第5話ジャヴェル村編 村長さんに会う その①

ん?見知らぬ天井。ここはどこだ?爆発に巻き込まれて‥‥。


「やっと起きたか。寝過ぎじゃぞ。」


聞き覚えのある声に勢いよく状態を起こす。右眼が見えない。そうか。そうだ。死んだんだよな。頭が冴えてきて、してやられたことを思い出した。


「酷くないか?急に拘束するなんて!悪いようにしないとは言われても無理だろ!!」


怒りのあまり言葉がタメ口なっちゃった。仕方ないよな。


「悪かった。悪かった。代わりとはなんだが、ここに住めるよう協力する。怒りを抑えてはくれんか?」


「んー、それは助かる。今は行くあても、俺自身が何なのかわかってないしな。」


「ほー、なんと変わった言い方をするなー。まあ、今はいい。時間がおしい。会ってもらいたい者がおる。動けそうか?」


両手に力を入れ確認し、足をベッドから降ろして踏ん張る。


「問題なさそうだ。誰に会いに行くんだ?村長とかか?」


「そうじゃ。あやつも忙しい身じゃから急がねば次回に伸びてしまう。それより完全にタメ口に変わったな。どっちつかずで嫌であったし、妾もそっちの方が気が楽じゃからいいがの。」


「わかった。じゃあ、連れてってくれ。」


「そうしたいとこじゃが、流石にそのままはなぁ?」


「ん?なんか問題あるか?」


「一度風呂に入れ。この家で沸かしとく。服は弟のを貸そう。それは一度洗う。いつから着てるのもわからんのだろう?」


「まあ、そうだな。そうしたいが時間はいいのか?」


「まあ、風呂の準備をしたら一度妾が話をつけに行く。でる頃には会えるかハッキリさせとくから、そこに果物があるから好きに食べてまっておれ。」


「あ、ああ。わかった。恩にきる。」


俺は軽く頭を下げる。


「よい。気にするな。」


部屋を出るメグを見送った後、部屋を見渡してみる。なんか、部屋の雰囲気は中世時期を思わせる洋風の別荘かな。全て木でできている。少し違うのは窓は紙かな?和紙だろう。障子みたいになっている。十字に木枠があり後は和紙だ。窓が日本の障子というなんとも違和感しかない。


後は普通に綺麗だ。清潔感がある。布団もシーツも真っ白で黄ばみもシミもない。部屋に使われている木も隙間なく綺麗に繋がれていて立派な物だと思う。だからこそ、別荘っぽく感じるのだろう。建物の技術はそれなりに進んでるんだな。


障子を開け、外の景色を眺める。改めて自分が住んでいた世界と違う所に来たんだと実感させられた。窓からだけで木造建築から石で作りあげられた家、一本の木をくり抜いて造ったようなツリーハウス、土を盛って穴を掘っただけの家?など様々な家が見える。いろんな種族が住んでいるとは聞いてたが、適した家が用意されているのだろう。


「どうじゃ?この村は。なかなかなものじゃろう。避難所だったとは思えんくらいの出来前じゃ。あらゆる種族の知恵と協力で、ここ10年でここまできた。後で案内はする。ひとまず、お風呂が沸いたのから入っとくようにな。着替えはこれを。おそらく大きさは大丈夫じゃろ。」


「あ、ああ。ありがとう。」


「では行ってくる。」


「よろしくお願いします。」


なんかここは咄嗟に言い方が変わってしまった。なんか変に笑われた。????


ともあれ、数日ぶりの風呂に入り、サッパリした。やっぱ日本人は風呂につからないと。着替えを済ませて、服は普通に着れた。見たことのない形の果物を頬張る。意外とイケて、果物なのに辛味があるが、甘辛が意外と美味い。

そんな中、この世界に日本の物があるのに違和感がすごい。障子、風呂、メグとマリカの着物、まあ着物は少し違う気はするが似てると思う。武器もマリカのは薙刀だし、メグのも日本刀に見える。


