第7話
大学から帰宅したオカは、朝同様にご機嫌である。
色々とあったが結果的にはマサオさん友達が出来て嬉しい様だ。
それにオカは元々カリンと、どうこうなれるとは思って無かったのだ。
「さて今日もマスオさんの記事更新されているかな」
直ぐにパソコンをつけてブログが更新されているか確認する。
ここ数日のオカは大好きなアニメよりも都市伝説マサオさんの更新が楽しみで仕方ないらしい。
「お、更新されているじゃないか。全くこの人も暇な人だな」
顔からは笑みが溢れているし、自分自身も相当暇な身分な筈だが本人は興奮して気付いていない。
そしてオカは記事をを読む準備をする為にお菓子やジュースなどを用意し、快適な環境を整え終わってからじっくりと読み始めた。
【都市伝説マサオさん。眠れない夜のお供にどうぞ その4】
皆さんこんばんは。管理人のマサオです。
今回は都市伝説マサオさん。聖地巡礼ツアー参加者募集になります。
思っていたよりもコメントなど頂けてとても嬉しい次第です。そこで今回は都市伝説マサオさんの舞台になっている村を巡礼したいと思い参加者を募集致します。
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開催日時:8月9日~未定
参加人数:未定
あまりにも参加人数が殺到した場合はこちらで勝手に締め切りさせて頂きます。
集合場所などの詳細については参加者のみに個別で送らせて頂きます。
参加希望の方は下記まで連絡を頂ければ幸いです。
なお、個人情報などの漏洩防止の為今回は自身のペンネームをメールに記載をお願い致します。
連絡先:×××@×××.co.jp
何か不明な事があった際も気軽にご連絡下さい。
※締め切りは本日から一週間とさせて頂きます。
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以上が今回の内容になります。
私も都市伝説マサオさんを知り、とても興味があり実際に行って見たいと思いましたので、どうせならマサオさんに興味がある皆さんと行ければと思います。
それでは今回の記事はこの辺で終わりにしたいと思います。
※当サイトを見て実際に村に行き何かあっても当方は責任を負いません。各自の判断で実行して下さい。
「おいおい、マジかよ!」
真夜中だと言うのにオカはとても興奮している。
「なんだよ、マサオさんの聖地巡礼って」
顔は笑みが溢れ、手はキーボードに伸び、記事に書いているアドレスを入力している。
「こんなの、絶対参加だろ」
オカは直ぐにアドレス先に参加表明の文を作り始める。
「ペンネームか……。オカでいいか」
オカは捻りも何も無い普段呼ばれているアダ名をペンネームとしてメールに記載して送信した
「開催日は今から一ヶ月後だから、夏休みに入っているな」
オカの頭の中には既に何を持って行くだとか、当日の天気はどうかなどを調べてウキウキしている。
そんな事を色々想像していると、スマホから着信音が鳴る。
「誰だよ、こんな時間に」
スマホの表示を確認すると、カリンとある。
「もしもしどうした?」
「オカ、最新の記事見た?」
カリンが言っているのはマサオさんの記事の事だろう。
「見た見た、聖地巡礼の記事だろ?」
「そうそう、オカはどうするの?」
「え? 俺もう参加メール送ったぞ」
「えぇ!? 早ッ!」
カリンが驚いた声を出す。
「いやー、なんか分からないけどマサオさん凄い興味出ちゃってさ。それにちょうど夏休みじゃん?」
「そっかー。オカが参加するなら私も参加しようかな……」
カリンの反応を聞いて、オカはすかさず話し始める。
「行こう! カリンが来てくれた方が絶対楽しいよ」
「う、うん。オカが言うなら参加する……」
「そうしよう!」
オカには分からないが、カリンの顔は赤くなっていた。これではまるで昨日と逆の立場であるが、その事はお互い知る由も無かった。
それから、カリンも参加表明を管理人に送るメールを作る。
「ペンネームか……。オカは何にしたの?」
「え? オカだけど?」
「あんた、名前のまんまじゃん……」
カレンは呆れていたが、結局カレンも名前のままメールを送る事にしたらしい。
「なら私もカレンでいいや」
「結局お前も、名前のまんまじゃん」
「あ、あはは。まぁーいいじゃないの」
「でも何泊するか未定って書いてあるけど、どうなんだろ?」
「確かに。でも夏休みだし私らには関係無いでしょ!」
それから二人は一ヶ月後のマスオさん聖地巡礼の話で盛り上がる。
「よーし、新しい服買わないとなー!」
「俺も虫除けとか買わないと!」
「な、ならさ良かったら一緒に旅行用の物買いに行かない?」
緊張した様な声でカリンがオカを買い物に誘う。
「お、いいねー」
電話の向こうで、カリンはガッツポーズを決めている事をオカは知らない。
「じゃ、じゃあ次の休みにでもどう?」
「オッケー」
こうして二人はそれぞれ、一ヶ月後の聖地巡礼を楽しみにしているよう。
オカは純粋に都市伝説に興味を持って参加だが、カリンはどうやら少し違う様だ……。
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