第32話 坊主と子鬼
1563年1月 姫路
黒田隆鳳
さて、前線ではないが、戦時中なので挨拶は省かせてもらおう。
東からは三好長慶が直々に軍を率いてくるという報せが届いている。規模はおそらく2~3万程度。もしくはもっと減るかもしれない。
本来ならば、三好が総力を上げれば6~7万の動員が可能と推定している。ただ、三好は将軍家に疎ましく思われている事もあり、敵が多い。他方の防衛を考えると俺たちに総力をつぎ込む事は無いだろう。
それに、先の先遣隊の敗戦と、官兵衛の工作が利いたのかもしれない。また、阿波から増援は淡路近隣までの海域はぶきっつぁんらが暴れまわっていることにより、一度畿内に迂回してから合流という形になり、若干の足止めになっている。
三好家は当主の三好長慶が畿内に居る事から、畿内の勢力と思われがちだが、地盤は四国にあるのだ。海上封鎖は有効である。
対して、播州に俺が置いている兵は約2万弱。内、西への警戒等の諸事情により、今回動かせるのは別所らの東側諸侯と、山名に預けた援軍合わせて7千程。敵の数を減らしたと言っても、不利には変わりようがない。
それも率いてくるのが「日本の副王」と言われる三好長慶。
よく過小評価される人物だが、かの松永弾正を飼いならし、中央の政争を勝ち抜く事は並では到底できない。将軍家に絡む複雑怪奇な政権事情の中のし上がってきた辺り、政治センスは抜群だ。少なくとも「幕府を牛耳る細川京兆家を牛耳る」、という二重傀儡政権を維持してきた辺り、信じられない程の化物だ。二重傀儡政権とか俺なら3秒で放棄して手っ取り早く攻めに行くわ……。
武力で駆けあがってきたのが俺ならば、深謀遠慮を駆使し駆けあがってきたのが三好長慶である。個人的は戦国時代の司馬懿だと思っている。もちろん武将としての実績もある。猛将タイプではなく、知略で勝負する将なので、俺と官兵衛が揃っていたとしても、主力を因幡、但馬へと分散した今の俺達では危ういだろう。
度重なる足止めの甲斐もあり、時間はまだある。
だが、三好が仕掛ける将軍位すげ替えも進行の手を止めていない。おそらく、松永弾正が三好長慶を口説き落とし、将軍すげ替えと共に、こちらの手の内にある足利義輝を殺してしまおうという方針に切り替えたのだろう。そう考えると時間があるというのも、ある意味では不利なのだ。
三好家のナンバー2だった三好実休、三好家の軍事を司っていた十河一存が死んだあと、三好長慶はみるみる活力を搾らせてしまっていたはずだが、俺という突如として現れた外敵がそれを許さなかったと見える。
統括して考えると、現時点での正面衝突は非常に不利。
ただ、弱腰で対応するのも論外。
「……来たか」
目を閉じ、沈思する事数分。微かに響いてきた足音を拾い、目を開くとちょうど評議場の襖が開かれた。
「お連れしました」
開かれた襖から、先導するように姿を現したのは先の播磨守護にして、当家の外交役、赤松次郎。
その後ろから近隣の英賀城より、三木掃部助。そして―――やや背の低い若い僧と、背の高いマッチョな僧形の男が二人。共に着飾った感じではなく、旅の僧と言った感じだ。彼らは、左右に並んで座る、官兵衛、おやっさん、藤兵衛ら首脳陣や、「後学の為に」と同席を許した剣豪将軍と藤孝閣下らの前を通り、俺の目の前へと座った。
「えらい若いな……」
「その言葉、そっくりそのまま返してやるよ」
「せやな。若造なんはお互い様や」
意外な事に先頭に座ったのは若い方の僧。おそらく俺と同年代か、少し上ぐらいだろうか?どこか人懐っこい笑顔を見せてから、軽く頭を下げた。
「えらい時にすんまへんな。浄土真宗11世宗主 顕如光佐や」
