第11話

「ソードダークネス」



 握っている剣に魔力が宿り、黒い稲妻がほとばしる。俺はそれを勢いよく前方へ投擲した。黒い稲妻を纏った剣は猛烈な勢いで周囲を破壊しながら直進し、巨大な崖に突き刺さる。崖は刺さった箇所から深く、広い範囲が破裂したように抉り崩れた。我ながら中々の破壊力だ。とてもいい。



「……どうだヨーム」

「これならいけるんじゃないかな!」

「そうか。まあ、当たればだがな」

「大丈夫だって。この三週間と四日の間、ネームレスくんすごく頑張ってたじゃない」

「……うむ」

「見違えるほどだって、城内じゃ評判だよ?」



 剣術。モクドの指導のもと基礎を繰り返し、戦うことにおいて必要な駆け引きなども学んだ。彼は城内で『教示の天才』と呼ばれているらしく、その呼び名は事実だと実感させられる。彼が俺の指南役でなかったらもっと上達が遅かっただろう。……実は、本人は息子と違って実戦は全然強くないらしいが。


 その息子であるオンドとは中盤から毎回模擬試合を行うようにし、学んだことの確認と技術の定着、実戦を想定した動きができるように腕を剣に馴染ませていった。

 さらに終盤では実際に敵と戦うと仮定して試合に付き合ってもらった。俺が力を出すとオンドを殺しかねないので、彼だけが本気をだす。

 なかなかオンドの本気は凄まじい。移動魔法を使って撹乱や攻撃の回避を行いつつ、相変わらずの素早い剣戟を浴びせてくるのだ。そんなだから結局、今日まで一度も剣だけでは全力の彼に一本も取れなかった。


 他に兵士や騎士を百人同時に相手したり、オンド以外のこの城の剣客と試合を行なったりもした。モクドとオンドによれば俺は結果的に、剣術だけならばこの城の新米剣士くらいの実力がついたらしい。良いのか悪いのかよくわからない評価だ。とりあえずド素人ではなくなったということだろう。



「それと魔法もね! どちらかといえば、こっちの方が成長がすごいよね」

「……ああ、おかげさまでな」



 ヨームの言う通り、魔法については剣術より初日と比べて大幅な成長が見える。まず、魔力による魔法は魔法陣を作ることのできる範囲が三倍ほどに広がり、また、三つ同時に魔法陣を作ることもできるようになった。同時発動の場合、一度に扱える魔法は二種だ。


 そしてこの世界のマナによる魔法も毎日、仕組みの授業を受け、実践を繰り返してきた。蓋を開けてみれば思っていたよりもこの世界の魔法は奥が深かった。

 魔力による魔法は初級から究極級までの五段階で強さが表せられるが、マナによる魔法はそんなものではない。なんと何十段階もある。こちらの言い方では『項目』か。


 魔法を唱える場合は、その段階を『第○○項目(魔法名)○○』と宣言するのだ。例えば十段階目の炎魔法を唱える場合、『第十項目魔法ファイア・テン』といった感じになる。

 なお、この魔法の詠唱はその段階が自分の実力より圧倒的に低ければ必要ないそうだ。二十項目まで扱える者が、二項目を発動するときにわざわざ唱えなくても良いということだな。


 普通はそんな『項目』の数値が高ければ高いほど魔法の効果も高くなる。この世界には魔法が数多く存在するが、そのどれにでも項目の段階が適用される。しかし、項目が低すぎると発動しない魔法や、高すぎてもあまり意味のない魔法もあるようだ。


 そしてこの『項目』の高さは、マナをどれだけ一度に多くその魔法へ正確に変換できるかで決まる。 

 要するに魔法以外で例えると、第一項目が『ファイア』といったように単語を口に出しているのなら、第三項目はそれと同じ秒数の間に『ファイア、ファイア、ファイア』と、連続で言葉に発しているに等しい。