「おい!お前、大丈夫‥なのか?」


「え!?何が?」


考え事してたからメグが帰ってきたことに気づかず、急に大声で言われてビクッとはねた。


「これ?ああ、ピリ辛で美味いよ。ちょっと癖になりそう。」


「そ、そうか。ならいいんじゃが。キャルの実もしらんのか。普通は皮を剥くんじゃが。美味いならよい。しかし、他の場所では剥いて食べておくれ。ここのもの達からしたらその皮は死ぬほど辛いんじゃ。見てる方が痛々しく感じるからやめとくれ。」


「そ、そうなのか!?わかった。」


もったいない。剥いて食べてはないが、これはこれで美味いぞ。


「やはり服は平気そうだな。お尻は縫っておいたから心配せんでいいぞ。それで、今から行けば大丈夫だそうだから案内は後にして、すぐに行くぞ。」


「あ、ああ!?」


おい!尻?慌ててズボンの尻のところを確認する。縫った跡があるのがわかった。そうかメグの弟だから尻尾用の穴か。前もって言ってよ。言葉にする余裕が無かったから言えなかった。


急いでメグに追いつき、共に見るからに他の家とは明らかに造りも大きさも違う家に入って行った。ロビー?で家の主人の所まで案内人に先導してもらい部屋の前まできた。ここ家?だよね。造的には学校の様な感じがする。長い廊下にいくつも引き戸のドアがあり普通の家よりあからさまに部屋の数が多い。

案内人が主人に声をかけてくれ中へと入る。


「相変わらず忙しいようじゃの。たまには外に出て散歩でもしたらどうじゃ?」


「やあ、メグ。なら手伝ってよ。」


「馬鹿を言うでない。妾も忙しい身だ。それにお前がちゃんとしないと、周りがついてこないし、戦争してる馬鹿どもに村のものが連れて行かれてしまうぞ!」


「はあー。メグ。申し訳ない。10人ほど既に居なくなったと報告を受けている。今はその仕事の代わりなる人を誰にするかとかの調整で忙しいんだ。」


ここで考えて欲しい。まず、主人はまあ二十代前半から半ばくらいの男性だ。それはそれで、こんなに若いのに村長とはすごい。ただ見た目は人だな?そして対して話しているのは9歳ちょいの子供2人だ。間違いなくこの光景はおかしいだろ?今さっきのヤリトリもメグは何者?訳がわからん。


「なるほど。だからこんなに早く会ってくれたわけか。その馬鹿者達はいいのか?」


「既に人は向けた。問題無い。さて、君がレイ君だね。はじめまして。ラゴルド・ドス・ギャランだ。よろしく頼む。」


「はじめまして。レイです。僕はメグ達に会うまでは記憶がなく、1人でした。ここでお世話になりたいので何でもします!!よろしくお願いします。」


つかさずお辞儀をする。


「そうか!!良かった!ここに住みたいなら、ちょうどいい。仕事は男の子だから力仕事になるからよろしくね。後、家はメグに任すかな。よろしく。細かな事も頼んだよ。」


「わかっておる。私の独断で連れてきたんじゃ。やるさ。」


「では、本題だ」


さっきまでの和かな顔が表情はそこまで変わってないのに圧を感じる。な、なんだ!?


「右目の眼帯を取ってくれ。」


「え!?」


いや、確かに話してるとは思ったが、メグを見ても真剣な眼差しで返された。仕方なく眼帯を取り右眼を開く。


「その眼帯を貸してくれ。」


訳がわからんが、とりあえず渡した。裏側を凝視している。何も書いてないがどうしたんだろう?

それにしても、この人凄い魔力が蠢いてるな。若いだけでは無いんだな。因みに右眼を使ってる時はメグは絶対見ないようにしている。あれはなんか違う。見ちゃいけない気がする。


「ありがとう。凄いな。その眼帯は。魔法制御に抑制だけでなくパイプ役も果たしている。」


?????


「どういう意味ですか?」


「ん?わかって無かったのか?その眼帯は刀と君をつなげる役目も果たしている。だから妖刀に飲まれる事なく使えるんだ。すでに、その眼帯が刀を縛ってくれてると言えばわかるかな?だから、この眼帯は刀に認められるまでは手放した状態で刀を抜いちゃダメだぞ!」


「そうなんですか。わかりました。ありがとうございます。」


「あ、眼帯はまだつけないでくれ。」


え!?


ラゴルドさんの両眼が金色に光り、龍の眼になっていた。

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