オープンワールド

佐倉連夜

ポッカとペルカ

転生準備

第1話


「君たちに転生のチャンスを与えよう」

 真っ白な空間の中に立っていた私たちに声をかけてきたのは、小学校低学年ぐらいの黒髪の少年だった。街中で見かけただけなら単純に綺麗な子だと思えたかもしれない。

 ただしその瞳は赤く、顔立ちは日本人ではなく北欧系で、人形のように作り物っぽく整っていて、何よりも吊り上がった唇が中身の酷薄さを表していた。

 さらに、その少年は私たち全員が見れる場所――。台も何もない空中で、浮きながらその視線を集めていた。

 瞬間、頭の中でピンときた。

 あの存在は危険だと。

 ただの少年に見えるが、あれは神だとかそういう人知を超えた力を持つもので、彼はおそらく人間のことを自分の同類とはみなしていない……。はっきり言えば、あからさまに下に見ていると。

 けど、その思考の大きな原因となった酷薄な笑みはすぐに消えた。

 むしろにっこりと、誰が見ても人の良さそうな笑顔を浮かべて、戸惑っている私たちに向けて説明してくる。

「まだ理解していない者もいるかもしれないが、君たちは死んだ。君たちの世界で爆弾と名付けられたものが爆発して、体ごと蒸発した。魂を戻しても体がないため生き返ることは不可能だ」

 爆弾……だったのか? などという会話があちこちで囁かれる。

 確かに。

 ビルの窓から何かが派手に光ったのが見えていた私も、視界がオレンジだか白に染まった、と思った瞬間にはおそらく蒸発したのだ。何が何だかわからないうちに死んだ人も多かったに違いない。

「ただし、この爆弾について君たちの誰にも責任はない。君たちとは関係のない人間たちが、大量殺戮を目的とした見せしめのために起こした攻撃だ。巻き込まれた君たちについては、攻撃を指示した側にすれば、運が悪い奴らだったというだけの言葉で終わらせられる」

 ざわめきが大きくなる。

 数千人はいるだろう集団から、テロだったのか。そんなことで? 嘘だ、信じない。お母さん……などという声があちこちから上がる。

 当然だ。いきなり死んだと言われて素直に受け入れられる人はそう多くはないだろう。

 そういう私だって夢じゃないかと何度も疑っていた。何の反応もしないのは気持ちが追いついていないからだ。

 そんな混乱極まった場所でも、空中に浮いた少年の声はしっかりと何に遮られることなく届いてくる。

「繰り返し言うが、君たちは元居た場所に生き返ることはできない。もしそれでも地球を選ぶと言うのなら、記憶をすべて真っ白にして、新たな生命として産まれ直してもらうことになる。本来ならここにいる魂全てにその処理をすべきなのだが、何の罪もない君たちには神として、もうひとつの道を与えようかと思ってね」

 ――神。

 神って言った。

 やっぱり神とかそういう存在だったのか、あの少年。

「そこで最初に言った提案だ。君たちには産まれ直すことの他に、記憶を保ったままの転生を選ぶことができる。ただしこの場合、地球ではない別の星に産まれ直してもらうことになる。この星は既に決定済みで、変更することはできない。地球とよく似ている星とはいえ、自然にあまり触れずに育った君たちには生きていくのに厳しい環境だろうから、いくらかの能力を個別に与えよう」

 さっきまでとは別のざわめきに満ちる。主に若い子たちからだ。そういえば中高一貫の学校がうちの会社の近くにあったっけ。

「なるべく要求を叶えたいと思っているが、あまりに人間の身の丈を超えた願いは叶えられないし、こちらがどれだけの願いを叶えられるかも君たちはわかってないだろうから、そうだね――」

