園児編 第3話 初攻略


 俺の名前は佐藤篤樹(サトウアツキ)。

 今俺は母さんによもぎ保育園に送られ、一時的に別れをする場面だったのだが…………


「ねぇ〜ねぇ〜おかあさん! どうしたの? そんなにハァハァいっちゃって」


 俺は可愛らしく、6歳児感満載な声色で母さんに尋ねてみた。


 さっきから母さんの様子がどう見てもおかしい!


 顔をリンゴのように真っ赤にしていて、目は溢れ落そうにとろんとさせていて、俺のことを恍惚の表情で見つめている。


 この様子は、どこがで見たことあるぞ。

 あれはアニメだっただろうか……

 そう。これはエロアニメと同じやつだ。

 媚薬を飲まされた女の子が急に顔を真っ赤にして、目の焦点がおかしくなって、身体もじもじとさせ始めるやつ。

 そのエロアニメな状況と母さんの様子とはかなり酷似している。


 なんでだろう? なんか変な薬でも飲んだのだろうか? でも、なんで今になって!?


 俺は数秒間、感覚的にもっと長かったのだが、母さんがそうなってしまった原因を考えていた……

 とその時、女神様の透き通った声が脳内を駆け回った。


『キスじゃよ』


 そんな女神様の声が聞こえたような気がした。


 そして、俺はここで初めて、女神様から貰った能力の一つを使うことに決めた。


【鑑定】


一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一

【名前】佐藤 灯(サトウ アカリ)

【年齢】25

【誕生日】1月23日

【3S】B:88 W:60 H:89

【親愛度】100

【好きなもの】あっくん うどん Hなこと

【嫌いなもの】納豆

【H】A+

【テクニック】A

一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一

【称号】【痴女】【あっくんの嫁】

一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一

【ひとこと】

 あっくん、だいすき〜! あっくんのためなら、ママなんだってできちゃうよ〜♪

一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一


 おぉー! これが【親愛度鑑定】の能力かーーって!? 母さん【痴女】って何よ!? 痴女って!?

一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一

 【称号:痴女】

取得条件

【H】及【テクニック】が共にA以上を超えること。

効果

行為時、相手の快感度を10%あげる効果をもつ。

一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一


 おい! 父さん羨ましいなぁぁ! こんな美人でそれに、モデルのような体型の母さんに、色々してもらってよぉぉ! それに加えて、もっと気持ちよくなるって、父さんはとんだ幸せ者だなぁぁ!


 …………いかん。いかん。ついつい26歳の俺が出てしまった。

 【あっくんの嫁】なんてあるけど、これはなんなんだ?

一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一

称号:【あっくんの嫁】【アツキの嫁】etc

取得条件

 佐藤篤樹(サトウアツキ)に対して80%以上の親愛度を持っていること、さらにサトウ アツキの体液を体内に取り込むもしくは、自分の体液をアツキに取り込ませることによって得られる。


効果

 とにかくアツキのことが大好きになり、アツキのハーレム嫁人員に加わり、将来的には嫁になることが確約される。

一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一


 おい! これってまさか!? 俺、父さんの妻を寝取ったってことかよぉぉぉぉぉ!


『そうじゃよ』


 透き通った声が脳内に響き渡った、その口調はどこか面白がっているようなものだった。


 『そうじゃよ』……じゃねぇよ…………

 

 そうして、俺は母さんを偶然にも攻略することとなってしまった。


 よりにもよって、初攻略が母さんだなんて……


 まぁ、母さんも美人だし、スタイルもいいし、とりあえず嫁にしちゃってもいいか。


 俺は母さんを父さんから奪ったことを重くは受け止めず、心の中では父さんに軽く謝罪しておいた。


 父さん、ごめんな……でも、母さん結構いい女だからな。俺の許容範囲だよ。父さんはもう充分満足しただろ? 俺は肉親だろうと関係ない。俺は自分が欲しいと思ったヤツを俺のものにする。なんだって、俺はわがままだからな!

 

 これがもう少し早かったら俺の未来もだいぶ変わっていたのだろう。


 この時にはもうすでに新たな命が母さん中には宿っていた。


 そう、母さんはこの時にはもう妊娠していたのだった。


 前の人生から考えると、この子は俺の妹だ。俺とは7歳も離れた妹。


 将来、母さんとそっくりの超美少女へと成長するそんな妹。


 もし、俺が母さんを2ヶ月前くらいに【魅了】を使って、攻略していた場合、妹は生まれてくることはなかった……


 それはだって、父さんと母さんのアレが今後一切なくなってしまうからだ……


 

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る