なぜなぜ☆ハーモニー!
へろ。
なぜなぜ☆ハーモニー!
オッス! 俺! ナゾナゾ大好き頓知問一(とんち といいち)!
皆からはトンチキって呼ばれてるぜ!
よっしゃーあ! 今日も今日とて大好きなナゾナゾを、大好きなミキちゃんと、たっくさん解いていくぜ!
おっ! なんやかんや言ってる内に、ミキちゃん発見!
「おーい! ミキちゃん! ねぇミキちゃんって! おい! ミキ!」
「あ、トンチキ……問一くん……。」
ふぅ! やれやれだぜ!
今日もミキちゃんの俺を見る目は、腐った豚肉を見るのと、そう大差ないぜ!
でもそんなミキちゃんの視線が、時々俺をドキドキさせるんだ!
「よっしゃーあ! ミキちゃん! 今日も二人でなぜな――」
「ねぇ、問一くん」
おっとっと! ミキちゃんが俺のお決まりの毎日言いすぎて辟易としている言葉を遮ってきたぞ!
一体全体なんだってんだい!?ミキちゃん!
「まず最初に言っておきたいんだけど、もう二度と私の前でたかがナゾナゾの事を『なぜなぜ☆ハーモニー!』って言うのやめて。キモいから」
「あ、ごめん」
ふぅー☆ 初っぱな注意されちまったぜ! ミキちゃん溜まってんのかな?
でもでも! 大好きなナゾナゾを今からするから気にしない事にするぜ!
「ミキちゃん! 今日もナゾナゾ博士という住所不定無職の老害から、たっくさんなぜなぜハー……ナゾナゾが来てるぜ! 今日も俺と一緒に解いていこうぜ!」
「……ヤダッヤダヤダヤダッヤダッ」
「え、ちょっ……ミキちゃん落ち着いて……。泣きながら本気の地団駄を踏むのはやめよ?」
「ヤダヤダヤダッヤダッヤダヤダッ」
「いやちょっ……ミキちゃん、そんな……」
「ヤダッてッマジでヤダッヤダヤダヤダッ」
「ミキちゃんッ。いくら泣いたってッ俺は一緒にナゾナゾ解いてくれないかぎり、一生ミキちゃんに付きまとうよッ」
ふぅー! やれやれだぜ! 俺が必死に駄々をこねるミキちゃんを説得し始めてから三時間! ようやくミキちゃんが折れてくれたぜ!
さぁ! 楽しいナゾナゾの始まりだ!
「じゃあミキちゃん! ナゾナゾ博士からのクイズ第一問! パンはパンでも食べられないパンは、なーんだ!?」
んん!? これは一見して簡単そうで実は難しい問題かもしれないぞ! なぜならやり尽くされて無数に答えがあるからな!
さぁミキちゃん! 君はどんな答えを導き出すんだい!?
「あんたの食べかけのパン」
「えっ……?」
「だから、問一くんが口を付けたパンだって」
「……ある意味では正解かもね!」
さっすがミキちゃん! 俺がまだ聞いたことがなかった答えを出しちまうなんて! でも、ちょっと俺は引いてるぜ!
「じゃあ第二問! 蹴っても蹴っても泣かない動物は、なーんだ!?」
これは俺も聞いたことがない問題だ!
うーん難しい! でもやっぱり難解であればあるほどナゾナゾはワクワクするってもんだぜ!
――五分後。
……ダメだッ! 全然分かんねー! 思考するのも面倒臭くなってきたぜ!
ん? いや、まてよ……。もしかしてこのクイズ、正解なんてないのでは?
だってこのナゾナゾの天才、頓知問一がこんなにも考えても導き出せないってことは……つまりはそうか!
蹴っても蹴っても泣かない動物なんていない! 居ぬ! いぬ!
答えは『犬』だ!
「ミキちゃん分かったぜ! 答えは、い――」
「お前。」
「え?」
「トンチキくんだよ、これは絶対。私これまでのトンチキくんとの思い出、今すごい振り返ってみたけど、これは絶対トンチキくんのこと言ってるとしか思えない」
「おいおいミキちゃん! 冗談キツいぜ! 俺は動物っていうか人間だからさ!」
「私はあなたを同じ種族だとは思ったことはない」
「……じゃあ……ある意味……それも正解かもね!」
あっぶねー! ミキちゃんの目、マジだったぜ! 深入りは禁物っと!
あ! そういえば一つ言い忘れてたことがあるぜ!
ナゾナゾ博士は、ナゾナゾが書かれた手紙を毎日頼んでもいないのに俺の家に着払いで送ってきてくれるけど、答えは書いてないんだぜ!
だから、なにが正解かよく分からないモヤモヤとしている内に一生を終える羽目になるんだぜ!
マジあのクソジジィなんなんだよッ!
でもでも! 気を取り直して、ラストのクイズに挑戦するぜ!
「じゃあミキちゃん!これラスト問題! 切っても切っても切れないものって、なーんだ!?」
「お前との関係ッ」
さすがはミキちゃん!
速攻で答えを導き出して、足早に去っちまったぜ!
ミキちゃん! 明日も二人でナゾナゾ解こうな!
なぜなぜ☆ハーモニー! へろ。 @herookaherosuke
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