「黒田左近衛少将隆鳳だ。こちらこそ、わざわざ遠方より来てもらった挙句、巻き込んですまない」
「ええねん。こっちの都合で来たんやから」
……来たよ、一向宗(浄土真宗)のボスが。しかし若い。ゲームなんかだとグラフィックが厳ついおっさんだったんだが、本当に気安いアンちゃんって感じだ。現代ならば原チャで街とか走っていそうな感じだ。更に言うなら、バンダナ風に手ぬぐい被って、たこ焼き屋とかでバイトしてそう。愛嬌が良く、宗教家というよりは商売人に見える。
「それに今回の件で時間が出来たおかげで、結構収穫もあったさかい。姫路はいろいろ参考になるわ」
「そうかい」
「……っと、えらい時やさかい、気も立ってるやろうに。こんな砕けた話し方してすんまへんな」
「かまわねぇよ。俺も綺麗な言葉での腹の探り合いは嫌いだ」
「ホンマに?流石、噂通りの方や」
「早速だが、書状は読ませてもらった」
俺が本題を切り出し、背後に控えていた小六から以前掃部殿を通じてもらった書状を差し出されると、顕如が少し息を呑んだ。
「……ホンマに噂通りやな。ま、話が早い事はありがたいこっちゃで。まあ、その書状にも書かせてもろたんやけど、ウチらは黒田はんと仲良くしたいんや」
「読んだときにも思ったんだけど、『仲良く』の内容によるよな?それ」
本当にこの坊主「仲良くしたいんや」と書状に書いていやがったからな。
趣旨はわかるがざっくばらん過ぎるわ。小学生の手紙かよ。
けど、まあ、まるで狙いすましたかのように、このタイミングでねじ込んでくれた辺り、一筋縄ではいかないなとは思う。三好と戦う上で、三好の脇腹を付ける位置にいる本願寺という勢力の価値は決して安くない。
ここで本願寺と手を組んだ場合、流石に三好でもこの事態は看過できない。これが、今回の三好の侵攻に対しての対抗策だ。正直、気は乗らないが、実際に身を削られるぐらいならば、苦手な外交でもなんでも利用しよう。
問題はどういった条件で組むことになるのか、だが、しっかりと高値で売れるタイミングで顕如本人が乗り込んで来た辺り、ふっ掛けられて御破談という事も視野に入れなければならない。
それに、今ここで手を組んだとしても、後々にどういう関係になっていくか、という事を考えなければならない。
俺の宗教観は限り無く現代に即したものだと思っている。すなわち、信仰の自由と政教分離の原則だ。
他人の領域を侵害しなければどんな宗教を信じたとしても構わない。だが、宗教が政治に口を出す政治体制にはしたくないのだ。だが、この戦国時代においてその道のりは険しい。戦乱が長引き、やや風向きが変わって来てはいるが、寺社が自らの領地(寺領、荘園)を持ち、原則として施政者は口出しできないのが現状だ。
大名と違い、宗教勢力と手を組む場合、考えなければいけない事がある。
最善は本願寺が統治権を捨ててこちらに降る事。
最悪は本願寺が統治権を持ったままこちらに降る事。
現実的には、とりあえずの協力関係へと持っていく事。
さて、どうでる――。
「有体に言うたら、いずれウチらもここんち子にしてくれへんか?って事や」
「……それは『民』としてか?それとも間借りしたいのか?」
「民として、やな。ウチらには君主が必要なんよ」
今度は左右に座る官兵衛たちが息を呑む気配がした。おやっさんが唐突にむせ返る。俺も顕如の言葉の意味が分かって息を呑んだ。
つまり、なんだ、それは。
あの一向宗が――あの本願寺が俺達に降る?どんな守護も、どんな大名も――あの信長でさえ、10年以上戦い続けたというのに?徳川家康が本願寺を分裂させてようやく大人しくなったのに?
