死者の軍勢
その日の朝、町中に警鐘が鳴り響いた
俺たちは朝ご飯を宿の食堂で食べていた
「緊急召集だ」
夜叉王が呟く
「まだ、朝ごはん食べ終わってないよ」
南が朝ごはんの完食を主張する
「夜叉王さん、緊急召集って朝ごはん食べてからでもいいですか?」
夜叉王は無言だった
俺たちはこれ幸いにご飯を食べ続けた
☆☆☆
俺たちは『ローデルブルグ』冒険者ギルドに入った
既に大勢の冒険者が集まっている
皆の視線が痛い
それは遅刻してきた者へのものとエッチな視線と両方混ざっていた
南はCランクになってから、高校の制服に戻った
それまで俺も南もいかにも新米剣士、新米魔法使い
という姿だったが、南が剣で斬られても平気な『魔力障壁』持ってるのがバレて
それ以来、制服になった。鎧はぶっちゃけ動き辛くて意味が無いのだ
南は制服が一番可愛く見えると主張し、制服を着始めたが、俺も付き合わされた
冬の『ローデルブルグ』は寒い
それなのに、俺たちはギリギリパンツ見えないレベルのミニスカートなのだ
寒い。足が冷える......
「という訳で、今現在、死者の軍勢がこの『ローデルブルグ』に向い進んでいます
王都には使者を出しています。援軍は必ずきます
それまで、この『ローデルブルグ』に篭城します」
「あのー、死者の軍勢って何人ぐらいなんですか?」
南が目をキラキラさせながら聞く、好奇心全開中らしい
「およそ2万、心してね」
受付のお姉さんだ
「指揮系統など統制はとれているのですか?」
「いい質問ね。死者の軍勢には指揮統制はありません
彼らは支配者に従って、進み、途中の生あるものを食らうだけです」
「ならば、支配者を探して倒せばいいだけじゃ無いですか?」
「そうもいかないの。そもそもどの辺にいるのかわからない」
「支配者はどんな魔物なんですか?」
「予想では、セイクリットリッチ
北の山脈の山奥に古くからリッチが住むと言われています
伝説では100年前に勇者に封印されたとあります
勇者の封印はおよそ100年で解けます」
「なるほど、今年がその100年目な訳ですね」
「そう、発見が遅れて、私たちは篭城を余儀なくされています
死者の軍勢がこの街に到着するのはおそらく3日後です
それまで全ての討伐依頼の停止を行います」
「みんな、英気を養ってくれ、3日後から7日間持ち堪える必要がある」
「本日より、冒険者ギルド支配下の冒険者は『ローデンベルグ軍』の指揮下に入ります」
☆☆☆
俺たちは召集が解かれるとお昼ご飯を食べていた
「どうする?」
「どうするって?」
「いや、どこまで魔法とか解禁する」
「お前ら、まだ、隠している魔法あるのか?」
夜叉王が疲れた声で聞く、多分ある事に気づいてるんだ
「その、古代魔法使える」
「古代魔法......」
「いや、嘘じゃ無いんだ」
「主らは嘘はつかないだろう、むしろ隠すだろう」
「信じてくれるんだ」
「正直、古代魔法は信じがたいが、お前らが言うなら実在するのだな」
「使えば、かなり有利になるけど、この街を去らなきゃ」
「なぜだ?
主らは救世主になるぞ」
「私達はその救世主なのよ。魔王と戦う為異世界から召喚されたの
だからこれだけの力を持ってる
ことがバレたら、アルナロック の王都に連れ戻される」
「そう言うことかわかった。では、戦い、そして、勝ったら別の街へ行こう」
「いいんですか?」
「別に我はどこでも構わない」
「ありがとう」
俺と南はこの戦いで古代魔法を解禁することにした
俺は前から少しづつ作っていた古代魔法エクスプロージョンの銃弾を急ピッチで増産した
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