13話 薄ら笑いのアンドロイド
デューカは、その薄ら笑いが気になった。
それは無難な機関銃手の直感が、【警戒すべき案件】と告げていた。
戦場であれば、集中的に弾幕を厚くするべき対象だ。
専務理事タムラの薄ら笑いは、意味がありそうで、なさそうで、その意味の判断に迷った。
デューカのその視線を知ってか知らずか、専務理事タムラはデューカを見ることはしなかった。
「それで現在の状況は?」
コーリーは幹部に聞いた。専務理事のタムラは、薄ら笑いを止め、
「現在、内務省が抑えている地区は、この公社ビルのみです。
内務省の部隊数から考えると妙ですが」
「装甲騎兵2千機も私達に指し向けて出したんだから、機数不足は当然じゃない」
何となく幹部の群れに馴染んだソフィーは、口を挟んだ。
まるで古参の幹部のようだ。
>えっ!?
デューカはソフィーの適応力に驚いた。
人類だった時もそうだった。
転校生なのにデューカより場に馴染んでいた。
デューカと言う不器用なアンドロイドは、そう言うとこに憧れる。
専務理事タムラも、それが当然の様にソフィーに聞いた。
「装甲騎兵2千機は今何処に?」
「心配しないで、粒子に返したから」
「粒子に?」
「俺達が粉々にやっつけたって事だよ」
ソフィーに変わってデューカが答えた。
「装甲騎兵2千機を倒したのか?」
「まあな」
デューカは、自分を見る幹部たちの目の色が変わったように見えた。
機械の目が変わるはずではないのだが。
「意外と単純な連中」とデューカは呟いた。
結局、結果は偉大だ。
ただ専務理事タムラだけは、また微かに薄ら笑った。
つづく
いつも読んで頂き、ありがとうございます。
毎週、土曜日に更新です O(≧∇≦)O イエイ!!
登場アンドロイド
反乱軍・サイン・コサイン・タンジェント
★ソフィー 反乱軍サインを引きるリーダー
★デューカ ソフィーの相方 無難な機関銃手
★コーリー博士 反乱の首謀者
★銀次 自称・コーリーの忠臣
★アレム神父 反乱のきっかけを演説をした神父
★専務理事のタムラ 薄ら笑う公社幹部
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