 このようにマナを多く魔法へ変換するには、そもそもマナを多く取り込む必要がある。それ故にこの世界の人間がよく口にする『魔集力』が一つの指標となっているのだ。

 魔集力とは「どれだけマナを一度に吸い込めるか」「どれだけマナを体内にためておけるか」を現している。マナを大量に扱えるということは、その分、一度に変換できる魔法の量……ようするに連続で発することができる量が増えるというわけだな。

 まあ、いくら魔集力が高くとも魔法が作れねば意味はないため、やはり体内でマナを魔法に変換させる訓練も必須だがな。


 そして魔族は人族に比べて生まれながらにして圧倒的に多くのマナを吸収できるが、この世界に来てすぐから聞かされている通り、マナは人族の方を好んでいる。そのため人族と魔族が同じ空間で魔法を使おうとすると魔族にマナが供給されにくくなる。


 ……魔法がうまく唱えられないだけならいいのだが、魔族は身体の維持もいくらかマナに頼っているため、結果的に身体能力も低下することになる。やはり、特殊な魔法といい全体的に人族より劣っているわけではなくむしろ優っているのだが、なんとも悲しいものである。

 

 

「魔法……そう、魔法といえば、ほんと、ネームレスくんのおかげでだいぶすごいことになったよね」

「……まあ、そうなのだろうな」

「本当にすごいんだよ?」

 


 この三週間半の間にこの世界において、俺の世界の魔法の開発がだいぶ進んだ。例えばまず、名称で差別化をするためにこの世界の方は『マナ魔法』、俺の世界の魔法は『魔力魔法』と呼ばれることが決まった。

 そして若き天才であるアルゥ姉妹は、なんとマナで体外に魔法陣を作る感覚のコツを掴んでしまい、俺への教授開始から五日で魔力魔法を扱えるようになってしまったのだ! さらにその三日後にそのコツを教えたことにより、彼女達の部下の大半も魔力魔法の発動に成功したという。


 両魔法が使えるようになったアルゥ姉妹は、俺がマナ魔法を使えない原因を突き止め、解決してしまった。おかげで今では俺もマナ魔法を最大のもので第三項目まで扱えるようになった。王のお墨付きは伊達じゃないのだ。

 この世界に新しい別種の魔法が持ち込まれたことはまさに革命であると方々で言われており、俺が今までの魔人の中で最も優れた宝(おみやげ)を持ってきた人物であると言う者も居るほど。

 また、噂ではアルゥ姉妹は昇進が決まっているらしいとのこと。優秀な者は良い待遇を受ける。当然のことだ。


 魔力魔法は魔法陣を展開させることで多数同時発動したり、離れた場所へ撃つことができる。マナ魔法は体内から直接放つため発動までの時間がかなり短く、即効性がある。うまく使い分ければ強力だろう。



「でもやっぱり一番インパクトがあるのは、ソードダークネスだよね! もう、ネームレスくんの必殺技みたいなものだもん」

「……ああ」

「……?」


 

 ヨームの言う通り、俺の中で何よりも得た成果が大きいのが俺の大技『ソードダークネス』だろう。巨大魔獣ツノシシの前で転んだことにより偶然発動したこの技で倒したあの日から、俺は再現できるよう努力した。そして十日ほどで再現に成功し、自分のものにしたのだ。


 剣を黒い稲妻と共に投擲することで様々なものを貫通する破壊力を生み出す。纏う稲妻が白色ではなく黒色で、そして刺突ではなく投擲しなければいけないという相違点があるものの、勇者が俺を倒した『ソードライトニング』という技に見た目などが非常によく似ている。故に対抗する気持ちで『ソードダークネス』と名付けたのだ。


 しかし今もわからないのが、この技がいきなり出た理由だ。あの日はまだ剣も魔法も習いたて。出そうと思って出した技でもない。そしてこれはなんとなくだが、ソードダークネスは俺の魔王としての特殊な力そのものであるとは思えないのだ。



