第3話

【都市伝説マサオさん。眠れない夜のお供にどうぞ その2】


 皆さんこんばんは管理人のマサオです。

(マサオさんの記事でのみのネームになります)


 昨日に引き続き都市伝説マサオさんについて書いていきたいと思います。


 本日はマサオさんについての噂を私なりにまとめてみました。


 マサオさんは幼少期の頃にイジメられていました。理由は分かりませんが日頃から同級生達に暴力を振るわれ、耐え抜く毎日を送っていました。

 その日々は辛く、大変だったと思います。ある日は顔を殴られ、またある日は集団で蹴られ、また他の日は私物などを隠されていたようです。


 30人程しか居ない村の為逃げれる筈も無くマサオさんは、小学校から中学の9年間、毎日暴力や陰口などを叩かれていました。


 だが心優しいマサオさんはイジメっ子を恨む事も無く毎日笑顔で学校に通っていました……。


 中学を卒業後は高校に通わず働く事を選択したマサオさんは家が農家なので手伝う事にしたらしいです。

 学校も卒業し、イジメっ子達は高校に進学するとの事で家から通える距離に学校が無いので皆家を出ました。マサオさんからしたら幸せな日々の始まりです。毎日暴力を振るわれる日々から解放され農業に没頭しました。


 ある日、親からお見合いを勧められました。マサオさんは断る理由も無いし、早く親を安心させてあげたくて快く快諾しました。


 お見合いで出会った妻はとても美人で気立ても良く村であっという間に噂になりました。


 妻の名前はアケミと言いマサオさんが昔イジメられていた事実を知って泣きました。それを見たマサオさんはアケミの事をますます好きになりました。


 マサオさんは思いました。今まで生きてきて一番幸せだと。


 ですが、その幸せは長くは続きませんでした……。


 結婚して数年後にアケミが妊娠しました。どうやら男の子らしいです。二人は生まれてくる子供が大空に羽ばたける様にと、ソラタと名付ける事にしました。


 アケミのお腹は順調に大きくなり、一年後にソラタが生まれました。

 マサオさんもアケミもソラタの誕生を非常に喜び大事に大事に育てました。ソラタはスクスクと大きくなりましたが一つ問題が起きました。


 そして、ここからマサオさんの幸せが崩れていきます……。


 ソラタは同じくらいの子供達と比べて出来る事が少なかったのです。他の子が出来てもソラタには出来ません。心配になった二人はソラタを町の病院に見てもらいました。


 結果は聴きたくないものでした。ソラタはこのまま成長しても他の子達と同じ事は出来ませんと言われ二人は泣きました。ソラタは大空に羽ばたけませんでした。


 そしてアケミは病みました……。


 お腹を痛めて必死に産んだソラタを溺愛する様になりましたが、逆にマサオさんに育児でのストレスをぶつける様になりました。


 優しいマサオさんは、ソラタの育児が大変な事を分かっていたので、アケミが少しでも気が休まるならと我慢しました。


 ですが、それが悪かったのでしょうか。妻のアケミはどんどんとエスカレートしていき言葉の暴力から物理的な暴力になりました。


 それでも心優しいマサオさんは妻の為と思い必死に我慢しました。その結果少しだけアケミも落ち着きを保ち、マサオさんに泣きながら謝りました。


 ですが、その落ち着きも長くは持ちませんでした……。


 アケミが落ち着きを取り戻して数ヶ月が経った頃に二人目の妊娠が分かりました。もちろん二人共喜びました。


 アケミは次の子供もソラタみたいに生まれて来たらどうしようと心配しましたが、マサオさんはそれでも良いから二人で頑張ろうと励ましました。


 次に生まれてくる子は女の子と分かったので二人は名前を決める事にしました。マサオさんとアケミが一番好きな時期である春を文字ってハルカと名付ける事にしました。


 ハルカが生まれ順調に育ちました。ソラタと違いすくすくと育ちました。

 ハルカはとても元気な子でいつも笑顔でマサオさんやアケミの手伝いをする良い子でした。


 しかしアケミは思いました。溺愛している息子のソラタがこんなに苦しんでいるのに、ハルカはなんでこんなに楽しそうにしているのかと……。



 それから、またアケミによる暴力が始まりました。しかも、その矛先はマサオさんだけでは無く、娘のハルカにまで向いたのです。

 ソラタもハルカも同じアケミの子供でしたがアケミが溺愛していたのは息子のソラタでした。


 アケミの暴力が始まってから、ハルカが笑う事は徐々に減っていき、ついには笑わなくなりました……。


 その頃から息子のソラタは虫などを捕まえては胴体をハサミで切断する様になりました。マサオさんがいくら注意しても辞めず、それを見たアケミは更にマサオさんとハルカに対して、暴力が悪化しました。


 それから暫く月日が経ち、例の事件が起きたとの事です。



 この記事をここまで読んで頂きありがとうございます。

 マサオさんは恐らく日々の窮屈な生活と幼少の頃からのイジメと妻による日頃の暴力により溜まったいたものが事件当日に溢れてしまったんだと私は思いました。

 それでは今回の記事はここら辺で終わりにします。


※当サイトを見て実際に村に行き何かあっても当方は責任を負いません。各自の判断で実行して下さい。




「うぇー。やっぱり読まなきゃ良かった……」


 記事を読んだオカは大きく伸びをして肩のコリなどをほぐす。


「アケミはゴミだな。ソラタは気持ち悪すぎるだろ……」


 虫の切断する事を想像して気持ち悪さが込み上がって来たのか、オカは唾を飲み込む。


「マサオさんは良い奴過ぎるし、ハルカは完全にとばっちりだな……」


 オカは自分では気付いて無いだろうが都市伝説マサオさんの考察をしている。


「って、もうこんな時間かよ!?」


 時計はとうに12時を過ぎて丑三つ時を過ぎている時間だ。


「明日も一限だけ大学行かないと行けないのに……」


 どうやら今回も時間を忘れるくらい集中してしまったらしい。


「全然眠く無いけど寝るか」


 オカは部屋の電気を消しベットに潜り込み目を瞑った。だがオカの頭の中ではマサオさんの都市伝説がグルグルと回っていたのである……




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