ここまで望み通りだと、頭が追いつかないというか、裏があるんじゃないかと疑いたくなる程だ。
「流石に今すぐ北陸の連中を――とはいかんやろけど、石山の連中ならかまへんやろ?摂津、治めてやー」
「かまへんというか、かめへんというか……お前の兵、お前の民だろ?」
「ウチらは面倒を看とるだけやで。んー……まずそこからやな。少し話をしてもかまへんか?」
「……ああ。せめて納得させてくれ」
「ウチらの教義は知っとるか?」
「……他力本願、称名念仏、現生不退、そして悪人正機だったか」
「よお知ってる。門徒なん?」
「違うな」
敵だから、考え方が合わないから――そんな理由で目を瞑り、耳をふさぐのは簡単だ。敵だから、考え方が合わないから、相手の事を調べる。見たくないモノを見たくないと言って、対策がとれるわけが無い。そして知っていれば今回のように戦以外の落とし所も見えてくるのだ。浄土真宗――一向宗は俺たちの旗上げ以前から、目と鼻の先に一大拠点を持っている事から調べるのは当然で、そして調べるのも楽だった。
そして、何故、本願寺らが戦国時代を席巻したのか、というのもよくわかっている。
一向宗はこの時代のその他仏教勢力とはその信仰に対してのハードルが著しく低く、とにかく人から信仰されやすい、という性質を持っているのだ。その他の宗派は非常に厳しい戒律と修行と篤い信仰心の果てに悟りを得ると説く。一向宗にはそれが無い。
・本人の修行で悟りを得るのではなく、阿弥陀如来の
・とにかく「南無阿弥陀仏」と念仏唱えればいいよー(称名念仏)。
・阿弥陀如来を信じる心を受け入れたら、仏のように悟れるよー(現生不退:正式には現生正定聚)
・徳のある人は仏が救わんでも勝手に救われるから、仏は生活の為に、殺し、産み、日々を送る「悪人」達の為に願っているんやー(悪人正機)
調べてみて、成程。民衆が集う訳だと感心したものだ。ややこしい宗教要素を省いて「特定の身分でなくてもいいから、とにかく信じておけ」という教えがあったら民衆はありがたいと思うだろう。本願寺と殺し合いに発展するほど対立しているが、本願寺と同じくこの時代に強い勢力を持つ日蓮宗との重大な共通点でもある。
そして、ローマ時代以降のヨーロッパを席巻したキリスト教とも似ている。
「まあ、知っとるなら話は早いわ。ウチらの門徒はほとんどが民や。それもどうしようもないくらいに弱い民たちや。ウチらは別に修行せんでも誰でも救う――せやから、この戦乱で土地を追われた奴、食い詰めた奴、そんな奴らが縋ってきよる。勿論、ウチらもそれを見捨てる訳にはいかん。せやから、どんどん人が増える。そういう連中をウチは何年も導いてきた」
「ああ」
「せやけど、それは結局まともな生活やないねん。まともな生活があって、初めて本当の救いになるはずなんや。せやけど、それが出来んから鬱屈して鬱屈して……結局居場所を求めて暴れる。弱くても集まれば力になる。ロクでもない上の連中に抗おうとする。するとどうなるかわかるか?」
「一揆衆の制御が利かなくなる」
ようやく頭の回転を高め始めた官兵衛が横から答えると、顕如は一度官兵衛に向かって大きく頷いた。
「そこの兄さんの言うとおり。まー、集まって抗おうっちゅー事は、余計目立つわな。すると結果としてまた目を付けられる。そしてまた抗う。んでまた目を付けられる――別に虐げられて黙ってろ、っちゅー事は言わんで?せやけど、そればっかじゃアカンとウチらは思うねん。どっかで……どっかで落とし所が必要なんや」
つまり、一向一揆は本願寺の主導もあったんだろうけど、見境なく大暴れするのは本意ではない、という事か。まあ、確かに制御は出来ないだろうな、とは思う。
民衆の制御を取り戻す、あるいは民衆を制御できるようにするには一向宗としての教義以外での枠組みがどうしても必要になってくる。それが顕如の言う「落とし所」なのだろう。そして考えた末に俺の所に降るという事か。確かに俺は良民であれば、一向衆だろうと構わないというスタンスをとる。