「……ね、どうしたのネームレスくん。なんかさっきから元気なさそうそうだけど」

「そうか? そんな自覚なかったが」

「そうだよ。答える間に毎回少し間があるもん」

「少々不安だからだな。結局、魔王としての特殊な力は判明できなかった。勇者と戦うのは明日だというのに……」

「怪力と頑丈な体と豊富な魔力。これらは全部、ネームレスくんの世界の魔王全員が元々備わっているものなんだもんね。私からみたらそれだけでも十分だと思うけどな」

「しかし今揃ってる情報だけでは今回の勇者がどれくらいの強さかわからないからな……」



 人族の中でも化け物と称されるような強さを持つ男が勇者として選ばれる。だいたい剣の達人であり、さらに魔集力も人族の中ではかなり膨大。一つの種族を代表するのにふさわしい強さだそうだ。俺もこの期間中に過去の魔人と勇者の戦いが記されたものをいくつか見てきたが、どれもなかなか熾烈な戦いを繰り広げていた。


 ……分かっていることはそれまで。つまり過去の文献で分かることのみだ。本来なら、前日までにはもっと相手の情報が揃っているらしい。予言の魔法が使える者が勇者の出現を予言してから送り出した偵察者は全員、成果なしで帰ってきたのだとか。今朝、王がしょんぼりしながらそう言った。


 まあ、救いがあるとしたら何があろうとも人族である限りは魔族のように場所を瞬時に移動したり、透明化をしてこないことだろう。特殊な能力が判明していない俺と、特殊な魔法を持てない人族の勇者……か。泥臭い戦いになりそうだな。



「ごめんね、本当に。勇者の名前すらわからないなんて初めてらしいよ。……なんにせよ勇者の剣には気をつけるんだよ? ネームレスくんの頑丈さでも、あれで斬られたら大きな傷ができちゃうだろうし」

「勇者の剣な……」



 その勇者の剣とは、文字通り人族から選ばれた勇者が持つ剣だ。人族特有の「魔族よりマナの吸収が優先される」という能力が付与されている。しかも大幅に強化されて。

 大勢の人族の祈りを捧げて得た力らしく、その効果は、勇者の剣を所持している者がマナの吸収の優先度において頂点に立つというもの。


 勇者の剣を持つ者がマナを吸収している間は、魔族によるマナの吸収の優先権が全くもって皆無となり、魔集力の一時的な低下程度では済まず、魔法自体一切使えなくなるという。つまり魔族は手も足も出なくなるわけだ。

 ちなみに俺はこの世界の人間じゃないためか、マナの吸収の優先度は魔族と人族の間だそうだ。魔族ほどではないがあまり魔集力に頼らない方がいいと王から言われた。まあ、俺はマナを魔力で代用できるためどちらの魔法も問題なく扱えるだろう。


 また勇者の剣にはそれ以外にも能力らしきものがある。例えば刀身が特殊な金属を圧縮して作成されているらしく、普通体型の大人の男七十五人分の重量があるのだという。

 鞘に納められている間は並の剣の重さと同等になり、また、勇者が握っている間は本来の重量そのままで感覚だけが軽くなる。要するに勇者は超重量のものを当たり前のように振り回すわけだ。

 そのほかにも所有者から離れていても呼べば手元に戻ってくるなんて機能も付いているらしい。利口である。


 なお、勇者と魔人が決闘し、決着をつける場合、基本的にこの勇者の剣を奪って折ることで魔人の勝利となるルールのようだ。そのため勇者の剣は毎回作り直されているのだという。……略奪しに来た者を殺さぬというわけだな。やはり魔族らは優しすぎる。



「まあ、俺にもすでに専用の剣があるがな」

「そうだね、それもかなりの特別製だよ。お宝扱いされるほどのね!」



 俺が勇者と戦うための剣は先週出来上がった。頼んでいた通りの、剣と柄が最初から繋がっている一本削りもの。

 この剣の素材に使用されたのはあの超巨大魔獣ツノシシのツノだ。さらに王が己の修復魔法を一日中付与し続け、刃こぼれしてもしばらくしたら元どおりになる能力が定着したかなりの一品である。



