けもニート

ドライさん(元黒兎のコクト)

第1話 働きたい

 厨房の俺からすれば、働いてるヤツが一番羨ましかった、親なんて物に囚われないで自分で稼ぎ、何に使うかも自由。


だから中卒で働こうとした、結果はどこも不採用、当然である、中卒で働ける所も限られてる。

ここから結局親に頼った、別に稼ぎが良い訳でもない、親父なんて居ない、別れた、母親もケガで働けないそうだ。何で収入を得てる?生保。

普通なら高校の金も援助してくれるんだから高校に行くだろう、ウチは別、親がパチンカスだから。

今日も午後5時ごろかな、、起きたのは、親はパチンコで家を出てる。生保だから行っちゃ行けないって?そんなの関係ない、バレなきゃ平気、勝てばいいだろ、そんなこと言い聞かされてる。

アニメなんて見る柄じゃないが、最近面白いアニメがある、動物をかわゆい女の子にしたアニメだ、社会現象も巻き起こしたらしい(笑)。

「なんでだろう、」

これを観ると、指の先がキュッと痛くなる。

それと同時に嬉しい?楽しい?よくわからない感情も沸く。

母が帰ってきた、この足音は、、、負けたな、毎回よくわからない確変だの連チャンだの謎の用語を聞かされる。

「負けた負けた」

母がため息混じりで嘆く。

「どうだった?」

別に興味なんてない、ただ、話し相手にならないと当たられるからだ。

「ふらっときたジジィがアタシの座ってた台出しやがって、うわっなんて言いだすからぶっ殺してやろうかと思ったよ」

母はいつもそうだ、誰かの悪口を言う。

「いくら負けたの?」

恐る恐る聞く。

「七万」

母は平気で言う、七万、生保は基本ギリギリで生きて行ける最低ラインの金額を渡す、家賃は払ってくれるが、食費、水道光熱費は自己管理。

「今日はもう寝る」

俺はテキトーに聞き流して寝床に就く

「みんな死んじゃえばいいのに」

これは俺の口癖、困るとすぐ人に当たる、親と一緒。

働けたなら、今頃なにしてんだろ。

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