園児編 第14話 あの子を落とせ〜人見知りっ子編④〜
俺、
前の人生では俺は普通のサラリーマンだった。
だが、突然女神とあって、俺は6歳児となってしまった。
まぁ、ここらへんはもう語らなくて良いだろう。
そして、今俺は何しているかって。
俺は必死に作戦を遂行中だ。
この作戦はなかなかしんどい。
まず、時間がかかりすぎるっていうのが大問題だし、やってることが精神年齢26歳の俺にはだいぶきつい。
今、俺がやっていること……
それは部屋の隅っこで絵本を楽しそうに読む、である。
そう。今回のターゲットである彼女と同じ行動を取り続けている。
今回の作戦は名付けて"あの子と一緒で仲良し作戦"である。
これはどんな歳の方にでも通じるものがある。
自分と同じ趣味を持つ人がいるだけで嬉しいし、その趣味の良さを共感できる仲間はかなり好感が持てる。
だからこそ、俺は部屋の隅っこで絵本を読んでいるのである。
まず、俺が読んでいるのは『はら◯こあおむし』である。
まぁ普通に面白い、話なのはいいんだが。
どう頑張っても、すぐ読めてしまう。
6歳に相応のスピードで読むのがかなり難しいのだが、そんな心配は杞憂だった。
目的の彼女、
何が大変かって。読むのはいいものの。
本を読んでいる間の眠気がひどい。
ふぁゎゎわ。眠いぜ…………
それにもう読む絵本無くなってきたぞ?
ふゆちゃんはというと同じ本を何周も読み返している
おれは一回だけ読むタイプだからなぁ……
ここ1週間ほど彼女と同じ作戦を実行しているのだが、一向に進展が見られなかった。
俺はどうしたものか、と考えるのだが妙案が全く思いつかないのであった。
よし! ここはもう強引に行くしかない……
と思って前見たく彼女の元へと近づいていった。
とそこで、やっと彼女と同じ作戦の効果を実感したのである。
前みたいにおれが近づいたら、逃げちゃうのかなぁ?
トットットっトットット
あれ!? 俺が近づいてるのに離れないぞ? それに一瞬こっちを見たよね? 見たよね?
彼女ことふゆちゃんは俺が近づいてきたのを確認した上で俺から逃げ去らなかったのだった。
あのふゆちゃんが……とうとう……
よし! これはまだスタートラインにたっただけだ!
それにしても、この1週間は長かったなぁ……
俺はふゆちゃんの隣に座って話しかける
はたして、俺とふゆちゃんの初めての会話はというと…………
「ふゆちゃん、なにをよんでるの?」
見ればわかるだろ!
なんて野暮なことは言わないでくれよ。
こうやって少しずつ相手に興味を持っていることを示すのは大事だよ!
こうして、ふゆちゃんと俺の物語が紡ぎ出されるのであった。
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