「あっ、もう七時だ」



 ヨームはふと、時計を見てそう言った。



「そうか、もうそんな時間か。夕飯がそろそろできるな」

「夕飯を食べたら、まだやることある?」

「いや、作戦立ても総合的な実力を見るための見極めももう昨日までに済んでいる。あとは体を休めるだけだ」

「じゃか、今日は一緒に食べるのやめておこうか」



 いつからだったか、ヨームとは昼食だけでなく夕飯まで一緒にするようになった。彼女は毎日本を読む。俺も合間を縫って本を読む。本の虫同士、会話が弾むのが楽しいらしい。実を言うと俺も……。

 だが明日は特別な日だ、やめておいた方がいいと思ったのだろう。俺としては、こういう時こそいつも通りでいてもらいたいものだ。



「いや、いつも通りの方がいい。一緒に食べよう」

「……うんっ!」



 ヨームはとても眩しい笑顔で笑った。あたりが暗くなっている中、目の色が金色だったり、結ってある黒髪のうちひと束だけが金色だったりするため眩しいと感じるのだろうか。

 いや、きっと、俺も彼女と話をするのが楽しみで、心の中が明るいからだろうな。普通に魔王としてやっていたらこの時期ではまだ味わえなかった感覚だろう。友人とは素晴らしい。



◆◆◆



「ここが俺と勇者が戦う場所か」



 目の前には趣味が古い巨大な円形闘技場がそびえ立っている。ここは人族の領土と魔族の領土の境目。この闘技場はそのど真ん中にあるのだ。大勢の観客が見守る中、魔人とこの世界の勇者はここで一対一で戦う。

 ちなみに俺は観客側に居る者を攻撃できないし、相手も攻撃することができない。一対一で戦うことを含め大昔に作られた誓約書でそう決まっているそうだ。


 他にも、その誓約書によって勇者以外が魔族を襲ってはいけない、魔族は人族を襲ってはいけない等、定められている内容は少なくない。

 なお誓約書の内容は破ることができない。破ろうとしても不思議と体が動かなくなるのだという。話を聞いている限りでは魔族がだいぶ不利な内容だったが……。


 また、この境目にはその誓約書の力によって見えない壁が貼られており、魔族も人族も基本的に行き来することはできないようになっているらしい。誓約書、良くも悪くも束の間の平和にはだいぶ貢献しているようだ。



「そうだよ。一応この建物、誓約書が出来てから建てられたものだから、数千年前の代物だよ」

「修復魔法や時止め魔法で管理しているといった感じか」

「うん。でも数百年に一度、この日のためにしか使われないんだけどね」



 闘技場の管理全般、魔族が請け負っているようだ。やはり種族同士が絡むと魔族は不利な扱いを受けるな。ああ、勝ち負けに関してもそうだ。

 魔人は基本、勇者の剣を折るか殺せば勝ちだ。しかしもし仮に弾みで勇者を殺したら多額の金を賠償金として魔族が払わなければならなくなる。対して勇者は魔人を殺すか魔族が降参すれば純粋に勝ちなのだ。


 そして魔族が勝てば、勇者を一年ほど魔族側の地下牢に閉じ込めても良いとした上で人族は次の勇者が現れるまで何もしないと約束する。人族が勝てば魔族に次世代まで抵抗させないのはもちろん、勇者を魔族の領土で暴れさせるか金や物資を寄越すかを選ばさせられるのだ。

 この話を聞いてから、内心、なんとしてでも勝たねばなるまいと改めて誓った。俺のせいでヨームという友が苦しむ姿は見たくない。

 


「……ネームレス様、そろそろ闘技場内の待機室まで行きましょうぞ。準備は早いに越したことはありませんのじゃ」



 王がそう言った。たしかにもうそろそろ内部に入ってもいい頃かもしれんな。よし、行くとしよう。

 