宗教として譲れない部分を残し、そして迫害されないであろう施政者の下へと集う。俺には前世の記憶、知識があるから同じ立場であれば同じ選択を取るだろうが、単独でそれを思いつく辺り、この坊主はただ者じゃない。
生臭かもしれないが極めて真っ当な宗教家だ。
「けど、言う事をきかない連中がいる、と」
「せや。それが悩みなんや……それに、やっぱ、ウチらの教えを自分の欲望の肯定にする奴がおんねん。するとな?内部でもロクでもない事が起こるんや。一揆の中で一揆が起きるっちゅード阿呆な事態とかな。北陸なんぞ凄まじいで。ただの反乱を纏めるだけにウチらを利用しとる奴とかぎょーさんおる」
それはまたシュールな事態だな。だが、ありえないと言い切れないのが、この戦国時代なんだが。
崇高だったはずの教義も、使う人によっては凄まじく生臭い。それはどの宗教にも言える事だが、真面目にその大元を押さえている人間からすると、厄介以上の何物でもない、という事か。
特に一向宗などは、その気安さ故に利用しやすい。キリスト教もそうだが、利用しやすいからこそ信者の人口が増えるし、利用しようとする奴が多いのだろう。ここまでは、馬鹿な俺でもわかる。
「この問題はウチじゃ解決できひん。ここが坊主による自治の限界やと思う……」
「成程、話は分かった。だが、なんで俺たちに?たとえば、甲斐の武田とか縁戚だろう?」
「甲斐は遠いわ。それにあそこは未だに国人衆が強い。ちゅー事は今までとあんま変わらん。利用されるが関の山やろな」
「なら、織田とかは?伊勢長島の近くだろう?」
「ああ、今川冶部を討った……あそこは先鋭過ぎて怖い。何考えてるかよぉわからん」
まだあまり台頭してきていないにもかかわらず、評価が怖いってどういう事よ?
それに先鋭という点においてはウチも負けていない気がするぜ。ただ、何を考えているかがわからないのではなく、何が起きるのかがわからないだけだ。
「将軍家はどうだ?」
「冗談。せやったら、まだ甲斐に行った方がマシや」
「確かに」
「放せ!兵部!」
「返り討ちになるだけですから、大人しくしてください」
「……なんでここに公方さんおるん?ふっつーに言うてしもた」
「気にするな」
というか、今気が付いたのか。
「なんや……まあ、本願寺、というだけで構える奴もぎょーさんおるさかい。まあウチらの行き届きが出来とらんかったツケなんやろけど、難しい」
とはいえ、顕如は若い。ほぼ俺と同じぐらいの年で、長年のツケの清算を引き継がなければならない辺りは同情する。
特に顕如の親父(も当時は凄く若かったみたいだから、その後見人)が坊主なのに武家同士の争いに顔を突っ込んで京で戦争やったもんだから……。
……まあ、その争いのそもそもの元凶は俺の母方の叔父なんですけどね!!
「どこ行っても、ウチらは白い目で見られる。せやけど、姫路は別や。黒田はんが台頭してから、ここでは一揆すら起きとらん。せやけど、門徒の数が減ったんともちゃう。みんな何がしかの職にありついて、『日常の中での信仰』が出来とるんや。勿論、こまい不満なんかはあるんやろうけど、ウチはこの光景に信仰の未来があると思った」
「……そうかい」
「三木はんから聞いた、流民の采配とかホレボレすんで。畿内からも結構流れとるはずや」
「確かに畿内から流れてきた奴が多いな」
「せやろ。結構な人数流したからな」
「「「お前の所為か!?」」」
衝撃の告白に、俺、おやっさん、藤兵衛の叫び声が一斉にかぶった。
そうだよな。誰かが意図的に流さないと姫路の人口が激増するなんて現象ありえねぇよな……一応気になっていたので、間者がいないか五右衛門に洗ってもらっていたのだが、まさかそういう理由か。
このテの工作と相性が最悪の民主主義だったら即死だった……。
な?政教分離は必須だろ?
