングをしているナツの姿を見ながらベンチにちょこんと座っているかと思いきや……
アキはバッティングセンター内にあるゲームセンターでゲームをしていた。
アキの幼少期はというと、こいつはものすごくわがままな少女だった。
昔は亜麻色の髪にショートボムだった。
今はというと…………変わってない……
彼女の容姿はあまりにも変わっていない。
幼児の顔のまま身長を伸ばしたみたいな感じだ。
アキも顔はかなり整っている、それに加えて童顔だから、とても可愛らしい感じだ。
性格はわがままを人に押し付けるようなことはなくなったのだが……
考え方はまだまだ子供っぽいところがある……
そんなアキは今……このバッティングセンターの経営状況を悪化させようと奔走している。
何をしているかって?
彼女はただひたすらに機械に100円玉を入れて適当にアームを動かしているだけだ……
別に彼女の技術が素晴らしいわけじゃない……
「うーん……これでいいや! えいや!」
うーん……普通ならそれじゃあ取れないよ? 普通ならね……
「おぉぉ! 引っ掛かったー! やったー!」
はい……そうですよね……そうなりますよね……
「おー! これでぬいぐるみが20個も増えたー!」
アキは何をしていたかというと、彼女の【豪運】を使って、ひたすらにゲームセンターのぬいぐるみを狩っていたのだ……
流石にこれ以上やらせると、この施設の経営者たちがかわいそうなので……
バッティングをして叫び散らしているナツはとりあえず放って置いて、俺はアキのところへと向かう!
「おい! アキ! それくらいでやめろよ!」
「はい! やめます! って? この声はアツキ!?」
「あぁ! あつきだよ」
「はぁ……もぅ。びっくりしちゃったよ! 思わずいつもみたいになっちゃった……」
アキは幼稚園時代にわがまま少女からペットな少女へと俺が調教してやったので、今でも俺のいうことはしっかりと聞く。
いい子だね……
「ナツはバッティングのところで叫び散らかしてらみたいだからいいんだけど……フユと今日は一緒じゃないのか?」
「うん……それがねぇ〜ふゆちゃんはお仕事で、今とっても忙しいんだよ〜……」
「あぁ……そういうことか……」
俺とアキが話しているフユという人物。
フユは幼少期時代は人見知りの絵本が大好きな少女だった。
その子とは絵本を通じて仲良くなり、攻略に至ったのだが……そこのところはこの場面では省こうか。
幼少期の容姿は銀髪のデコ丸出しパッツンな少女だ。
今の容姿は銀髪のセミロング髪に、前髪もしっかりと切り揃えられていて、妖精のような容姿へと変貌を遂げた。
そんな彼女はというと、今仕事で忙しいらしい。
高校生が仕事? アルバイト? かと思いきや、フユは今、若手人気作家として活躍している。
きっと今は編集者と色々と打ち合わせでもしているんだろう。
そんなことを俺とアキが話していると後ろからバットを持って近づいてくる人物が……
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