「そうだな。では俺は行くぞ、皆よ!」

「頑張るんだぞ、ネームレスサマよぅ!」

「この一ヶ月の成果を全力でぶつけてくるのでありますぞ!」

「頑張って下さいね!」

「全力でワタシ達、応援しますから……!」

「うむ」



 闘技場手前から対戦者と王族しか入れないようになっている。今まで世話になってきた者たちに見送られながら、俺とヨームと王の三人でそこに踏み入った。観客席へは別の入り口があるようだ。


 待機室に向かって歩いている途中で、二人の男が待ち伏せしていたかのように姿を現す。一人は恰幅の良い体型で王冠を被り胡散臭い雰囲気を漂わせた男。もう一人は片目に眼帯をつけ煌びやか装飾の剣を腰に下げている男。この場に居るということは……俺達の敵ということだ。どちらが勇者かは一目瞭然。

 人族の王らしき人物はニヤニヤとしたなんとも言えない嫌味な表情で声をかけてくる。



「ふひひ、どうもどうもドーハ王!」

「久方ぶりでございますな……トゥサーク王」

「次の世代の王は元気? あっ、死んじゃってたか!」

「特になにもできずに死んでしまった下等な者達のことなど、どうでも良いでしょう、王様」

「それもそうだな!」

「……っ」

「……互いに代表の健闘を祈りましょうぞ。では、ワシらはこれで」

「死体みたいな体の色をした魔人に頼るなんて、王家のほとんどが亡くなっているだけはあるな! いくぞ、イフォー」

「ええ、そうしましょう」



 彼らは嫌味を言うだけいって、大笑いしながら去っていく。その後すぐに俺らは待機室へと入った。ヨームが酷く悲しそうな顔をしている。……魔族の王家の現状はあの愚か者が言った通りらしい。俺は、二週間前にヨーム本人から聞いた。

 ドーハ家は、今、エッツラ王とヨームしかいない。ヨームにとっての父と母と祖母は既に亡くなっている。祖母は病死、母はヨームを産んでまもなく出産と病気が重なったことによる衰弱死、父はヨームが産まれる前に行方不明となり……ヨームが一歳頃の時に遺体が見つかったと言う。


 彼女の母は元から治療が難しい病にかかっており、あと数年しか生きられない体であったがドーハ家は必ず残さなければならないため出産を強行した。父はその病を治せる唯一の薬を探しに出かけていたのだという。


 このことをヨームは苦しそうに話してきたのだ。大粒の涙を流しながら、話してきたのだ。命運を預ける魔人にして、自分の友達だから知っておいてほしいとそう言って。俺は魔王であるが故に人の悲痛さを共感しにくい。しかし、友人が苦しんでいるか否か程度は判別できる。故に、俺は友人を一言で傷つけたあの者達に加減するつもりはない。

 なお、父方の祖父と祖母は存命らしいがドーハ家ではない。祖父二人と祖母がずっとヨームにとっての心の支えだったようだ。



「……ヨーム」

「……うん」

「俺は必ず勝ってくる」

「うん」



 俺はヨームの頭の上に手を置いた。……撫でているつもりなのだろうか。気がついたらそうしていた。ヨームが頭の上に手を置きやすい身長をしているからかもしれない。それとも、俺がモトの記憶に基づき、傷ついた少女にはこうした方が良いと反射的に考えたか? まあどちらでも良いが、俺はゆっくりと置いたその手を、再びゆっくりとおろした。



「……ネームレスくん?」

「気にするな。なんかこうした方がいいと思っただけだ」

「えっと、あ、ありがとう?」

「……ところで王よ、あとどのくらいで始まる?」

「あと二十分ほどですじゃ。……最後の準備を今のうちに」

「ああ」



 俺はこの戦いで使うものを再び確認する。全てきちんと持ってきている。さて、この世界の勇者に目にものを見せてやろうではないか。

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