 少年神の赤い瞳が私たちを見回す。

「100ポイント」

 すっと、少年神が目の前に手を差し出す。すると、パソコン上のウインドウのようなものが、それぞれの目の前にブオンと現れた。もちろん私の前にも。

「一人100ポイントまでなら、望む願いを叶えよう。何がどれだけポイントを使うかは、この要求フォームで色々と確かめてみるといい。最終決定を僕に提出するまで何度でも書き直しが可能だ。君たちが頭の中で浮かべている漫画とやらの技や能力なども、可能なものは数多くある。色々試してみるといい」

 その言葉に、うおおおお、とどよめきが上がる。主に制服を着た少年たちからだ。そわそわしている少女も数多くいる。

 チートだチート。やべえ、すげえ。どんな能力にしようと興奮して盛り上がっている。一気に騒がしくなった。

「ポイントは転生後には意味がなくなるから使い切ることをお勧めするよ。あと、自由欄を除いた空白の部分はランダムに決まるので注意してくれたまえ」

 少年神はそう言うと、にこにこしながらふわりとその場から空中を滑るように移動したかと思うと、突如として現れた――絶対にさっきまでそんなものはなかった――真っ白い神殿のような建物の中に扉を開けて入っていく。

「決まったらこの中に入ってくるといい。ああ、一人ずつしか入れないから順番に並んでくれ」

 ぱたん、と扉が閉まる音がする。

 それを合図にしたように、それぞれが一斉に目の前の要求フォームとやらへと取りかかった。




「うーーん…………」

 かりかりと、目の前の要求フォームに指先で書いては消してを繰り返す。

 指先に何も当たるものはないのだが、空中に文字を書いていくとウインドウに文字が書き込まれていくのは、さすがは神が関わっているだけある。少し未来のSFの光景のようだ。

 ちなみに指で文字を押してさーっと書かれた文字に指を滑らせていくと、文字が消える。掌で全体を撫でると全てが消える。この辺りは直感で操作できた。

 そんな感じで試していると、ようやく仕組みがわかってきた。

 まず、要求フォームは六つの欄に分かれている。

『現在の記憶』『性別』『種族』『家庭環境』『容姿』。そして、『自由欄』。

 このうち『自由欄』が最も重要なのは言うまでもないが、とりあえず最初から見ていこうか。

 まず、『現在の記憶』。

 これに【記憶にあるだけ全て持ち越し】と書くと、ウインドウの最上部に表示された100の文字が99へと減る。

 つまり、転生しても今の記憶を残すには1ポイント必要だというわけだ。

 これに最初からゼロポイントでつけるべきだろうと不満に思うか、1ポイントだからまあいいかと思うかは人によるだろう。

 私は必要経費は仕方ないと思う派なので、特に何を思うこともなく先に進むことにする。

『性別』。

 これはもちろん、今のままがいい。つまり【女性】だ。

 男性の体は強そうだけど、意識の違いで悩むことになりそうだしね。

 書き込むとポイントは98へと減った。

 二分の一とはいえ、ここでランダムに任せるのは怖いから仕方ないね。

『種族』

 ここは少しだけ悩んだ。

 なにせ、新たに産まれ直す星とやらがどういう場所か、あの少年神は全く説明しなかったからだ。

 地球とよく似ているとは言っていたが、何が似ているのかすらわからない。そもそも人間はいるのだろうか? そして彼らが言う「人間」とは、私たちが想像する人間と同じものなのか?

 哲学の中に迷い込みそうだったため、ここはもうあの少年神の判断に任せることにした。

 つまり、【私が想像する人間という生物に最も近い種族。人型をしていて、数が多ければなお良し】。

 こうやって条件を足していけば人間と違いすぎる種族にはならないだろうと思ったのだが、予想に反してこれも使ったポイントは1ポイントだけだった。

 …………ひょっとすると、向こうにも人間はしっかり存在するんじゃなかろうか。だとするとこれだけ警戒してる私は、ちょっとお間抜け……?

