女の子はエスパー
勝利だギューちゃん
第1話
「やあ、元気?」
「元気なら、ここには来ない」
「それも、そうだね」
久しぶりの彼女との再会に、笑みがこぼれる。
といっても、出来れば来たくなかった場所だが・・・
「今、何しているの?」
彼女の、嫌味な質問に、嫌味で返した。
「君と話してる」
「そうじゃなくて・・・環境」
「仕事?」
「うん」
僕の仕事は、クリエイター。
でも、素顔や名前は知られたくない。
よって、顔を公開せず、PNで活動している。
ここで、言ってしまえば、その意味がなくなる。
それなりの、稼ぎはあるのだが、たかられても困る。
なので、ウソをついて。
「ニート。自宅警備員」
「よく、ここに来るお金があったね」
「親に出してもらった」
「その歳で?」
「ああ」
「いい加減自立しなさい」
「ほっとけ」
印象は悪くなった。
でも、それでいい。
僕は、いじめられっ子で友達がいなかった。
なので、今の仕事がばれたら、急に友達のふりをして、たかりにくる。
寒気がする。
彼女?
ただのクラスメイトだ。
一緒の委員会で、少し話をした程度だ。
「君は、看護師になったんだね」
「うん。努力したもん」
「ところで・・・」
「何?」
彼女は、きょとんとする。
「最近のナースさんは、パンツルックなんだね」
「そっち?でも、スカートだと、男性の患者さんがね・・・」
やはり、それなのか・・・
「それに、動きやすいし・・・」
「なるほど」
でも、ナースキャップは被ってほしいな。
希望として・・・
「で、○○先生、締め切りはいいの?」
「ああ、仕上げたよ。その点では、ついてるタイミングと言える」
「やっぽり」
な・・・なんだ?
「漫画家の○○先生は、君だったのね、・・・くん」
し・・・しまった・・・
でも、どうして?
「今、どうして知ってると思ったでしょ?」
「・・・うん・・・」
「それはね・・・」
「それは?」
≪女の子は、好きな男の子の事はすぐにわかるんだよ≫
エスパーですか?
女は、怖い・・・
女の子はエスパー 勝利だギューちゃん @tetsumusuhaarisu
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます