美女女神から授かったチートスキル〜魅了〜を駆使して現代社会でたくさんの嫁を娶りたい！

園児編 第10話 あの子を落とせ〜いじめっ子少女編⑦〜

　よもぎ保育園の建物の裏側。

　鬱蒼と茂る暗く少しばかり肌寒い立ち入り禁止の場所にて。

　俺、佐藤篤樹（サトウ　アツキ）はとある理由で、地面に倒れ、その背中を黒髪のツインテールの少女にグリグリと踏みつけられている。　

　時は少し遡る。

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

　俺は春先生とキラキラと輝く太陽の下、楽しく爽やかにキャッチボールをした後、ある作戦の最終段階へと移った。

　黒髪の少女の幽閉には成功。

　あとはタイミングを計って、颯爽と助けに回る。

　そんなわけで俺は立ち入り禁止の建物裏の倉庫の前へと向かった。

　よし、これでお前をゲットだぜ！

　俺は鬱蒼と木が茂る薄暗い場所にある倉庫の扉、ナツを幽閉した扉を勢いよく開いた。

「あら、遅かったわね。あつきくん」

　そこには、驚くことに黒髪のツインテール少女が倉庫の中、小さく体操座りをしていた。

　うわぉ！　なんでナツちゃんがこんなところに！？　っていう脳内の茶番は置いといて……

　あれ！？　なんで彼女は俺をそんなグサッグサッ刺すように俺を睨んでいるんだ……

　綺麗な目だなぁ……惚れ込むのも後にしてっと、攻略したら存分に可愛がってやるからな、ニヒヒヒ。

「ナツちゃん、こんなところにいたんだね！　ナツちゃんがどこにもいなかったからナツちゃんを探したんだけど、見つかってよかった。こんな暗いところにいないで、ぼくと一緒にお外に行こう」

　はい！　これで彼女の心は俺に奪われてしまう……彼女の窮地に颯爽と現れた王子様という印象を与えて…………ってあれ？

　俺のそんな態度に彼女はさらに一層怒りを募らせるのであった。

　あれれれれ！？　なんで、ナツはまだ俺のことを睨んでいるんだ？　そこは目を輝かせて俺を見るシーンだろ？　そうだろ！？

　だが、その時の俺は知らない。

　彼女が抱いた憤怒を。

　俺は完全にこの少女のことを6歳児の保育園児だからといって甘くみていた。

「早く一緒におそとへ行こう！　ここはばっちいし、それにおばけだってでるかもよ」

　俺は優しく彼女へと手を差し伸べた。

　彼女もまた俺の差し出した手をそっと握った。

　おぉ！　握ってくれたぞ！　それに彼女も口元は笑顔だぞ！

　彼女は俺に優しく微笑んでいた……

　次の瞬間、俺の視界がぐるりと一回転した。

　え！？　何が起こったの？　って…………

　俺なんで！？　回ってんの？

　俺は黒髪のツインテールの少女に綺麗に投げ飛ばされたのである。

　俺は綺麗に地面にコロコロと転がった。

「ナツちゃん！　なんでいきなりこんなひどいことをするの？」

「あら、急に転んでしまってはみっともないですよ。あつきくん」

　いやいや……あなたが飛ばしたんですよ！？　俺のことを。

　それにどうやったら、人をあんなに綺麗に一回転させられるのですか！？　

　それに、キャラ変わりすぎていませんか？

　もはや、幼女キャラやめちゃってます！？

「…………」

　投げ飛ばした当の本人は何知らぬ顔だった。

　彼女は口元だけ笑っていて、目元からは眼の色とは真逆の印象の冷たいものが漂っていた。

「ねぇ……あつきくん……」

「僕にこんなことして！　もうこのこと春先生に言っちゃうんだからね！　先生に怒られてもしーらない！」

「………………あつきくん……あなたはわたしがあなたの名前を叫んだときに、この辺りにいましたよね？」

「ッ！！！！　…………」

　彼女の声色はとても冷たいものだった。

　彼女は俺の先生の名前をだす最強の脅し文句を無視。

　そして、自分で尋ねてくせに俺の解答を聞くこともなく語り続ける。

「いえ。あなたの答えはどうでもいいですわ。あなたはわたしの声が聞こえていながらも、すぐ助けることなくわたしを放っておいた？　違いますか？」

「な、な、ナツちゃんは何を言ってるの……かな？」

「…………もう、いいですわ」

　彼女の視線は一層冷たいものへと変わっていった。

　この時ようやく俺は彼女が俺に対して怒っていることに気づいた。

　そして、俺は今まで行っていた作戦が大失敗に終わった事に気づいたのである。

　あぁ、この攻略作戦はもう失敗か……

　でもまだ諦めたくないなぁ…………

「あつきくーん、悪い子にはお仕置きが必要。そうはおもいませんか？」

「…………お仕置き！？」

「悪い子には体に教え込まないと……」

「…………」

　窮地に陥る俺に一筋の希望の光が差し込んだ…………はず。

　彼女の笑っていない冷たい視線。

　引き裂かれたような嗜虐的な笑み。

　そんな彼女は一歩一歩俺に近づいてきた。

「やだーー！　ナツちゃん、ひどいことするのはやめてーー！」

　俺は彼女の異様な様子に、金縛りに遭ったような感覚になり、身動き一つできなかったのである。

　そして、とうとう俺の目の前まできた彼女はおれを容赦なくグリグリと踏み付けていたのである。

　こうして、俺は黒髪のツインテールの少女にグリグリと踏み付けられる結果となったのだ。

「あつきくん。まだまだお仕置きは足りませんわ〜」

「痛いよ〜！　痛いよ〜！　ナツちゃんもうやめて〜」

「ぎゃーぎゃー、ぎゃーぎゃー、叫んであなたはお猿さんなんですか？」

「やりすぎだよ……ナツちゃん(本当に……)

僕が死んじゃったらどうするのー？」

「どうせ、あつきくんは死なないでしょ？　そうでしょ！？」

「ぎゃーー！　痛ーい！」

　バコッ！　バコッ！　バコッ！　グキッ！　ドカーン！

　最後の音なんか、大事件のやつだよ……？

「じゃあ、これで終わりにしようかしら？」

　え？　ここに来て！？　これで終わり……！？

「ナツちゃんのブスぅぅぅ！！」

「……いまなんて言いました？……あつきくん」

　ギャぁぁぁぁぁ！！　助けてぇぇぇぇ！！

　バコッ！　バコッ！　バコッ！　グキッ！　ドカーン！

　かなりながい時間彼女に痛めつけられた俺は満身創痍の状態で倒れていた。

　いや、人生でここまでボッコボゴにされたの初めてだよ……子供って容赦ないな……

　そしてそんな様子に満足したのか、彼女は俺の顎をぐいっと持ち上げて、歳相応の笑顔を向けた。

　だか、そんな笑顔を裏切る、一言が彼女の口から出てしまった。

「……………」

「最後のお仕置きです！」

「っ！！　ま、まだするの？　さすがにもうやめろぉぉ！」

　おいおい！　お前、本当に6歳の少女か？　俺もついつい26歳の俺の口調が出たまったじゃねぇか……大人でもこんなになるまでやらねぇぞ！　子供っぽくないとかそういうレベルじゃねぇぞ……最後に何してくれるっていうんだよ……

　俺(精神年齢26)は6歳児の黒髪ツインテールの少女に本当の意味で恐怖を覚えるのであった。

「あなたの初めてのものをわたしが全て奪ってあげますわ」

「…………」

　チュッ

　彼女は俺に嗜虐的な笑みを浮かべて、俺の唇を奪っていった。

　恐怖でなのか、安堵でなのか、俺は深い闇へと意識を落としていくのであった。

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

　俺が目を覚ましたとき、そこには心配そうに見つめる春先生の姿があった。

「あつきくん。大丈夫？　いっぱい怪我してるみたいだけど……」

「うん！　はるせんせい！　こけちゃっただけだからね。これからは気をつけるね」

　やっぱり、春先生は可愛いな……

　そして俺は自分の鑑定を開いた。

　とそこには……

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【名前】佐藤　篤樹（サトウ　アツキ）

【性別】オス

【スキル】【身体操作】【親愛度鑑定】【魅了】

【称号】【トラブルメイカー】【神の下僕(仮)】【マザコン】【マゾシスト】

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【嫁ホルダー】

＊佐藤　灯（サトウ　アカリ）

＊蒼井　夏（アオイ　ナツ）

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【称号:マゾシスト】

　効果

痛ぶられることによって、快感を感じるようになる。

一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一

　はぁ……なんとか攻略完了か。

　それよりこの称号もっと早く欲しかった……そしたらあんなに痛い思いはせずに済んだのだ。

　俺に見えた一筋の希望の光。

　それは彼女に突如出現した【称号:鬼姫】にあった。

　俺は自身の建てた作戦が失敗に終わった直後、作戦を変えた。

　彼女にいたぶられ続けることによって、彼女の親愛度をあげ、その後に無理やりにでも唇を奪う、そういう作戦。

　だが、唇を奪う必要はなくなってしまった……

　なぜなら俺が彼女に唇を奪われてしまったからである。

　グリグリされている時は本当にキツかった……

　彼女の親愛度が75に達したところで彼女がグリグリするのをやめてしまったからだ。

　俺は彼女にグリグリしてもらえるように必死に頑張ったよ。

　心の中はこんな感じだったね

『あと少しだけでいいですから、俺のことをグリグリしてください！　あと少しだけ〜』

　もう、恥なんかしてたよね……

　だが……なんだろう？　俺は何か間違いを起こしてしまったような……そうだ、これだ！

　あんな鬼嫁はいらーーーーーん！

　彼女は怖すぎる……トラウマだ……

　確実に俺は彼女に尻に敷かれる……

　一気に未来が心配になる俺だった。

　だが、いちよ、1人目はなんとか攻略成功したのであった。

　魅了されたにもかかわらずナツにいじめられる日々は変わらなかった……

　愛情表現は人それぞれってことだよね……

　先日見せたナツの変わった姿をこれからダークナツちゃんと呼ぶことにしよう。

　普段のナツちゃんはいじわるなだけで可愛いんだけどね……

　女の子には面の顔と裏の顔があるって本当のことみたいだね……