 まあ、だとしてもそれはそれで。このままでも人間に転生できそうなので、書いた文字は直さないでおくことにする。

 でもって次だ。

『家庭環境』。

 これは…………あまり望むようなことが浮かばないな。

 いやまあそりゃあ、ある程度の裕福さがあるに越したことはないけど。

 とりあえず人間に転生したとして…………。

 うーん。

 ううーーん。

 …………そうだ。

【衣食住に困っておらず、産まれた子供をきちんと育てられる家族の子供として生まれたい。地球の先進国レベルの文明を持っていればなお良し】

 ――うん、これだな。

 なにせ転生なので、赤ん坊として新たな星に産まれ直すわけだ。そこできちんと育てられなかったら死んでしまうからね。2ポイント使ったが、必要経費ってものだろう。

 しかしこれが低ポイントで通ったってことは、新たな星は案外日本とそう変わりない星だったりするのかな?

 だとしたら嬉しいんだけどね。

『容姿』

 さて、これなんだけど…………。

 …………実は私、これまでの同級生や他の女子社員と何度も話していて、しみじみ感じたことなのだけど。彼らが求める美容への願望とか欲求とか、そういうことがまるで理解できないのだ。

 別にぽっちゃりだろうがそばかすだろうが二の腕がムキムキだろうが個性であって、他人の目なんか気にすることなんてないんじゃない?

 私は本気でそう思うのだけど、若かりし頃に同級生の中でそれを言ったらボッコボコに言葉で叩かれて、女を捨ててるとか偽善者とか嘘つきとか色々なあだ名をつけられてしまったっけ。

