第3話【確認】


 歩きながら私たちのステータスや姿を確認し合った。

 ステータス表示がある理由は転生チートで、無双できると思って死んだ人が多いそうだ。

 あと、他人が出したステータス画面は見れないみたいだ。

 私は青い龍の刺繍が入った赤のチャイナドレスに、狼を模したゴツイガントレット。

 ほっそり体型に銀髪ロン毛、美少女らしい。


 笠田 峰禹

 装備品 チャイナドレス

 ガントレット【狼牙ろうが


 ジョブ

 武道家


 称号

 異世界転生者


 加護

 転生の祝福


 パシップスキル


 スキル


 海はTheサムライといえる赤いマントを被った衣装に3代目牛札と小さく彫り込まれた刀を持っている、年齢は20代に見える顔立ちをしている。


 山崎 海

 装備品 猩々緋しょうじょうひのマント

 和服

 打刀【参代目さんだいめ牛札 ぎゅうさつ


 ジョブ

 剣士


 称号

 異世界転生者


 加護

 転生の祝福


 パシップスキル


 スキル


 スネ夫は灰色スーツで白いシルクハットを被ってマジシャンのような格好の優男、特にこれと言った武器がなく素手であった。


 スネ夫 (鈴木 宏)


 ジョブ

 魔法使い


 装備品 マジシャンスーツ


 称号

 異世界転生者


 加護

 転生の祝福


 パシップスキル


 スキル


 何か全員コスプレしているみたいだ。

 それはさておき、このガントレットの名前は狼牙って呼ぶんだなぁ、かっこいい名前。

 <宜しく頼むぜ>

 あれ?何か聴こえたのようだ、気のせいだろうか。

 そんな事を思いながら大きな壁の門の前にきた。

 広場になっていて、木造りの大きな箱、それに直径1m程の輪を付け、馬を引きずり動かしている、馬車が多くそこにあった。

 よく見るとその下に白い線が引かれ、定位置に並べらている。

 ザワザワ、ザワザワと何かの騒ぎがあるみたいだ。

 視線の先を見ると金属で華々しい装飾されている馬車がそこにはあった。


「ハム・ボンレス様のお通りだ庶民ども道を開け!」


 光を受け眩しく輝く銀の鎧を着た騎士が止まった馬車前で、直線上の人にそう叫ぶ。

 こんな定番なセリフ演劇以外で初めて聞き、改めて、転生を感じさせた。


「こりゃー参ったなぁ」


 私たちの一つ前に並んでいた旅の商人らしき人物が独り言を呟いていた。

 そんな彼をチラリと見るとこちらに気づき、ふくよかな30代の男性が気さくに話しかける。


「よう、にぃちゃん方、冒険者かい?だったらうちでポーションでも買ってくれよ、安くするぜ」


「いえ、私たちはまだ冒険者ではありません。それより、これはなんの騒ぎですか?」


「さっきも言っただろう、貴族様のお通りだとよ。そのせいで今みんな待っているんだよ。全く貴族様も良いご身分だことだ」


 貴族が来るまで、私たちを入れて100数人はあったが、10秒に1人の流れで、そこそこスムーズだった、があの一声で流れが止まった。

 私たちに話しかけた人は僅かながらの皮肉を込めて言葉に出す。

 さっきの言葉からも考えれるのだか、確認も兼ねて聞いてみた。


「貴族はそんなに偉いのですが?」


「ああ、昔の貴族はドラゴン退治とかで偉くなったがよ〜、あの貴族はゴブリン1匹倒せるかすら怪しんだかな」


 ゴブリンやドラゴンなどのワードが聞こえた。

 多分この異世界はモンスターがあるのだろう。

 手に備えた武器を人目見て、それを持っている理由も分かってきた。


「まぁ、これも何縁だ。宣伝代わりに持ってけ」


 そう言って、男性の足元にあった箱から蓋のない筒を6個と胸ポケットから名刺を渡してくれた。

 蓋のない筒には浅い緑色の液体が入っていた。


「うちのポーション、ちょっと値は張るが効果は抜群だぜぇ!」


 ウィンクし右手でサムズアップ、左手は腰に当てていて、自信ありげに言い放った。


「おっ、番が回って来たぜ、必要なものがあったらうちに来てくれ、ほんじゃあなぁ」


 しばらく、と言っても1分止まっていた流れが再開し、番が素早く回ってきた。

 貰った名刺を、ふと見てみると店の場所と店長さんの名前があった。店長の名前が【コテニコワンム】と書かれていた。

 抜け目が無い人だ。

 しばらくして私だちの番が回って来た。


