霞
@omarry
第1話あなたのことを 想い続けていれば いつか 通じ合える日が来る?
妖艶な炎の中に
鼓の音が響く。
空気が止まったような瞬間。
板の間を軋む音だけが響き、
面をつけた武士が舞う。
息を呑むほど美しく、艶やかに。
薪の燃えるにおいですら、香を焚いたかのような香りを放つ。
武士は振り返ると同時に、柔らかく、面を外した。
息を呑むどころか、止まる思いがして、
見入っていた武士たちからも、低いため息がもれた。
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