 それで懲りて、その後は美容関係の話題には当たり障りない笑顔を浮かべてスルーしてきたのだけど、見た目なんてどうでもいいという思いは特に変わることがなかった。

 なので、ここは何も書き込まずにいよう。

 完全ランダムでも私は困ることはないからね。

 そもそも人間に生まれるかどうかもわからないんだ。美形のゴブリンに生まれたって、嬉しくもなんともないんじゃないかな。

「ふう…………」

 ここまで書き込んで一息つく。

 残り95ポイント。

 最後の箇所は『自由欄』。

 その前に、休憩がてら周りを見回してみることにする。

 多くの人が座り込んで、ウインドウに真剣に書き込んでいた。

 …………なんか英雄王の宝物庫中身全部入りとか、種族:サイヤ人は無理だったとかの報告が聞こえてくる。

 試したのか。早いな。そしてそれは無理だとすぐにわかるだろう普通。なんでわざわざ入力したのか。

 ……まあでも、気になるものかもね。無理だとはわかっていても、どれぐらいのポイントかは。

 私も後でちょっとぐらい遊んでみるかな。

 ところで特に賑やかだったのは、他と比べるまでもなく、学生たちが多くいる場所だった。

「なあ、どんな能力にした?」

「お前は?」

「一緒に生まれるようにしない?」

「あ、それいいかも!」

「ええー! これ無理なの!?」

「どれ?」

「うっしゃあ! 俺はこれでいく!」

「死なないようにするには……」

「幸運とかどう?」

「いいかも! ……え、こんなにポイント使うの」

「ポイント足りないぃぃぃぃぃいい!!」

 …………うわあ。すごいうるさい。

 まあでも自分の欲望を全開にする機会なんてそうはないし、せっかくの転生のチャンスなのだ。そうもなるだろう。

 もちろん目をギラギラさせて書き込んでいるのは彼らだけじゃない。

 なにせここにはどう見ても千人は優に超えている人数がいる。

 しかも老若男女問わず。

 学校があったせいか、制服を着た若い子が多いけど、私と同じく社会人も相当いる。なにせ私のいる商業ビルごと吹っ飛んだらしいから。

 知り合いらしい集団が集まっているのは、私たちの死因を考えると、まあそうなるかなって感じだ。

 多分あれ、大爆発でしょ。

 同時多発テロなのか何なのか知らないけど、閃光と一緒に地震のようにビルが揺れたしね。直後に意識が消えたけど。

 あれはきっと、周辺地域がえらいことになったはずだ。

 その地域にいた人がこぞってここに来たのなら、そりゃあ昔からの知り合いだって家族だって当然いる。それらしき年齢で集まっている人たちがいるのがその証拠だろう。

 私だって、離れたところに同僚らしき見覚えのある姿があるからね。

 まああんまり関わりのない人だったから、わざわざ近づこうとは思わないんだけど。

 …………さて。

 死んだのはもうしょうがないとして、せっかく第二の人生があるっていうんなら、人生設計を真面目に考えなくちゃね。

 具体的にはポイントの振り分けを。

 これに失敗したらえらいことになるという確信がある。

 なにせ何もかもが不明な異世界だ。

 何事もなく平穏にとか言っていたら、唐突な理不尽で命を含む大事なものまで奪われかねない。

 ここは本気でいく。

 何を書いてもいい自由欄で、まずは最重要事項。

【健康で、鍛えれば鍛えるだけ限界を超えてどこまでも強くなれる体】

 異世界でも死ににくくするためには要するに、体を強くするのが一番! なんでも体が資本!!

 どこまでもという文言が心配だったが、使用ポイントは5で収まった。鍛える必要があるという点で差し引かれたのかもしれない。

 どこからか「史上最強の強さを求めたら100ポイントだった」という会話が聞こえてきたので、先に試してみたら私も同じ量のポイントが引かれた。その際ウインドウの上の数字が赤くなってマイナス5と表示され、このままでは転生できませんという注意書きもついてきた。

 それが自分の努力で鍛えたら、たったの5ポイントですむのだ。お得!

 いやまあ、自分がそこまで強くなれるかは知らないけど、そこは考えないことにする。めっちゃくちゃに鍛えることだけは決まっているんだし。

 そしてこれは、次の要望とも連動しているのだ。

【異世界史上最高の戦闘の才能を持った、戦闘と鍛錬が大好きな第二人格】

 よーしこれで…………。

 …………うおおおおおっ。ちょっ、一瞬でポイントがマイナス38とかいったんだけど……!

 慌てて異世界史上最高の部分を消し、天才レベルへと書書きかえると、赤かったポイントが白に戻り、使用ポイントは5で収まった。つまり、残り85ポイント。

 …………なんで???

 差が酷すぎるでしょう?! 何が原因…………あ! 転生者か、転生者なのか?!

 この中の誰かが才能にポイントを大量に振って、生まれてからも鍛え続ければそういうこともあるだろう。そしてそれだけ私の使用ポイントも増えるわけだ。

 なのでうん、まあ、これは私の書き方が悪かったってことで。

 第二人格については通ったので、これにさらに色々条件を加えていくことにする。どれだけ細かくても読み取ってポイントを判断してくれるのは、さすが神様謹製。

 第二人格に求めるのは、もちろん私の代わりに戦ってくれることだ。

 なので自己主張はいらない。絶対的に私の味方で、私が許可した時のみに出てくれる人格であってほしい。ただし不意打ちやら危害を加えられそうになったり私を守るためであれば出てきてよし。

 むしろ人格というか殻というか、私が操縦するロボットのようなものであれば…………。いや、それじゃあ融通がきかなくなるかな?

 それに私とは違う意見を言ってくれる利点だって捨てがたい。

 むむむ……。メリットとデメリットを考えると…………。

 ………………。

 …………。

 …………悩んだけど、せっかく第二人格なんだし、第二の自分として相談役になってほしいので、彼女……まあ、女性に生まれ直すんだから彼女だよね……にポイントを分け与えることにする。

【転生後、第二人格に20ポイント分、希望する能力を作らせることができる】

 これでどうだろうか。

 協力してもらうんだから、第二人格の望みもきちんと叶える機会を与えないとね。今は存在しないから、転生してからだけど。

 そもそも私に戦闘のことなんてわからないから、第二人格が考えたほうがよっぽどいい能力を作れるだろう。

 ということで、用意されたうちの五分の一に当たるポイントを彼女用にとっておくことにする。

 要求フォーラムに書いてみると、ぴったり20ポイントが残りポイントから減った。

 これは…………要望が通ったってことでいいのかな?