「身分を証明出来るものを出してください」


「どうするのよ?」


 門番は元気がなく、手に持っている木の板を見ながら、無愛想に聞いてくる。

 私が慌てていたが頭がキレるスネ夫がルーミーさんから貰った異次元ポケットに手を入れ


「あったわよ」


 と言って門番に出し


「行けますか?」


 と私が心配そうにしたが


「進んでよし、その前にここに名前を書いて貰う」


「構わないけど、何で?」


「知らないのか?これだから田舎モンは」


 初めて、顔を上げ、面とあって話す。

 ちょっとイラッとしたが異世界は私達にとっては知らない世界だ、だから田舎モンと言われても仕方ない。


「攻撃系魔法を使わせないためだ」


「なるほど」


 街に被害を少なくするためか。ファンタジーな世界だけあって名前を書くだけで効果がでる。

 目的を知り、私たちはそれぞれの名を書いた。

 そして、近くてみて高さ約20mもある大きな壁にある少し大きな扉を潜ると、私たちは驚きを隠せず「うぉっ」と私たち3人は腑抜け声を上げた。

 所々現代的な、マンションやスーパーマーケットらしいものがあった。

 今頃だけど一つ疑問に思ったことを言った。


「海、いつもあんなに喋るのにさっきはあんまり喋らなかったね」


 そう、いつもはまあ喋る、しかし今日は余り喋っていない。


「故は神経質で人見知りの拙者だ、お主が女口調でさっきのおっちゃんもいたし狼狽えるに決まってござろう」


 海のござるとか拙者とかちょっと言いすぎて、侍や忍びというより電脳の侍オタクに見えてきた。


「これは仕方ない事だもん、だってスネ夫が見た目に反して違和感があるからって言うから」


「まぁ、拙者もわからなく無い、麗しい女子が男見たいに話すのは違和感があるが、お主じゃそっちの方が違和感が有るかも知れない」


「んもぉー、でしょ、だったらこっちの方がいいの!」


 エスカレートする会話、このやり取りで、私は頬を膨らませて言う。あれ、なんかの塊が落ちた気がする。


「ぬっ、その言動作っているのでござるか?」


「何よ!何が作っているのよ!」


 私は頭に血が上り、特に考えず、やけくそになって答えた。


「天然か」


 海とスネ夫が口を揃えていった。


「もう、どんだけ〜二人とも喧嘩しないの、みんなが見ているでしょ早く冒険者登録しに行くわよ」


「はぁいー」


 スネ夫が止めに入り、軌道修正をする、すぐに冷静を取り戻した私と、海は素直に受けいれた。

 そして、私たちは大きな壁の内側の門番に冒険者組合の場所を教えてもらい、行った。

 2階立ての建物の中で【冒険者登録・依頼受託】を請け負う所があったのがわかった。

 だが、コテニコワンムさんに貰った名刺でもあった異界の文字、書かれている文字は日本語ではない見知らぬ文字だ、だが何故か意味が分かる。


「冒険者登録したいのですが」


「3人で1500ネリーとこと書類を記入してください」


 渡された紙を触って、異世界なのに、触り心地は地球と同じような感じで少し、時代の進歩に感心する。


「あっ、異世界の文字書けないかも」


「いや、何だか分かるよ」


「能力の効果かもしれないわねぇ」


「だったら良かったよ」


 心配していた事も、問題なく解決済みだった、渡されたそれぞれの表を埋め、提出した。


「カイさん年齢本当に17歳ですか?」


「拙者は確かに17でござる」


「それは失礼しました」


 確かに、この顔立ちで17歳と言われたらまず疑う、海はそれが真実と伝え、受け付けのお姉さんがチェックを再開した。


「問題ないようですね、しばらくお待ちください」


 数分もしないうちに、3枚のカードを手渡しされてから軽く冒険者を説明してもらった。


「……、それではこちらのクエストをクリアしてもらってから冒険者と名乗れますそれまで研修生と言う形になりますのでご注意を」


「とりあえずこの採取のクエストをクリアすればいのですか」


「そうです」


「それでは行ってきます」


「行ってらっしゃい、お気おつけて」


 封筒を渡され、採取クエストと大きく書かれていた。

 それを受け取り、間違いがないか、再確認をし、行くことを宣言した。

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