エイレイテュイアの恋人
真鶴コウ
エイレイテュイアの恋人
プロローグ
私の身体は人間のくせに、卵を産む。
そんな目に見えないものを信じろと教えられた。幽霊も宇宙人も信じろと言われた方がまだマシだった。
私の身体は、卵を丁寧にコロコロと転がして、知らないうちに用意していた豪華でふかふかなベッドの上にそっと、置く。
卵は、自身を貫く無数の矢が降り注ぐとも知らず、王子様のキスを待つ眠り姫のように、じっと、それらを待ち焦がれるのだと言う。
なんてバカ。貫かれる痛みを知らないの?
私ら女は、へんてこで爬虫類みたいな仕組みを下半身に隠し持っており、だけど人間はそれのおかげでもりもりと繁殖してきたのだった。
私は、子供を産む。
みんなの、子供を産む。
それを、仕事にする。
これは、自分がエイレイテュイアになると決めるまでの、私の初恋のお話だ。
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