 一応、転生前にあの少年神にこれでいいかを聞いてみよう。

 ポイントを残す意味がないとは言われたけど、転生後にポイント使用を予約するっていうのは、だいぶ変則的だと自分でも思うからね。

 ――さて。

 これで第二人格を主軸にした転生後の生存戦略はできたと思う。

 第二人格は超重要だ。

 なにせ苦しい鍛錬は彼女にやってもらう気満々だし、戦いだって丸投げするつもりだ。生き物を殺したことすらないので当然の発想だろう。

 私からすれば苦しいばかりだが、むしろそれを望む人格をポイントを使ってお願いしたし、彼女のためにポイントを使って作れる能力だって用意しておいた。

 ただ、まだ足りない。

 第二人格とは仲良くやっていく予定だが、向こうもそう思うとは限らないし、最悪反旗を翻されることだってある。もしも人格が完全ランダムならそういうことだってあるだろう。

 それを防ぐには、やはりポイントを使って反乱とかの可能性を限りなくゼロにするしかない。

 つまり――――。

【現実世界とは別に内面世界と呼べる場所を作り、片方の意識が表に出ている場合、もう片方が待機できるようにする。ちなみに内面世界にも現実世界のソファやベッドを持ち込み、居心地のいい空間にすることができる】

 これで! どうだあ!!

 ついでに鍛錬や睡眠もできるし現実世界の体にも影響を与えるとか、内面世界は今居るような真っ白い何もない空間だが鍛錬には最適だとか、第二人格に良さそうな文面もありったけ盛り込んでいく。

 もしも第二人格が表に出たいと望む性格だったとしても、むしろ表よりも居心地のいい場所を用意しておけば、向こうだって私を排除しようとは思わなくなるのではなかろうか。

 それに私が表に出ていても、存分に鍛錬できる場所にいられるなら不満も少ないに違いない。

 そういった作戦で内面世界が居心地よくなるよう書き上げていく。

 目的は共存、共栄。

 作戦名は「なかよくやろうぜ」だ!

 転生したとして、地球の転生者と会えるとは限らない。そういった時に地球が確かにあった証拠として彼女と話し合えればな、なんて思う。

 実際どうなるかはわからないにしても、願うだけなら自由のはずだ。

 …………でも一応、念のために、私と相性が良くて好意を抱きやすい性格であるよう書き加えておくことにしようっと。

 ランダムは怖いからね。

 あまり運とか良くないから、私。

 …………あ。使用ポイントがちょっと増えちゃった。

 ならどうせだし、最初から精神年齢がそれなりにあることも書き加えておこうか。

 第二人格が赤ん坊状態で誕生するとは思いにくいけど、実際にどうにかするのは少年神だし、彼に人間の常識が通用しない可能性もあるしね。

 ああ、そうだ。ついでに第二人格には適当な……。そうだな、9歳ぐらいの体を最初から持っていることにしようか。

 赤ん坊の体じゃ内面世界でも鍛錬できっこないしね。

 ほぎゃあほぎゃあと真っ白い世界で泣いてるだけじゃ、想像しただけでストレスが溜まりそうだ。私だって嫌なんだから、第二人格だって嫌だろう。

 うん。となると、内面世界で誕生した時から体は9歳で…………。意識を表に出す時は、ついでに私の体も成長しちゃうことにしようか。

 かなり無茶苦茶だけど、そもそも転生自体が神様とかにしかできない文字通りの神業なんだし、ポイントを使って体に悪影響はないよう頼んでおけば、あの少年神がきっとなんとかしてくれるだろう。

 ――その後も他の要望にもごちゃごちゃと要望を書き連ねて、ポイントを増えたり減ったりさせながら、ようやっと終わった頃には残りポイントは53になっていた。

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