「仕掛け人っちゅーほど積極的やないが、まあ……試させてもろた。流民をどう采配するかで、ウチらが加われるのかどうかっちゅー事を」
「それで、満を持して挨拶しに来たって事か」
コクリと顕如は頷いて、終始笑顔だった表情を一転して引き締めた。目が細くなるだけでにじみ出る人の良さそうな印象が消える。
「せやから、今回も黒田はんが声かけてくれたら喜んで手を貸すで。ウチの下間頼廉率いる『本願寺』の精兵や」
「まいったな……」
単なる同盟ならば顕如の申し出に即座に乗る気でいた。けど、話がこうも予想以上の段階まで踏み込んでしまえば別だ。
顕如は喜んで手を貸すという。交換条件を出している訳でも無い。信じられないほどの好機だ。降る理由も聞いたから、今回恩を着せて内部から喰おうという目論みでも無いと思う。
だが、参戦というなら話は別だ。
ただ単に手を組んだのならば、参戦を望んだだろう。
だが、手を組んだというより、「苦しいから助けてくれ」とこちらに縋ってきた相手に参戦は望みたくない。
俺たちが苦しいからと言って、俺を頼りにやってきた奴らの手を借りようと思うだろうか?
それは頼られるとは言わないと思うし、たとえ顕如の申し出が善意からだとしても、「自分たちはいいように利用されている」と顕如に受け取られてしまったら、この話はその時点で終わりだ。
ここは意地でも利用はしてはならない。
「何を悩む?黒田左少将。予は願ってもいない程の好条件だと思うが」
「色々あんだよ、人を率いるっていう事にはな」
将軍の疑問に答えつつ、ちらりと官兵衛に視線を向けると、俺の視線に気が付いた奴は一度苦笑いした後首を横に振った。ただ軍事を行うだけの人間では出来ない判断だと思う。それでも官兵衛は首を横に振った。
「どうやろか?」
「気持ちはありがたいが大丈夫だ。年内に摂津を取りに行けるか怪しい所だからな。俺達が向かうその時まで自衛に努めてくれ」
「さよか……おおきに」
俺が断った瞬間、顕如は一瞬だが確かに笑って頷いた。
この坊主……最後の最後に俺の器を試しやがったな。俺の器なんて無いよ。あったら余計な社会の仕組みなど作らずに俺の器量のみで纏め上げてらぁな。
「と、いう事になりそうだ。官兵衛」
「まあ及第点だな――何とか作戦と方針を修正しよう」
「修正っつーより、本願寺との交渉が決裂した場合と想定していた案とほぼ同じ流れでいい」
「成程……その方が負担は大きいが、無理ではないな。了解だ」
いつもの事だが、どのような事態になってもいいように官兵衛とは徹底的に話し合っている。酷く短いやり取りで今後の軍事方針の一部が変更された。
あとは、
「おやっさん。藤兵衛」
「……今の内に寝溜めさせてもらっていいか?」
「できれば私も……」
「はははっ、別に構わねぇぜ……苦労を掛けるな」
どちらかというと軽い冗談の比率が強い言葉に大丈夫だと確信する。死にかける毎に強くなる、某戦闘民族のようなウチの連中の特性に賭けよう。
「公方。閣下」
「では、名残惜しいですが、そろそろ我らも京へ帰る頃ですかね……」
「……そうだな。余には、いい加減帰って手を付けなければならない事がある」
「いざという時の仕官先は確保できたのでどうぞ存分にやってください」
「兵部!?」
……余裕そうだな、お前ら。
さて。
「領民が増えるんじゃ、少し頑張っていかないとな。ボチボチやるか」
当初の目論見とは違った形になったが、仕方が無い。長期的に見ると、援軍などとは比べ物にならない程の成果だ。
一撃で決める。文句があるならかかって来やがれ、三好共。
◆顕如と隆鳳の関西伝統芸
顕如はーん「んじゃ、ウチは戦が終わるまで邪魔するでー」
隆鳳 「邪魔すんやったら帰ってんかー」
顕如はーん「あいよー……ってなんでや!」
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